2002年01月02日(水)  宝くじで得られる夢。
「暇ですねぇ」「そうだねぇ」
 
1月2日。僕は今日も看護婦さんと外来受付に座っていた。
今日は窓から雪が見える。
休診の外来はとても静かで、雪が地面を撫でる音まで聞こえてきそうだった。
 
「宝くじ・・・買った?」
雪をぼんやり眺めていると、看護婦さんが話しかけてきた。
「いや・・・買って・・・ません」
2人とも言葉が途切れ途切れになるのは、時間がゆっくり流れているからだ。
1月2日の休診の外来では、切羽詰まった表情で早口で話す必要なんてない。
窓から見える雪のように、ゆっくりと右へ左へ揺れながら話をすればいいのだ。
 
「そう・・・つまんないわね」
宝くじを買う人が楽しいとは限らない。
僕は宝くじを買わなくたって大きな夢ぐらいは持っている。
「で・・・どうでした?」
窓からは雪が降っていて、テレビからは大学生がタンクトップ1枚で走っていた。
 
「ふん。全部ハズレ。300円がたったの3枚」
そう・・・つまんないわね。と言おうと思ったけど、さすがに雪の日に雷が落ちるとたまらないので、
腹の中でぷっと笑って「残念でしたね」とだけ言った。
 
「ほら、こんなに買ったのに」
看護婦さんはロッカーから9000円分の宝くじを持ってきた。
9000円支払って900円の還元。
「10%還元じゃないですか」
予想してたけど、やっぱり怒られた。
「300円1枚でも当たったら嬉しいものなのよ。宝くじって」
 
人は宝くじで「夢を買う」と言う。決して叶うことのない夢を。
そりゃ、何百万人に1人や2人は夢が叶うかもしれない。
だけど何百万人分の1の夢なんて叶わない夢と同じだ。
 
0.00001%の夢を求めて10%の300円にちょっぴり喜ぶ。
 
まぁ、人生ってそんなものかもしれないね。

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