2002年01月01日(火)  一年の刑は元旦にあり。
1月1日、外来勤務。本日休診。事務員正月休み。
僕は同じく外来勤務の看護婦さんと2人で外来受付で虚空を眺めていた。
 
「暇ですねぇ」「そうだねぇ」
「元旦ですもんねぇ」「元旦だもんねぇ」
 
話も続かない。仕事もない。ただただ虚空を眺め続ける。
先月まで病棟勤務をしていた僕にとって、この無意味な時間は辛い。
受付の音量を小さく絞ったテレビから「新春初笑い」が聞こえてくる。
 
まるで世の中の流れと逆らうかのように、受付の時間はゆっくり流れていく。
小さな鏡餅をのぞいて、この受付からは正月らしい風景は見えない。
 
「さて」
僕は何かを決意したかのように大きく息をすってそう言う。
そして何もしない。意味を失った「さて」という言葉は、僕の頭を旋廻しつづける。
 
さて、元旦。
 
本当に新しい一年が始まってしまったのだろうか。
「郵便で〜す」
郵便が届く。広辞林よりも厚い年賀状の束が届く。病院へ届く年賀状はこんなにも多いものなのか。
 
さて、年賀状。
 
機械で印刷された「本年もよろしくお願い致します」の文字をいくつも眺めながら、年賀状の仕分けをする。
「今年もどうぞよろしく」「旧年中はたいへん・・・」「今後ともどうぞ・・・」
「新しい年を迎え・・・」「新しい年が皆様に・・・」「心よりお祈り・・・」
 
・・・。
 
年が明けたからどうしたっていうんだ!
 
と叫びたい衝動にかられる。正月に立腹しているのではない。
この、なんというか、機械的な、無個性な、右に習え的な、とりあえず的な
新年の挨拶にげっそりとして立腹してしまいそうだった。
 
もっと、心と心が通じ合うような文章を書けばいいのにね。
手書きで「本年もよろしくお願いします」とかじゃ駄目です。返って駄目です。
せっかく50円払って年賀ハガキ買うんだから、もっと心を込めなきゃ。
50円に込める心。そういうものが美しいと思うんだけどね。
 
もっとも僕は、ここ数年、年賀ハガキは一通も書いたことないんだけど。
こうやって、自分のことは棚に上げて人の揚げ足ばっかりとってるような人が
一番たちが悪かったりするんだけどね。頑張れ僕。
 
というわけで、新年の目標。一年の計は元旦にあり。
「人を愛すること」は却下。なんだか面倒臭そうなので来年の目標にします。
 
「誠実に生きる」どうですか。駄目ですか。駄目だろうね。

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