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| 2001年12月08日(土) 乾いた杯。 |
| 久々に――久々といっても、10月の結婚式以来だけど 親友達が集まった。高校からの親友。 10月に結婚した消防士。 去年結婚した公務員。 コンビニの若き店長。 料亭の若き支配人。 近況は語り合うまでもなく、僕たちはそれぞれの近況はだいたい把握している。 だから僕たちに残された話題は、他愛の無い話。 僕たちはこれまで争うことなく、マイペースで付き合ってきた。 僕は遅れて店に入る。彼等は皆、ビールをジョッキ一杯ずつ飲んでいた。 「ずいぶん早かったね」 公務員の友人が遅れて来た僕を皮肉って言う。 「生ビール下さい」 彼の話には取り合わずビールを注文した。 「無視かよ!」 彼は高校の頃からさま〜ずの三村風のツッコミをする。 テレビでさま〜ずを見ると僕はいつも彼を思い出す。 「今日はめでたい日だっていうのに」 彼はもったいぶってそう言う。 「愛子様ご誕生で充分だよ」 僕はジャケットも脱がずに運ばれてきた生ビールを飲む。 「で、何?」コンビニの店長の枝豆をつまみながら尋ねる。 「彼女ができたんだ」消防士が応える。 「え?誰が?」 「俺たち」コンビニの店長と料亭の支配人がニヤニヤ笑っている。 「マジで!?」僕は驚く。仕事で私生活を犠牲にしている彼等に久し振り彼女ができた。 「おぉ!これはめでたい!皇室番組見てる場合じゃなかった!」 僕達は乾杯する。親友達の幸福に。 「で、お前はどうなんだ」 料亭の支配人が僕に尋ねる。話の流れ上、勿論そういう話題になる。 「あぁ、どうなんだろうね」僕はまるで他人事のようにそう応える。 「この前言ってたコとはどうなったんだよ」親友は僕の古傷を探り出す。 「あぁ、どうなんだろうね」僕はまるで他人事のようにそう応える。 恋愛は、僕にとって、まるで他人事だ。その言葉に感情は含まれない。 例えるならば「コンビニ行こうよ」「うん。行こう」そういう感じ。 まるで他人事。感情は含まれない。 生きた感情が渦巻かない限り、僕は結婚なんてできない。 虚構の恋愛はいくつでもできるんだけどね。乾杯。 |
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