2001年11月19日(月)  日刊男心。
歯石除去のため近所の歯医者に行った。
  
僕はいつも適当な期間と適当な時間と適当な決意が重なれば歯石除去に行く。
その理由は、歯石除去は結果が明確なのだ。
 
行く前に鏡の前で大きく口を開けて、どの部分にどの程度、歯石や煙草のヤニがついているか確かめる。
そして歯石除去が終わってから、もう一度鏡の前に座り、どの程度落ちたか確かめる。
 
綺麗になっているととても嬉しい。
 
それだけ。それだけの理由。歯肉炎や歯周炎の予防などは副次的なものであって、
ただ、キレイかキレイじゃないかの違いが明確にわかる快感を求めているのだ。
だから歯科衛生士が指導するブラッシング指導や正しいハブラシの選び方などは
適当に受け流している。
いくら熱心に指導しても、言われなくても毎朝歯を磨くし、酔っ払って帰ってきたら歯なんて磨けない。
正しいハブラシの選び方なんて、近所のスーパーの売り出し期間を逃さないことが正しいのだ。
 
なんだか不純な動機で歯石除去に行っているみたいだが、
不純な動機でも筋の通った動機でも結果に違いは見られない。
悪人でも善人でも歯科衛生士さんはキレイに歯石を除去してくれる。
 
今日の歯科衛生士さんは笑わない人。
以前、この歯医者に虫歯で通っていた時からこの歯科衛生士さんの笑った顔を見たことがない。
顔の作りは端正でとても綺麗なのだが、笑顔を見せない。
以前、何か冗談を言ってみた事があったが、その時も笑ってくれなかった。
綺麗なんだけど笑わない。綺麗だから笑うってわけじゃないけど。
 
ここの歯医者は、治療の時に手袋もマスクもつけない。
綺麗な歯科衛生士さんが、細い指で僕の唇をなぞり、僕の額の辺りに歯科衛生士さんの優しい鼻息がかかり、
僕の頭頂部には歯科衛生士さんの乳房が当たる。
 
僕がまだ高校生だったら確実に変な妄想に浸っていただろうけど、
僕はもう25歳なので変な妄想には浸らない。
というか浸らない為に必死に頭の中で別の事を考える。
 
今日の夕食について。スウェーデンの社会福祉について。現代の民族問題について。
法の下の平等について。マルチメディアについて。これからの日本について。
 
僕がいくら難解な問題について考察しても、歯科衛生士さんの乳房は容赦なく僕の頭を刺激する。
 
今度食事に誘ってみようかしら。
 
「もう貴女にメロメロです」って。

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