2001年11月18日(日)  14型。
携帯電話に着信が入っていても、僕は電話をかけなおすことは少ない。

昨夜。
「どうして電話かけ直さないのよ!」
と、怒られる。
「バックに入れたままで着信音が聞こえなかったんだ」
といかにも真実らしい言い訳をする。言い訳も何も真実に違いないのだけど。

「今から来ていい?」
「うーん」
「じゃあ、あと1時間くらいで来るからね。何か買いに行く?」
「もう風呂に入ったから行かない」
「何か飲み物買ってこようか」
「何もいらない」

1時間後友人が2人来る。ビデオを見るらしい。
僕はその時プレステの野球ゲームをしていた。
友人達が「早くやめてよ」と急かすため調子を崩した我がチームは逆転負け。

「ファック!」
コントローラーを放り投げる僕。ブラウン感の向こうでガッツポーズするジャイアンツ清原の姿。
「終わった?ねぇ、もう終わったの?」嬉しそうな友人達。
君達が急かすから負けたんだ!と心の中で叫んだ。口に出して叫んだらデッドボールが飛んでくる。

「ゲーム如きでそんなに熱くなれるなんて、あなたって幸せそうだよね」
我がチームが負けて幸せも糞もあるものか。

灯りを消してビデオを見る。
「相変わらず画面小さいねぇ」友人が呟く。
部屋のテレビは14型。大きい画面のテレビは欲しいけど、あまりテレビはみないので、
買うのは、来月で、いいや。など毎月思ってしまう。
1月が2月になって2月が3月になって、とうとう14型テレビのまま2001年は終わってしまいそうである。

真っ暗な部屋には石油ストーブだけが赤い光を放っている。
友人の1人は、僕のお気に入りの枕とタオルケットを取って部屋の真ん中に横になっている。
もう1人の友人は、僕のお気に入りのフリースベストを羽織ってソファーを陣取っている。
どうやら友人達は僕の部屋では「女性らしさ」を放棄しているらしい。
 
居場所のない僕は部屋の片隅で、カーペットさえ届かない部屋の片隅で、
ストーブから一番遠い場所に位置する部屋の片隅で、
胎児のような格好で両手を膝に挟んでビデオを見る。

「ティッシュ取って」「はいはい」
「灰皿取って」「はいはい」
「ちょっと邪魔」「はいはい」
「お菓子持ってきて」「うるせぇよ」
「何だって!?」「ごめんなさい」

この友人達、明日は休日。
僕は、仕事。仕事内容は、今やってることと変わりないけれど。

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