2001年11月11日(日)  思い出へ至るまでの過程。
久し振りに思い出して、考えてみた。
 
君は早朝の草原に立っていて、深い霧と帽子で顔が見えない。
僕は深夜の砂浜に立っていて、月の光と潮風で侵食されている。
 
君は暗い部屋で僕を支え、
僕は狭いホテルで君に委ねる。
 
あの、狭いホテルは、僕自身の中身だったのではないかと思う。
薄暗くて、ドアが1つしかなくて、水道の調子が悪くて、
テレビは有料で、冷蔵庫は冷えなくて、シーツの糊は効きすぎていて、水は不味くて飲めない。
 
右も左も北も南もわからなかったけれど、君だけが灯りを燈してくれて、道標になってくれた。
いずれ消えてしまう灯火とわかっていながら。
 
久し振りに思い出して、考えてみた。
 
いつか1つになった道も、また分かれてしまって、僕は僕の考える最善の道を歩き出し、
君は何処に行ったのか、見えなくなってしまった。
僕が1歩1歩前へ進む度に、今まで歩いてきた道は崩れ去って漆黒の闇へ続く崖となり、
僕は焦って、歩みを少し早める。もう後には戻れない。
 
毎日考えることが多すぎて、日常が生む砂塵に少しずつ埋もれていってしまう。
深夜の砂浜で月の光と潮風で侵食され砂塵に埋もれる僕の身体。
 
君は今、何をしているの?
砂浜から見渡すことのできるどこまでも続く波の中で、
 
君の姿は、もう見えない。

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