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| 2001年11月05日(月) キラキラ光るお空の星ョ。 |
| 「ねぇ〜見て見て〜!」 ナースステーションでカルテ記入をしていたら看護婦さんに声を掛けられた。 「ねぇ、今日の私ちょっと違うでしょ」 と、ニコニコしながら体を揺らしている。違いなんてわかりゃしない。 そもそも昨日の看護婦さんの様子さえ思い出せない。 看護婦の容貌を観察するために仕事に来ているわけではないのだ。 しかも今日は病棟のリーダー業務。違いを考える前に仕事が山ほどある。 「わかりません。ごめんなさい」 「こっち見ないでわかりませんって!ちゃんとこっちを見なさい!」 看護婦さんが顔を近づける。近づけたってわからない。 「わかりません。ごめんなさい」 ひたすら謝って正解を導かせるいつもの手法を使う。 世の中、謝り方さえ上手ければなんとかなる。 「もう!ほら!目が違うでしょ!目が!」 ほら。すぐ正解を言う。 看護婦さんの目を見る。目線を逸らさずジッと見つめあう2人。 「もう!あんまり見ないでよ!」 どっちやねん。 「今日はいつものマスカラとはちょっと違うのよ。ほら。ラメが入ってるでしょ」 そういわれれば、まつ毛がキラキラ光っている。 「ほんとだ。とても綺麗ですよ。まるでまつ毛に虫の卵が湧いているみたいだ」 蝶にでも蛾にでもなればいい。 「まぁ!なんてことを!」 看護婦さんは逆上した。後輩の看護婦を呼び、僕を羽交い締めにし、 化粧ポーチからマスカラを取り出した。 「君にも卵を植え付けてあげるわ」 男がベットの中で言いそうな台詞を公然と口にして僕に近付いてきた。 身動きできないため、まばたきを連発することが唯一の抵抗だったが、 「大人しくしなさい!」 の一言であっさりと大人しくなってしまった。僕は物わかりが良いのだ。 「ハハ!綺麗よオカマちゃん!」 看護婦さんは勝ち誇ったようにそう言った。 しかし復讐はそれだけでは収まらず、化粧ポーチから(まつ毛をカールさせる道具)を取り出した。 この名も知らぬ道具には辛い過去がある。 当時の彼女の目を盗んで、こっそりとこの道具を使ったことがあるのだ。 そして結果は失敗。まつ毛がカールするどころか、まぶたを挟んでしまい、 まぶたが真っ赤にカールしてしまった。 これはまばたきを連発するとかえって危険だ。 僕は一切を諦めて、どうにでもなればいいと思った。 その姿はとても男らしかった。 そしてその前に仕事中だった。 |
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