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| 2001年10月21日(日) 大人ノ階段ノボル。 |
| 僕は小さなこだわりとして、開閉式の携帯電話は持たないようにしている。 これまで4回ほど携帯を変更したけど、全て、あのスタンダードな形の携帯だ。 スタンダードな形の携帯電話は、「キー操作無効」のボタンを押さなければ、 歩いてる時にポケットの中で勝手にボタンを押されてしまうという欠点がある。 ポケットから取り出して携帯を見ると発信履歴に 「77777777677799900」などと表示がしてある時がある。 ポケットと太腿の共同作業で僕の意思と関係なく押された数字だ。 昔は、この番号は神様が僕に与えてくれた暗号のようなものじゃないだろうか。 と神経症的なことばかり考えていたのだが、 いい加減僕も大人になったので、このような馬鹿げた考えはしなくなった。 神様の意思で僕の太腿は動いているわけではないのだ。 しかし、時に神は偉大な力を発揮する。 今日、今から水泳にでも行こうかしらと思っていた矢先、携帯が鳴る。 「着信 ○田○美」 懐かしい名前。数年前マックでバイトしていた時に知り合った子だ。 「久し振り〜!!」当時と変わらない声。 「久し振り。元気してた?彼女できた?」みんな僕の声を聞くと彼女の事を聞く。 「元気だよ。そっちは?云々」 久し振りに話す人物とするマニュアル通りの会話がしばらく続く。 「で?どうして電話したの?」マックの子が本題に入る。 「え?電話した?誰が?」 「あなたが」 「え?電話してきたのは君でしょ?」 「その前にあなたが電話したんでしょ」 発信履歴を見る。今日の午前中に確かに彼女に電話している。 しかし今日の午前中といえば、患者さんの傷の処置をしていた頃だ。 出血が止まらないので、手が血だらけになっていた頃だ。 両手血だらけで昔のバイト友達に電話する理由なんてどこにもない。 きっと、出勤途中に僕の太腿が彼女に電話してしまったのだろう。 「朝、ポケットに・・・」と言いかけて言葉を切った。 なんだかこういうのって言い訳がましい。新手のナンパみたいだ。 太腿が君と話がしたいって言ってたんだ。 「声が聞きたくなったんだ」 真実を伝えても信じてもらえないだろうし、面倒臭くなって 好意を持ったことのない女性にまで平然と嘘をつけるようになっている僕は 確実に大人への階段を昇り続けていると感じた。 |
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