2001年10月17日(水)  「あ」
昨日は夜勤明けで家に帰り、すぐ昼寝をして
夜7時前に不機嫌に目覚めて、不機嫌なままマックに行って
不機嫌な形をしたマックリブレと10分ほど水に浸したような根気のないポテトと、
外国人の基準で決めたMサイズのアイスティーを飲んで、
職場に忘れた不自由の象徴である携帯電話を取りに行って、
部屋に帰ってビールを飲みながら暴力的なビデオを見た。
 
0時過ぎにビデオが終わり、暴力的な余韻に浸りながら、
あぁ、ピストル欲しいなぁ。などと馬鹿な事を考えながら歯を磨いて布団に潜り、
小さな音量でカウント・ベイシーを聞きながら部屋の電気を消した。
 
深夜1時。様々などうでもいい葛藤の末、布団から起き上がり尿意もないのにトイレに行き、
冷蔵庫からビールを取り出して、キッチンのテーブルに座り、小説を読みながらビールを飲んだ。
 
2本の缶ビールを1時間かけて飲み干す。
深夜2時。
小説は終盤にさしかかる。
主人公の親友と彼女が死んだ。多分、この主人公も最後には死んでしまうのだろう。
 
「あ」
 
声を出してみる。深夜2時のキッチンは隅から隅まで、――食器棚から部屋に通じるドアまで
静寂が支配していて、もしかして僕の声も知らない間に深夜2時の静寂に支配されているのかも知れない。
 
「あ」
 
少しいつもと違うような声だが、確かに僕の声だ。
少し違うような気がするのは、深夜2時の静寂の影響を少なからず受けているからだろう。
 
天井を見上げる。睡魔は襲って欲しい時にはいつも背中を向けている。
睡魔が僕を見つめる時は、職場の昼休み明けの処置の時間だったり研修会の時間だったりするのだ。
それは往々に僕の意思に反して、その圧倒的な力を発揮する。
 
深夜3時。もう一度布団へ潜りこむ。
多分このまま朝まで眠れないのだろう。
寝返りをうつたびに僕の背中には睡魔が潜んでいて、不気味な笑顔を浮かべているのだろう。
 
早朝4時。ベランダをのぞくと、青みがかった空を見上げながら睡魔がタバコをふかしていた。

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