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| 2001年10月15日(月) 螺旋のリング。 |
| 僕は右手薬指にいつも指輪をつけている。 どうしてあなたはいつも指輪をつけてるの?と問われても、 別に理由はない。と応えることにしている。 人に説明して理解できる物語と理解できない物語があるのだ。 それは、とても複雑で、 鹿児島から宮崎へ旅行するのに羽田経由で福岡空港で降りてレンタカーを借りて 高速に乗って、熊本インターで降りて、バスに乗り換えて、宮崎空港まで行くような物語なのだ。 しかし、それにはしっかりとした理由だって存在する。 とにかく紆余曲折を経て僕の右手の薬指にはいつも指輪が悲しく佇んでいる。 (償い) 好きな人の前でもこの指輪を外すことはない。 好きな人から「この人、彼女がいるんじゃないかしら」と思われることもある。 しかし、この指輪から見当違いのメッセージが発せられているとしても気にしない。 時々、罪について考える。償いについて考える。 過去の過ちを。人を傷つけたことを。果たすことのできない約束を。 永遠が崩れ去る過程を。戻らない日々を。 レコードプレイヤーから流れていたあのジャズを。 この世にはどうしようもできないことだって数多く存在するのだ。 せめて この指輪だけでも、永遠を立証するたった1つの手段であってほしい。 形無き永遠の1つの形であってほしい。 「彼女いないのに薬指に指輪なんてつけてるから新しい彼女ができないのよ」 数日前も友人にそう言われた。 「そうだよねぇ」 甘ったるい缶コーヒーを飲み干しながらそう応える。 (償い) 全てが終わっても、そこには何かが残骸としていつまでも存在する。 失ったものは、やがて形を変えて再び現れる。 葡萄を食べても種は残るし、その種は新たなる葡萄を生む可能性を含んでいる。 これだけ過去に対してさっぱり忘れる質なんだから、 右手薬指の一本くらい過去を引きずったっていいじゃない。 と思うわけであります。 償いを込めた自分自身に対する言い訳。 |
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