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| 2001年09月26日(水) 2時災害(後編) |
| 下着1枚の楽な姿からTシャツとチノパンツを履いてアパートを出る。 深夜2時のアパートの外は思った以上に冷える。もう1枚シャツを着ようと思ったが、 悲しむ友人と、馬鹿らしさのため部屋に戻るのをよして、そのまま駐車場へ走った。 国道沿いを5分程走ったところで、 まるで世界の終わりを歩いているようなうつむいて歩く友人を見つける。 見つけるのが少し遅かったので、彼女の数メートル後方で車を停めたが、 彼女は立ちすくんだまま、歩き寄ってくる気配がなかったので、 仕方なく車をバックして彼女が立ちすくむ道路脇まで車を寄せた。 彼女は車に乗るときに「ありがとう。ごめん」と言ったきりで、 その後は助手席でずっと携帯を眺めていた。 僕は眠たさをアピールするためにあくびを数回しただけで、特に話し掛けなかった。 アパートに着いて、簡単な着替えとタオルを渡し、 「シャワー浴びたければ浴びていいし、服はこれを着ればいいし、 寝る時は、僕がさっきまで半分夢を見ていた布団に寝ればいい。僕は寝る。おやすみ」 そう言って僕は硬いソファーに横になって毛布をかぶり電気を消した。 彼女はそのまま電気を灯したままキッチンのテーブルに残っていた。 シャワーを浴びる準備も、着替えをする気配もない。 ただ沈黙の中に携帯のプッシュ音だけがいつまでも響き渡っていた。 僕はすっかりと眠気が覚めてしまったので、硬いソファーの上で暗い天井を眺めていた。 何分、何十分、時が進んだかわからないけれど、突然プッシュ音が聞こえなくなった。 時々、彼女が鼻をすする音が聞こえるだけだ。 「ごめん。やっぱり帰る」彼女が部屋のドアを開けて言う。 「そう言うと思った」そう言うと思った。 「家まで送って」 「は!?」そう言うとは思わなかった。 再び車に向かう。深夜3時の空気は深夜2時の空気より冷える。 「どうするつもり?」 「塀を登ってベランダから入ろうと思う」 無理するなよ。と止めようと思ったが、多分ここで止めてもやめないだろし、 やめたとしても、また彼女とアパートに戻ることになる。 そして、おそらく、同じ事を繰り返すだろう。僕はソファーに横になり彼女は携帯を鳴らし続ける。 「だって、もう昔とは違うもん」彼女は言葉を搾り出すように言う。 「主婦だもんね」僕はあくびをしながら言う。 「人妻だもん」彼女は僕の意見を微妙に批判する。 |
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