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| 2001年09月20日(木) 青い山脈。 |
| 毎朝、同じ時間に同じ道のりを通って出勤すると、 同じ車や同じ顔触れの人と擦れ違う。 毎朝通うコンビニの店員も同じ人だし、コンビニで擦れ違う人も同じだ。 平日の朝は皆、行動を詳細までプログラムされている。 それに忠実に従って行動する機械のように。 その瞼が腫れた疲れた顔だってプログラムされている。 これから起こるであろう変わり栄えのない日常を自ら作りだそうとしている。 この非日常的ともいえる日常的な朝に、 ある1人の自転車通学の女子高生と擦れ違う。 黒縁の眼鏡をかけて、三つ編みをして、黒い鞄を自転車籠に入れてペダルをこいでいる。 どう見ても現代的な女子高生ではない。 今から高校に行くというより、女学校に行くというような風采というか趣を感じる。 彼女には「純粋無垢」という表現がぴたりと合う。 僕にとって純粋無垢とは、眼鏡で三つ編みで黒い鞄で自転車通学なのだ。 バックミュージックを流すならば、「青い山脈」辺りが似合うだろう。 イメージとしては戦後日本。道路は川沿いの砂利道が好ましいのだが、 残念なことに今は21世紀。何処へ行ってもアスファルト。まぁ、この辺は妥協するとして。 きっと純粋無垢な彼女は朝6時にはネジまき式の目覚まし時計で覚醒して、 居間へ行くと、台所からお母さんが大根を切る音が聞こえて、 小さな声で「おはようございます」と言って、食事の支度を手伝って、 ご飯と味噌汁と今の時期は秋刀魚の塩焼きを大根下ろしと一緒に食べて、 小さな声で「ごちそうさまでした」と言って、自分の部屋に戻って、 AMラジヲを聴きながら今日の時間割りを確認して、鏡に向かって三つ編みをするのだと思う。 おそらくこの女学生も、 僕達の毎日訪れる朝の非日常的さを助長しているのかもしれない。 |
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