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| 2001年08月27日(月) ケンタッキーフライドメール。 |
| 昨日は試験が終わった後、隣に座っていた女性とケンタッキーで昼食を摂った。 年齢は21歳だと言っていたが、23歳と言っても僕は素直に信じただろう。 「あんな課題与えられて何を書けっていうのよ!」 彼女はとても怒っていた。すいません。と何故か僕が謝りたくなった。 僕だってあんな課題与えられて怒りたいのだけど、 怒る相手もいないし、仮に目の前の女性に怒りをぶつけるとしても、 彼女は初対面である。たまたま受験番号が僕の1つ下だっただけだ。 しかし彼女は初対面ということなどお構いなしに僕に怒りをぶつける。 次第に彼女は僕達の共通した怒り(大学の試験について)から、 極個人的な怒りについて話し出す。 「仕事がねぇ!云々」「この前私の彼氏って言ったら!云々」 この時点で、僕達の役割分担は決まっていた。 彼女は僕に怒りをぶつけ、僕はただひたすら聞き役に徹すればよい。 肯いて頷いて決して批判しない。この状況では僕の批判は必要とされない。 「ねぇ。あなた彼女いるの?」 「いない」 彼女は僕に彼女がいない事よりも血尿が止まらないことに頭を悩ましていることを知る由もない。 「ふぅん。作ればいいじゃん」 彼女なんてマックのハンバーガーのようにオーダーして10秒でできるものじゃないのだ。 「じゃ、メールアドレス書くね」 と帰り際、彼女はテーブルの上に乗っていたケンタッキーのレシートの裏に 携帯のメールアドレスを記入した。 「ありがとう。あとでメールするよ。その時に僕のアドレスは登録すればいい」 「うん、そうする。ありがとう」 「こちらこそ」 「気を付けて帰ってね」 「そうするつもり」 「ふふふ」 「ふふふ」 そうして僕は彼女の名前も知らぬまま別れた。 僕は人に名前を尋ねない悪い癖がある。いつまでも「あなた」とか「キミ」などと読んでいる。 そしてメールアドレスが書かれたレシートは、 ポケットの中の他のレシートやティッシュと一緒に、どこかのゴミ箱に捨ててしまった。 決して故意に捨てたわけじゃない。いつもの癖がそうしたのだ。 よって僕は彼女に連絡できなくなったし、彼女も連絡する術を絶たれてしまった。 血尿と発熱と倦怠感に見舞われた見知らぬ土地で。 |
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