2001年06月26日(火)  金のヒツジ(前編)
むかしむかし、クジラのように大きな森がありました。
森の中には、小さな王国があって、王国の中には、小さな城がありました。
小さな城だけど、王国の人たちはみんなクジラ城と呼んでいました。

クジラ城にはクジラのような長いひげを生やした王様がいました。
みんなクジラ王と呼んでいます。クジラ王はとてもわがままです。
朝、決めた法律を夕方にはやめてしまったり、
夕方に雇ったコックを、朝にはクビにしたりします。

みんな困ってしまうけど、王様だから仕方ありませんでした。

王国は冬です。雪がクジラ城を白くいろどります。
暖炉の火がパチパチと城中を暖かくします。
暖かいお肉やスープが次々に運ばれてきます。
だけど、王様は不機嫌です。みけんにクジラのようなしわを寄せています。

「寒い、寒いぞ、寒い、寒いぞ」王様はそう繰り返し言います。
「どうしてそんなに寒いのですか。スープもこんなに暖かいのに」大臣が慌てて言います。
「スープだけじゃ暖まらないぞ」王様はふんぞり返って言いました。
「宝石のついた毛皮のコートを何枚も着ているじゃないですか」大臣は言いました。
「こんなコートじゃだめだ。私は金のヒツジの毛皮のコートが着たい」
「いや、しかし王様、金のヒツジだなんてこの世には・・・」
「着たいといったら着たいのだ。すぐに持って来い。持ってこなければ死刑にするぞ」
「死刑だなんて・・・わかりました。持ってきます。しかし少し時間を下さい。5日ほど・・・」
「5日は長すぎる。春になってしまうではないか。3日だ、3日待とう」

大臣はしぶしぶうなずきました。

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