2001年05月17日(木)  箱の中の物。
「あなたって偏屈な人ね」クスクスッと友人が笑う。
僕は自分の事を偏屈だなんて思ったことないけど、そう言われればそういうような気がする。
「あなたって狡猾な人ね」と言われれば狡猾のような気がする。そんなものである。

しかし「僕って辛辣な人だ」と自分で言ってみたとしても辛辣のような気はしない。
自分に対する評価は常に他人の意見が尊重される。右向け右。

アパートのリビング兼キッチン。テーブルには友人が買ってきた缶コーヒー。
友人は煙草を少し吸って、すぐ消して、またしばらくすると煙草に火をつける。
神経質になっている。友人は何かを話しに来たのだ。

「あなたに紹介したい人がいるの」
「いや・・・」

僕はもう彼女とは別れてしまっていて柄にもなく少々落ち込んでいたりしてとてもそんな気持ちにはなれないのだけれど、
わざわざ他人の為に緊張して煙草を何本も吸ってまで―少なくとも肺の機能を衰えさせてまで―相談しているのだから、
話だけでも聞いてみようというずるい考え。

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「うん。考えとく」と、口からでまかせ。この件は無期限に考察いたします。あなかしこ。

「じゃ、お願いね」友人は携帯番号を書いた紙を置いていく。
僕はしばらくその紙を眺める。
極端な話、この紙切れ一枚で人生が変わるかもしれない。変わらないと思うけど。
たぶん、変わらない。変わらないに1000点。

僕は、もう、疲れてしまいました。料理に、掃除に、そして何よりも洗濯に。
否。惚れた腫れたの空騒ぎに。
ひっそりと静かに過ごします。いっそ山奥にでも暮らそうかしら。

道化は、どうも、疲れて、いけない。

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