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| 2001年05月16日(水) 玉子物語・最終羽(全4話) |
| 白いヒヨコは大きな翼を羽ばたかせました。すると砂ぼこりが立ち、周りが見えなくなりました。 ママニワトリと2羽のヒヨコは目をつぶりました。 目を開けたとき、そこに白いヒヨコはいませんでした。割れた玉子の殻だけが残っています。 「ボクはここだよ〜」 ママニワトリと2羽のヒヨコは空を見上げました。 白いヒヨコが大きな翼を羽ばたかせ大空に円を描いています。 「すごい!すごいや!!」 2羽のヒヨコは興奮して小さな翼を羽ばたかせています。 ママニワトリも大喜びで小さな翼を羽ばたかせています。 「外の世界は夢で見たた通りの大きな空が広がっていた! 外の世界は夢で見た通りの眩しい太陽が光を投げかけている! 外の世界は夢で見た通りのおいしい空気で満ち溢れている! 外の世界は外の世界は・・・・!」 「外の世界は玉子の中より虚構に満ち溢れているんだよ」 秋風が囁きました。 すると一転、空は厚い雲で覆われ、太陽は雲で隠され、空気が薄れていき、 白いヒヨコの大きな翼はみるみるうちに縮んでいきました。 「外の世界は・・・・」 翼をなくした白いヒヨコはまっさかさまに地面へ落ちていきました。 「外の世界でオレはおいしい肉になるんだ」兄さんヒヨコが言います。 「外の世界で私はふかふかの枕になるのよ」姉さんヒヨコが言います。 「外の世界で私はこの飛べない翼で生きていくのよ」ママニワトリが言います。 外の世界で翼をなくした白いヒヨコは赤いヒヨコとなって 雨が降り出した冷たい土の上で死んでしまいました。 |
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