2001年03月29日(木)  靴下小人と下着妖精(中編)
「俺らだって好きでやってんじゃないよ」
僕の靴下から頭だけ出して小人が言う。
「じゃぁ何で捨てるんだよ、小人は小人らしく夜中にこっそりおじいさんの靴屋の靴でも作ってればいいんだ」
「俺らのご先祖様を馬鹿にするな」
「馬鹿にしてないよ。尊敬してんだよ。奉仕の精神ってやつを」
「やっぱり馬鹿にしてやがる。俺らのご先祖様は白雪姫だって守ったんだ」
「守れなかったじゃないか、結局」
「白馬の王子が来なかったらご先祖様達が助けてたさ」
「それじゃぁ退屈な物語になっちゃうよ」
「王子さえ来なければ、王子さえ来なければ、王子さえ・・・」

小人は傷ついてしまったのかそう繰り返し言いながら僕の靴下へ再び潜り込んでしまった。

「だから好きでやってんじゃないのよ」
自称現代的妖精が言う。
「じゃあ何が目的でこんな事してるんだよ」
「雇われてるのよ」
「誰に?誰に雇われて何の目的で僕の下着や靴下を処分する必要があるんだ」
「それは契約上言えないの」
「はは面白い。契約なんて必要なんだ」
「印鑑証明が必要だけどね」
「意外と本格的なんだ」
「だからとにかく契約上言えないの」
「もしその契約破っちゃたらどうなるの?」
「馬車がかぼちゃに戻ってしまうの」
「言ってること滅茶苦茶だよ」

僕は溜息をつく。

「わかったよ。今までの話を要約すると
君たち短気な小人と現代的な妖精は誰かに雇われて僕の下着や靴下を夜中にこっそりと処分して契約を破ると馬車がかぼちゃに戻ってしまう。こういうことだね」

「なんだよ。かぼちゃに戻ってしまうって」

小人が再び靴下から頭を出す。

「比喩表現ってやつよ」

妖精が胸を張って答える。いったい何の比喩表現なんだ。

   ★☆あとちょっと続く☆☆

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