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モスト・オブ・タイム


今はもっぱらBOB DYLANを聴いている。
まるで、全部吸収したいと思うほどに。
1980年以降のBOB DYLANを良く聴いている。
DYLANの曲が今の俺の心の支えの一つになっている。

1989年発売の『OH MERCY』の後半に名曲の数々がある。
自分の考えや心の痛みを正直に語っている。
喪失感、傷つきやすい心がさらけだされている。
とても私的な内容だがそのことがとても憧れる。
詩を聴いたり読むだけではなく、書き写すことでもっと理解できるかな。


アルバム『OH MERCY』に入っている6曲目



【Most Of the Time】
作詞・作曲 BOB DYLAN
邦題:モスト・オブ・タイム
和訳:肥田 慶子


たいてい
はっきりと周囲を見ることができる
たいてい
足元しっかり立っていられる
道に迷うこともなく標識も読める
道がどう進もうと踏み外さない
何に遭遇しようとうまく対処できる
彼女が言ってしまったことも気づかない
たいていは

たいてい
ちゃんとわかっているんだ
たいてい
変えられるとしても変えようとは思わない
みんなうまく釣り合いとって
自分の場を守ることもできる
いかなる状況にもとことん立ち向かうことができる
生き残って耐えることができる
彼女のことを考えさえしない
たいていは

たいてい
まともに考えることができる
たいてい
人を憎まなければならないほど弱くない
幻想をでっち上げてむかつくこともない
どんなに混みいっていても混乱を恐れない
大っぴらに笑うことだってできる
口づけした時の彼女の唇の感触さえ思い出せない
たいていは

たいてい
彼女の面影さえ抱いていない
会ったとしても気づかないだろう
それだけ遠くに消えてしまった
たいてい
はっきり思い出せないくらいだ
彼女が僕と一緒にいてくれたのかどうか
僕がほんとに彼女と一緒にいたのかどうか

たいてい
中途半端に満ち足りている
たいてい
どこに行ってしまったのかはっきりわかっている
自分をごまかしはしないし、逃げも隠れもしない
心に埋もれた感情が逃げたりしない
妥協もしないし見せかけをつくろわない
彼女と再び会おうと会うまいと構わない
たいていは






2019年10月04日(金)

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