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映画「イノセンス」を見たらゴーストがこう囁いた - 2004年03月14日(日)

映画「イノセンス」(押井守監督作)を見てきました。
ネタバレありますんで、これから見る人は読まないでください!

その圧倒的な映像美と情報量の多さで、見終わった後、
ひき逃げされたような、狐に摘まれたような、
「なんかよかったな」という感覚のみが残るのは最近の押井作品と同じ。
特に今回は映画「パトレイバー2」のような、
言葉遊びやレトリックの数々で視聴者を煙に巻く、
といったところが多かったような感じです。

そういう押井マジックはともかく、だ。
オレ的にはこの映画は「愛の物語」だと思ったんです(月並みだけど)。
もちろん話のベースは漫画版をアダプトした
ロボットの暴走自壊事件なんだが、
主人公・公安9課バトーは、草薙素子と再会するために
捜査を行っているフシがあるわけですよ。

作品の時系列的に言うと、
TVシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(神山健治監督作 03年)
映画「攻殻機動隊GHOST IN THE SHELL」(95年)
映画「INNOCENCE」(04年)
という感じだと思うんですが、
TVシリーズの終盤では、素子とバトーがかなりいい雰囲気になってる
シーンがあるんだわ(たぶんヤッてないと思うんだけど)。
ところが映画「ゴーストインシェル」では、
素子がAIと融合(=いわば結婚?)。
その意識はネットの渦の中に消え去ってしまう。
そんな状態で、この「イノセンス」ははじまるのね。
当然、バトーはショックよ。
素子の話が出ても多くは語らないし、
前みたいに冗談もあまり言わない。
トグサと課長には「最近のバトーは少佐に似てきた」と言われる始末。
彼が犬を飼いはじめたのも、その寂しさを紛らわせるためなのかもしれん。

一方の素子はことあるごとにバトーのゴーストにささやきかけ、
最後には事件解決を手助けしたり、
「ずうっとあなたを見守っているから」と告げたりしている。
でもそれはバトーが好きで言っているわけではなく、
あくまで犯罪解決・抑止のために彼を助けている感じがして…。

肉欲や所有欲を超え、神に等しい存在にまでなってしまった素子。
未だ素子の幻影を追い求めているバトー。
この恋愛の温度差がちょっと哀しい。
というか、すべての悪を消し去りたい素子も、
素子にすがってるバトーも<純粋>だよな。

もちろん、他の解釈もいろいろできそうなんだけど、
前作よりもTV版よりも、より恋愛物を感じる映画でした。
そういった意味でも「パトレイバー2」に近いかも。
ちなみにオレ、押井作品では「パトレイバー2」が一番好きなのね。
この「イノセンス」もDVD買うでしょう。きっと。


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