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2003年10月29日(水)
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| 10年後 |
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昨夜もまた夕食後に腹痛に襲われたが、今朝はまぁまぁ良い感じだ。 薬局で漢方薬(薬剤師に勧められた)も買って飲んだし。 若干、熱が出てきた気配があるが。多分、快方に向うだろう。
で、今日は久々にまた一時間ほど徒歩で外出してきた。 目的は、郵便局に口座を開く為と月末の支払だ。
今回、郵便局に口座を作らねばらなくなって、昔昔のものが詰まった引出しを開けてみた。 そこには、数行の銀行通帳とカードがまとまって入っていて。 どれも、とうの昔に合併したりなんだりで今は無い銀行名ばかりだ。 それらは、殆ど。派遣会社や転職先の企業で仕方なく開設したものばかり。 もう、10年は昔の事だ。
その中に、郵便局の通帳も入っていた。 郵便局は、自ら作った覚えがある。 通帳を開いてみてみると、たった5行しか記帳されていない。 最初の記帳は平成5年の7月の終わり。 ちょうど、10年前の夏だ。
その頃の私が何を考えていたのかは、よく分からないが。 きっと、志の良いヤツだったらしい。 その証拠に、この口座は国際ボランティア貯金というヤツで。 利子の20%だかが寄付される仕組みだ。 さらには、定額貯金までしていた形跡がある。 たった1回の振込みで終ってしまっているが。
まぁ、それでも。 あの頃に給料振込み以外に郵便口座を作ったという事は。 少ない収入の中でも、なんとか貯金をしようと考えたということだ。 なんとも健気な十年前の私。
そう。十年だ。 郵便局の口座は、十年以上放置すると無くなってしまう事があると聞いた事がある。 もしや、もうこの口座は無いのかもしれない。 無くてもいいや。どうせ、お金は引き出してしまってるだろうし。 そんな事を考えつつも、一応、住所変更の裏書がある免許証などを持って郵便局に向った。
窓口のお兄さん(人によってはオジサンになるんだろ)は、とても感じが良い方で。 さっそく口座がどうなってるのかを調べてくれた。 そして、言われた。
口座の方は大丈夫です。生きてました。
お忘れかもしれませんが、定期預金もされてたんですよ。
丁度10年目で、今年満期だったんです。
良かったですね。
なんだか知らないが、お兄さんの「良かったですね」って凄い優しい言い方と笑顔につられて。 思わず私も嬉しくなった。
たったの5,000円。 それが、6,772円になっていた。 10年放置して、1,772円の利子。 今の私の一回の食材の買物額の半分。 タバコ6.5個分。
10年前の私が、10年満期の定額預金を始めてた。 一体、10年後の自分をどのように想定してなんだろうか? 月、たった5,000円でも、ちゃんと続けていたら。 10年後の今年の夏。 私は60万円とその利子を手にしていた事になる。
結局は、貯められなかったから無いんだけれど。 面倒臭がりの私が自分の意志で何かを始めるのはよっぽどだ。 生命保険に入ったのだって29歳の時だ。 それも、父上の癌が発覚して怖くて入ったんだ。 定額預金は、それよりも、ずっと前のことだ。 面倒臭がりのこの性格は、今も昔も変わらない。いや、今よりもっと酷かった。 その私が定額預金をはじめたという事は、凄い事だ。 一体、10年後の自分の何が不安だったんだ? 10年後の満期を迎えた時、60万で何をしようとしてたんだ?
たった5,000円なのに、続けられなかった10年前の定額預金。 60万なんてお金、ボーナスでももらった事が無かった時代。 我姉妹宅に夕飯とお風呂を借りに行ってた。 生命保険だって入って無かったし、車なんて夢のまた夢で。 電話の権利すら持ってなかった。 まだまだ、今の仕事の第一歩として制作会社に転職したばかりの時だ。 徹夜どころか、仕事中や夜中に胃痛で病院に駆け込んでた時だ。 そうだ。まだ、風邪っぴきの虚弱体質だったんだ。
今日、口座を確認しに行ったのは、断りきれずに受けた仕事の為だ。 一万円にもならない仕事の為に、郵便局に口座を作りに行くのが面倒だからと、今までは断っていた仕事。 通帳を見て、5000円は入ってそうだと以前にも見て分かっていたけど。 余りにも昔だからと、そのまま口座が無くなってもいいやと思っていた。 この仕事を受けなければ、郵便局に行く事は無かった。
あの頃と比べたら、今じゃ、一人暮らしで車も持って。 生命保険にも入って携帯ももって。 徹夜をしても、時々軽い風邪をひく程度で病院とは無縁の暮らし。 そして、数千円の仕事を断る事もあるという贅沢さ。
♪よ〜く考えよぉ〜 お金は大事だよぉ〜
まさに、そんな感じ。
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