一色達夫の日記

2002年08月30日(金) ウィーンの風にのって2002チェロの夕べ

今日午後7時から開演したクラッシクコンサートにかかわり、かつ演奏を堪能させてもらった。
チェロ奏者は「直樹ヘーデンボルグ」氏。ピアノ伴奏は吉沢京子さんである。
直樹氏は西条へは3度目の来演である。
彼との関わりは6年前にさかのぼり、若干16歳の時、開館間もない西条市総合文化会館に来演した時に始まる。
二回目は弦楽四重奏を組んでの来演であり、そうして今回が3度目の演奏会となった。
彼と出会った事により、私を含む周辺の人間関係が大きく変わり、西条の文化状況に大きな影響を及ぼしたといっても言い過ぎとはならないと思っている。
6年前の7月に彼の演奏会に関わったことがきっかけとなり、すぐに「市民劇場」の立ち上げに取りかかり、次の年の1月には1050名の会員を擁する「西条市民劇場」の発足を見たのだから。
3回目となる彼の演奏会の感想は、彼の持っている人間性そのものを感じさせる「優しさ」に満ち溢れた時間だった。
プログラムは、楽しさがテーマのベートーベンに始まり、黛敏郎の「Bunraku」で東洋の文化を見つめ、次にはその対局にあるような西洋音楽のウェーベルンの小品をセットする。この2つの曲による緊張感を解きほぐし、ほのかな花の香りを嗅いでいるような世界へと誘うようなシューマン。
休憩をはさんでのブラームス チェロソナタ第2番は圧巻だった。
アンコール2曲。
奏者を囲んでのロビーでの交流会。演奏への感想と質問によってコンサートの感動が更に深まる。「サロンさざなみ事務所」に場所を移しての茶話会では、この演奏会に関わった仲間達とひとしきり文化談義に花が咲いた。
日頃から、切った張ったの世界に身を置き、「ささくれ立っている」私の精神が、いつの間にか修復されているようだ。
それにしても毎回、彼の口から発される言葉の深みには驚かされる。
それは、世界のすべての物事に対する知識の深さ、すなわち素養の高さから来るのだろう。
彼の話の中にあった「どんな小さな子供にでも自分の持っている最高の言葉と最高の態度で接する様にしています」との言葉で納得出来る。
23歳にして50面を下げた男をファンにさせてしまうその人間性は、日頃の生活の中の人間関係が、素晴らしい最高の言葉で占められている中から培われるのだろう。
ひるがえって日本の現状をみると、そんな事が毎日だと息が詰まる、オマエと話してたら肩が凝る。などとすぐに言われて人間関係なんか維持するのも困難だろう。
「真面目なねえ」が一種けなし言葉として使われている気がしてならないのは、私が「ひねくれている」せいだろうか。

まあいいや今夜は。
素晴らしい演奏に接して折角修復出来た私の精神を、今夜一晩くらいこのままで持たせておこう。


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