| 2004年11月01日(月) |
クラクフ 聖ドミニカ教会 |
日付が前後するけど、旅行の報告。
帰途はペンションアキコからバスでクラクフまで出た。所要時間二時間。 電車の発車時刻まで時間があったので、しばし、クラクフの市内観光。 まずは、みんなで市庁舎のある中央広場まで行き、解散。
私は、みんなと離れて、一人で聖ドミニカ教会へ行ってきた。
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クラクフは、3年前、ポーランドに異動したばかりのころに一度来たことがある。そして、通りがかりに、この聖ドミニク教会にも立ち寄った。
ちょうど、結婚式のミサをしているところだった。 たくさんの礼拝客で満員。 中央前列に黒タキシードの新郎と純白のウェディングドレスの新婦。
言葉では言い表せないぐらいの、荘厳なミサだった。 神様が降臨していたのだろう。 そこの礼拝堂は祈りに満ちていた。
礼拝堂の後ろの方で、ほんの数分、そのミサを見学していただけで、私は全身に鳥肌が立った。
私も神様を感じたのだった。
当時、心の中に八方塞な重いものを抱えていた。 一人で苦しんで、すがるものなど何もなかった。
自然と私は胸の前で手を組んで、何とかその苦悩の淵からこの私をお導き下さい……と祈った。
私が祈りを託したのは、そこの聖ドミニク教会の神に対してではなく、もしかしたら、私の心の中だけの、私だけの神様だったのかもしれない。
でもあの神々しい空間に居合わせたら、異教徒であっても、自然と手を重ねずにはいられない……と思う心持になったのだ。
私の真摯に祈る姿、願う心というものを、きっとそこの神様は汲み取ってくださったに違いないと思っている。
時間はかかったけど、神の救いの手はあったように思われる。 今日までの自分の運命をみていて。
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今回、クラクフの街に降り立って、ぶらぶら旧市街を歩いていたら、やはりもう一度、あの神様を感じたいと思いたった。
その日は、礼拝堂に祈る人の姿がぽつぽつとあるだけだった。 私も礼拝席に静かにすわり、目を閉じて手を組んだ。
お祈りをした。 願いを託した。 重ね合わせた掌が、次第に熱くなるのを感じた。 今までのことを神様に感謝した。 そして、やがての夢の実現を願った。
すると、自然と目が潤んできて、涙が一筋ずつ両頬にこぼれ落ちた。 心の澱や人間の業が、涙できれいに洗い流されたような気がした。
「私、またいつか、クラクフまでお祈りに来ます」 私はそう誓って席を立った。
さ、急げ。集合時間まで、後4分。
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