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2009年03月22日(日)
昨日の日記。

ウェスティーの可愛い可愛い女の子。

飼い主さんの家に行って一ヶ月後、丁度、今から一ヶ月前。

突然亡くなった。
その後すぐ、飼い主さんから怒りの電話が入った。僕に。
返金の要望。
「代犬はいらない。飼う気にはなれない。だから返金を」

死因がわからないため返事は待ってもらった。

その後二週間程経過。



その子はお渡し前に、ある病気の治療中だった。
けれど飼い主さんの強い希望により、お渡しした。
原則渡さない。
完治してからでないと。
例外としてお渡しした。

だから心配だった。
近くのかかりつけの病院に見てもらっているとはいえ、知らない病院を全面信頼はできない。

何度も飼い主さんに電話して、様子を聞いていた。
そして「もうすっかり良くなった」と聞いていたのだか・・・

・・嘘だった。
家の近くの病院でワクチンを打った後から、ずっとあれこれ通院してたらしいのだ。

そして今回、急死。
自分の責任だと思った。完治するまで渡すべきでなかった。
後悔して、返金「しなくてはならないな」と思った。


しかし、結果は・・・


直接的な死因は肺水腫。
でも何が原因かは不明。
飼い主さんのかかりつけのお医者さんで、解剖や検査に出したが、不明。
その病院の院長先生は「ペットショップに瑕疵(落ち度のようなもの)はない。死亡要因は外傷による感染の可能性が高い」と言った。

外傷=事故。
つまり通常、返金には応じられないケース。
飼い主さんにも診断が出た時点でそう伝えた。

そう、原則は・・・
けれど、社長と何度も相談して、出した答えは・・・
全額返金でも、代犬でも、希望に応じるという結論。

それも、伝えた。
その上で、「犬を飼う事の良さ、幸福を捨てないで欲しい。悲しみだけを背負わないで欲しい。」という気持ちを、長く長く訴え、話し合った。

結論は、飼い主さんに任せた。


それから二週間。


昨日。お店に二人(飼い主さんはカップルなので)が来てくれた。
亡くなった子のアルバムを持って・・。




「実感がないんです。」
正直に言った。
飼い主さんも同じ気持ちらしい。

それから僕がアルバムを見せてもらって、
時折笑いも交えながら、思い出話をしていた。

最後の写真を見終わった時。
飼い主さんが言った。
「考えたんですが・・・やっぱり代犬にしようと思うんです」

「そうですか・・。」
答えた瞬間、ポロポロと涙が出てきてしまい、
「ちょっと・・・すみません」
と断って、バックルームに入り大泣きしてしまった。


その子が死んでしまったんだと痛感したのと、
自分の気持ちが飼い主さんに通じた安堵感と、
二週間悩んだ二人の気持ちを想像したこととで。


恥ずかしい。
任されたからには、しっかりしなければいけないのに。



少し時間を置いて落ち着き、店に出て、これからのことを話し合った。



嬉しかったよ。


悲しかったけど。


亡くなった事実は悲しかったけれど、二人の気持ちが嬉しかった。



「また、担当ができて嬉しいです」
そう言ったら、
「やっぱりあなたにお願いしたいなと思って。よろしくお願いします」
と・・
「次は、あなたの言うことをちゃんと聞きます。犬の事を第一に考えて、自分の気持ちを優先してワガママ言ったりしません」
と・・言ってくれた。





もうね、お見送りした後また号泣。

・・馬鹿だね僕。





あんなに怒って、取り付くしまもなくて、「次の子を飼う気にはなれない」と言っていた飼い主さん。

診断が出た時は「私は飼い主失格ですね・・飼う資格がないですね・・」と酷く落ち込んでしまっていた飼い主さん。

それが、
また飼う決心をしてくれて、また僕を信頼して選んでくれて、任せてくれたんだ。



店員冥利につきすぎるくらいつきる。



むしろ感謝だ。



絶対にワンちゃんとの幸せな生活を送ってもらわないとね。



その為に、出来ることはなんでもしよう。









今回の件で、一年前のウェスティー、ミラクルを思い出した。



お前は飼い主さんも居なかったもんな。
お外にも一度も出れなかったもんな。



お前も、あの子も、空では幸せに暮らしてるのかな。
痛いのや苦しいのから、解放されて楽になれたのかな。

でもねごめん。
ワガママだけど、早く生まれ変わって、また会いに来て欲しいよ。
健康に天寿を全うして欲しいよ。

僕は君達に色々もらったんだ。
感謝してるよ。

いつか来るだろう、次のウェスティー。
見守ってくれたら心強いんだけれど。

君達だと思って、大事に育てるから。
無事に、二人のもとにお渡しするから。







頑張ろう。


うん。

頑張ろう。