キスさえもするタイミングを掴めなくて、一晩中ただ傍にいた。 昨日は、そんな、中学生みたいな日。
でも多分、そのタイミングはいっぱいあった。 僕に勇気がなかっただけ。
彼女は、素直に言葉をくれる。 素直だけど控えめ。お互いそんな感じ。緊張のせいもあるだろうか。
前は結構困ってばかりいた。今の彼女と話すのは心地いい。 穏やかだけど、でも痛むくらい愛おしく思う瞬間が確かにあって。
彼女は綺麗に笑う。 口角が、スッと上がる。瞳は、真っ直ぐこっちを向く。 僕は未だに、困ってるような泣いてるような顔で笑うみたい。 それも好きだと言ってくれたけど。笑うのが余計照れくさい。
肌は、きれいで、柔らかい。吸い込まれるように触れる。吸いつくような。 何度も、何度も、その頬に口づけたくなったのに。出来なかった。
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