2013年06月29日(土)  楽しむ余裕を残しておく

やってしまった。

育成室(学童保育)のキャンプ係の連絡を早く書き込まなきゃ、と夕食の支度と並行してキッチンでパソコンを打っていた。

食事が出来てもメールが書き上がらず、「先に食べてて」とたまとダンナを促し、なおもパソコンに向かっていると、

「ままがおわるまで、まってる」と、たま。

「もうちょっとかかるし、冷めちゃうから食べてて」とわたし。

焦っているし集中できていないしで打ち間違え、また苛立ちが募る。

こういうときは、一旦切り上げて、ささっと食べて、続きを打ったほうが早い。
……と、頭ではわかってるのだけど「あと少し」とずるずる引っ張ってしまう。

キャンプ係の皆さんをお待たせしちゃ悪いから、急がないと。
でも、そうなると家族を待たせてしまうという、ジレンマ。

わかってる。
晩ご飯を後回しにするより、連絡を後回しにするほうが正しいってこと。
でも、あと少し、もうここまで書けたんだから……。

「ねえ、まま、たべないの?」
と催促を繰り返していたたまが、
「もう、まま、いつまでやってるんだろね?」
とあきれてパパに同意を求め、
「ほんとだねー」
とパパ(ダンナ)がうなずいたところで、プチン!と何かが弾けた。

「しょうがないでしょ! たまのためにやってるんだから!遊んでるんじゃないんだから! 二人して責めないでよ!」
うわーっと吐き出しながら、別に責めてないじゃないかと頭の隅では思い、何やってんだわたし、と早くも反省と自己嫌悪が始まっていた。

うえーんとたまが泣き出し、わたしにブレーキをかけてくれた。
「ごめんね。たまはちっとも悪くない。ママがあせっていっぱいいっぱいになっちゃっただけ」と謝って、抱きしめて、一緒に泣いた。

「ままがしんぱいだったから」としゃくり上げる、たま。
「ままがたべないとたおれちゃうとおもったから」
ありがとう、やさしいね。うれしいよ。
やっぱり、ごはんが先だね。
パソコンの蓋を閉じ、「ようし、食べよう食べよう」。

家族との食事を後回しにしてでも早く連絡メールを回してくれなんて頼まれてない。
わたしがカッコつけて、頑張っちゃっただけ。

小学校のPTAにしたって育成室の父母会にしたって、子どものためにやってるなんて、子どもは知ったこっちゃない。そんな時間があったら、子どもは相手をして欲しい遊んで欲しい。

この手の活動は、「やってあげてる」「やらされてる」と感じた途端、重荷になる。
だから「好きでやってる」「楽しんでやってる」と思ったほうが、ラク。
そのつもりでやっていたつもりだけど、いつの間にか色んな皺寄せを背負い込んで、シーソーが傾いて、受け身になっていたらしい。

張り詰めてたものが「キレる」瞬間を感じてが、はっきりとわかった。
いろいろ溜めてたんだなって。

でも、それを子どもにぶつけるなんて最低だ。

去年の夏から秋、文京区が突然育成室の保育料を大幅に値上げするというので、納得のいく説明と利用者との対話を求めるキャンペーンを立ち上げたことがあった。
このときも、メールを打つのに没頭して、何度もたまを淋しがらせた。
「まま、ぱそこんじゃなくて、たまちゃんをみて!」
と訴えられて、猛省した。
わたしは一体何のためにこんなことをしているんだろう。
目の前のわが子ひとり幸せにできないで、何がキャンペーンだ、と。

その頃やりとりしていた区議さんに、
「こういう運動は、楽しむ余裕を残しておくことが大切なんですよ」と言われた。
本当にそうだな、と思う。
「好きでやってる」「楽しんでやってる」と思える余裕がなくなったときは、少し休んだほうがいい。そうじゃないと息切れしてしまう。

サービス精神も、責任感も、大事。
でも、いちばん大事なものを見失わないように。

たまから笑顔が消えていたら、わたしからも笑顔が消えている証拠。
楽しむ余裕を残して、ほどほどに、ぼちぼちと。

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