2010年09月13日(月)  映画『武士の家計簿』と『翔太と猫のインサイトの夏休み』

松竹試写室にて12月4日公開『武士の家計簿』試写を観る。プレスシートは劇中に出てくる家計簿を模したような和綴じの古文書仕様。汚しや紙の色も計算されていて、芸が細かい。算盤をかたどったケースに納められていて、凝った作り。作品にかける意気込みが伝わってくるとともに、丁寧に作られた映画だという期待が高まる。

磯田道史氏の原作『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』は刊行されて間もない2003年春、友人から「最近読んでいちばん興奮した本」だと送られてきて読んだ。日々のお金の出入りの記録から当時の暮らしぶりが立ち上る面白さに目を見張ったが、それを映像化するという考えにはいたらなかった。7年の時を経て映画化を知り、あの新書の行間をどんな風に膨らませ、映画という物語に紡ぎ直したのか、興味をそそられた。

観終えての感想は、読書からの想像を超えたものを見せてもらったということ。ある時代を懸命に生きた一家が実にいとおしく描かれていて、自分のご先祖でもないのに、無性に誇らしい気持ちになる。この国を支えてきたのは、こういう人たちだったのだ、という思いが、彼らの先に生きている今を肯定させるのかもしれない。

 いちばん大切なものを見極めること。
 何かを守るために何かを捨てること。
 自分の役割に誇りを持つこと。
 豊かさとは持ち物の量ではないということ。

そういった人生訓のようなものが、台詞ではなく、登場人物の生き様で示される。家を守るために物を絶ったときの潔い表情。がらんとした家の中で背筋を伸ばす一家。いつしか、「物を使いきることと命を使いきることは似ている」という思いが湧いてくる。

ちょうど試写室へ向かう道すがら読み始めたのが『翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない』という中高生向けの哲学入門書だった。わたしは中学生の頃「生きるということは死ぬことに近づいていくことだ!」と突然怖くなり、人はなぜ生まれ、どこへ向かっていくのか悶々と考えるようになった。大人になった今よりもずっと生きることにも死ぬことにも臆病で、哲学めいた思考にとらわれていた。だんだん興味のあるものがふえて、そんなこと考えるヒマもなくなって、この頃には締切にも追われて、自分がいつか死ぬことすら忘れていたのだけど、その哲学入門書を開いて、久しぶりに「いつか自分が消えてしまう恐怖」と向き合い、「生きるとは何ぞや」の問いをふっかけられた。

そんな、いつもより自分の人生を見つめ直すモードでスクリーンに向かったものだから、今日の映画の内容が余計に響いたのかもしれない。

『武士の家計簿』。ある時代を生ききった一家を描ききった映画だった。

闇雲に削れ削れと叫ぶ仕分け人よりも、今の時代に必要なのは、堺雅人さんが演じた算用者・猪山直之のような人物なのだろう。政治を司る方々にもぜひ観ていただきたい作品。


今日のtwitterより(下から上に時間が流れます)
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朝ドラ「てっぱん」メイキング/PR放送予定(infoseek TV番組表) 【東京】 http://j.mp/bGIWz2 【大阪】 http://j.mp/dxSw3U 他の地域の放送予定も検索できます。 #teppan
posted at 17:11:52

@kawagoe_walker 蛸之徹、行けたら感想聞かせてくださいね。わたしはかれこれ20年以上食べてないので今もお店があることに感激。梅田に二つあるようですがわたしが行ってたのは丸ビル地下のお店です。同じフロアにある喫茶店カンテグランテへ流れるのがお決まりのコースでした。
posted at 17:06:36

【たま語】赤ちゃん園を出てわたしのおなかに入り、生まれたたま。ママが気に入ったので赤ちゃん園には戻らないと言う。どこが気に入ったの?「あし、おなか、おかお…ニュースたまとか、パソコンデニーズとかじょうずだなあって思うところ」。ニュースたまとパソコンデニーズは子守話のレパートリー。
posted at 11:15:16

@shiz_shizuka たま語の縁に感謝。9/11の日記にちょこっと書きました。 http://j.mp/dgWyqK RT @shiz_shizuka @masakoimai We♡TAMAGO
posted at 10:59:08

何かの警告みたいですよね、「ヒマラヤほど〜の〜ミサイルひと〜つ〜」。山のてっぺんも尖っているイメージあるし。子どもの何気ない言葉にドキッとさせられます。 @yukafish @hiroshi_yok
posted at 10:47:26

子どもが「おなかに入る前のこと」を話すのは「会いたくて生まれてきたよ」のメッセージだと思います。だからこそ虐待のニュースはやりきれないです。RT @Reiko_Ide 子供は親を選んで生まれてくるって言いますよね。子供はあの人素敵、って思ってお腹に宿り、生まれてきたとして、
posted at 10:45:03

【たま語】あおいちゃんがCMで歌っていた「ヒマラヤほど〜の〜けしゴムひと〜つ〜」をいたく気に入り、昨夜エンドレスで熱唱。今朝になると歌詞が混じって「ヒマラヤほど〜の〜ミサイルひと〜つ〜」に。満面の笑顔で。
posted at 10:39:45

@ki_ra_ri 羽根の話、まさに天使ですね。長いトンネルは産道をイメージさせます。うちのたまは「すべりだいをすべった」と言います。ところで4500gはもしかして数字を間違っていますか。小さく生まれたという文脈のような。
posted at 10:31:02

@hatanaka_yoko うちはブランコしてたそうです。泳ぐのもブランコも浮遊感が共通していますね。そう、声も聞こえたって言ってました。「たまってよんでた」って。わたしが予定日過ぎてもマタニティビクスで踊っていたせいか、たまはダンス好きに。息子さんは音楽好きになりましたか?
posted at 10:29:24

@ted2ann Ohisashiburi! Either way,Tama is sweeeeet! RT @ted2ann wow. Is she talking the truth or being very creative? Either way, genius!
posted at 10:22:43

日記更新。9/10(金)合言葉は「てっぱん」!お好み焼きのかりふわ堂さんへ http://j.mp/dgWyqK @tsunkuboy @shinyaogasawara @karifuwadou @taniyan8 @coco634 @Sakai_Sampo
posted at 10:18:51

【たま語】胎内記憶(?)続き。で、赤ちゃん園には戻らないの?と聞くと「うん、ママのこと、きにいったからね」。じゃあ生まれてきて良かった?と聞くと「うまれていちばんよかったのは、ママにあえたこと」。お見合い成功。
posted at 09:58:22

【たま語】胎内記憶(?)続き。楽しい赤ちゃん園にいたのに、どうしてママのおなかに来たのと聞くと「ママってどんなかんじかなあっておもって、きた」と言う。で、どうだった?「こんなかんじかあっておもった」。(続く)
posted at 09:56:49

【たま語】「たまちゃん、ママのおなかにいくまえ、あかちゃんえんにいたの」。赤ちゃん園ってどんなところ?と聞くと「あかちゃんしかいないの。やさしいえんちょうせんせいがいて、いちにちじゅうあそんでいるの」。胎内記憶なのか。生まれる前、天国のようなところにいたと言う子どもは多い。(続く
posted at 09:54:53

【たま語】「たまちゃん、えいごよりおおさかべんがとくいやで〜」。ほんま、大阪弁になってるで〜。
posted at 09:50:54

@CUBE1001 かれこれ四半世紀前、丸ビル地下の蛸之徹→カンテグランテでゴータマショコラというチョコレートケーキを食べるのが高校生だったわたしの至福コースでした。蛸之徹が今もあることを確かめ、感激。久しぶりに食べに行きたいです。で、今、たこ焼き屋さんなんですね!
posted at 09:34:48

梅田といえば高校生の頃通った蛸之徹のたこ焼き。 http://j.mp/chPV3j 他においしいお店をご存知の方、お知らせください。 RT @kawagoe_walker 夕方から大阪に行きます。梅田の宿ですが、オススメのお好み焼きやさん、教えて下さいませ(^_^)/
posted at 08:04:59

@Sakai_Sampo 写真アップありがとうございます。「てっぱん」よろしくってことで♪
posted at 06:27:48

@ku8aki5mana2 吹奏楽でサックスしてたんですか!「てっぱん」はブラスバンドの話もたくさん出て来ますよ。
posted at 06:25:56

@shoco_yamasaki トランペット吹ける女の子っていいなあってほんと思います。「てっぱん」で志願者がふえるかも。
posted at 06:25:07

@kawagoe_walker つばさファンサイト更新見ました。「ブレスト」と「てっぱん」目立ってますね。応援ありがとうございます。G氏はツイッターのどこかでつぶやいていても不思議じゃないですね。
posted at 06:24:35

2009年09月13日(日)  朝ドラ「つばさ」第25週は「最後のラブレター」
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