2009年11月04日(水)  『風が強く吹いている』をもう一度スクリーンで

マスコミ試写で観た(>>>日記)『風が強く吹いている』を劇場公開中のスクリーンでもう一度観る。わたしのサイトに熱烈な感想が書き込まれているのを見て、また観たくなってしまった。試写室のスクリーンは小さいし、映画関係者の多い試写と一般公開では反応が微妙に違うので、同じ作品でも異なる味わいがある。

大きなスクリーンで観ると、美しい場面はより美しく、たくさんの観客の中で観ると、笑える場面はより笑える。登場人物一人一人が物語の時間をしっかり生きていて、いとおしくて、あらためて愛せる映画だなあと思った。でも、二度観てしまうと、もう少しずしりと来るものが欲しくなってしまったのは、欲張り過ぎだろうか。展開を読めてしまっているがゆえに新たな衝撃を求めてしまうのかもしれない。

大学陸上部で長距離をやっていて、へなちょこながら駅伝も走っていたダンナにも、しつこく勧誘して観てもらったのだが、設定を聞いただけで「ありえない」と鼻白んでいた態度は覆せなかった。「でも、箱根のレースの臨場感はすごかったでしょ」と食い下がると、「物心ついたときから箱根を観てるから、既視感があるんだよな」。映画の受け止め方というのは、ほんとに人それぞれ。長距離をやっていたか、箱根を何回テレビで観たか、そんなことが共感の温度差をつくる。

わたしがこの作品に共鳴したのは、授業にも出ないで無謀な夢に向かって走り込む彼らのひたむきさに、応援団で若さを燃焼させていた自分を重ね、「走る」ことの意味を「書く」ことの意味に置き換えて観たからで、陸上から少しズレていたのが幸いしたのだろうか。鐘をついて音を響かせるには引いてみる幅が必要で、実体験にくっつきすぎていると、既視感との答え合わせに忙しくなってしまうのかもしれない。

実際に箱根を走った人たちはどう観たのか、感想を聞いてみたい。関西育ちで箱根駅伝になじみがなかったわたしは、この映画に出会って、来年早々のお茶の間鑑賞がうんと楽しみになった。そして、テレビで箱根を観たら、また映画を観たくなる気がする。そのときまで、スクリーンで走り続けてくれますように。

2008年11月04日(火)  気功教室初級編修了
2005年11月04日(金)  名久井直子さんの本
2002年11月04日(月)  ヤニーズ4回目『コシバイ3つ』

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