2009年08月05日(水)  ビデオを忘れるほどカメラに夢中

一昨日、七大戦の応援団パレード目当てに東大へ行ったとき、応援団にカメラを向けるわたしに、「たまちゃんが とる!」と娘のたまが手を伸ばしてきて、初めてデジカメで撮らせてみた。シャッターボタンを押す指にうまく力を込められず、「できないよー」とぼやいていたが、そのうちコツを覚えたと見えて、わたしとじいじにカメラを向け、パシャパシャとシャッター音を響かせた。ほとんどがピンぼけで、指が写っていて、人物は顔が切れているが、シャッターを切る手応えがたまらないらしく、メモリーの容量が尽きるまで撮り続ける。昔だったら「フィルムがもったいない」と心配になるところだけど、撮っては消せるデジカメ時代は、おおらかに見ていられる。

デジカメ熱は冷めることなく、うちの中でもパシャパシャ。飽きることを知らず、おかげで、「なんかみる〜」とビデオをせがむことを忘れている。人が撮ったものを見てるより、本人が動いて撮ったほうがよろしい気がする。カメラが上下逆さまだったり、レンズが逆を向いてボケボケ、どアップのセルフポートレートになったり、真っ黒い画面が何枚も続いたり。そんななか、何十枚かに一枚、うまく撮れるものがあり、コカコーラの丸看板の接写はピンぼけながら面白い構図。

壁のオフホワイトと布団の白が画面を二分割し、手前に人形のぽぽちゃんが寝転がり、背後に色鮮やかなカラーボックスという写真も、真横から見たような平面的な感じがあって、なんだか不思議。

そのぽぽちゃん、よく見ると、ソフトクリームのヘアゴムをヘアーバンド代わりにしている(以下の写真はわたしが撮影)。スキンヘッドにソフトクリームとは、ポップというよりパンクだ。こういう使い方は、思いつかなかった。


ぽぽちゃんといえば、少し前のこと、「これ、ぽぽちゃんの まくらね」と言いながら、たまが寝かしつけているのを見ると、枕の上にバインダーを置き、ベッドにしていた。留め具部分のスマイリーを「まくら」に見立てるセンスは、大人には斬新。

今朝は、カーテンレールに吊るした洗濯物に向かって床掃除ローラーの棒を伸ばし、「クリーング」(クリーニングのこと)。クリーニング屋さんが高いところに吊るしたハンガーを取るのに棒を使うのを真似していた。今週から一部が入れ替わった朝ドラ「つばさ」のタイトルバック写真を一枚一枚「これはおんなじ、これはちがう」と言い当てたことにも驚いたが、カメラで撮るように目にしたものを心に焼きつける機能は、大人よりはるかに優れているらしい。

今日の子守話は、カメラの話が作れれば良かったのだけど、以前作ってあった傘のお話。雨降りの日の3点セット、傘とレインコートと長靴がたまは大好きで、晴れていても使いたがる。まほうつかいシリーズは一段落して、次は小人か猫のお話に取りかかる予定。

子守話91「まほうつかいたまちゃん かさのまき」

あめふりの ひの できごとです。
まほうつかいの たまごの たまちゃんは
かさを さして レインコートをきて ながぐつを はいて
みずたまりだらけの みちを あるいていました。

あめが やんで そらに にじの はしが かかりました。
あの にじまで とんでいきたいな。
たまちゃんは そうおもったので そらとぶ まほうを
つかうことに しました。
「ちちんぷいぷい。たまちゃんの かさ たまちゃんを
 おそらへ つれていけ」
まほうは だいせいこう。
かさは ねっききゅうみたいに ふわりと うきあがり
たまちゃんの からだを もちあげて ぐんぐん そらへ
むかっていきました。
たまちゃんが にじの うえで すべりだいあそびを
していると はるかかなたの じめんから おともだちが みあげて
「たまちゃん いいな いいな」
「ぼくも やりたい」「わたしにも やらせて」とおおさわぎ。
「あとで そらとぶ かさを かしてあげるね」
にじの うえから たまちゃんは いいました。
たまちゃんの まほうの ききめは 3かかんも あるので
みんなで かわるがわる そらを とぶことが できるのです。

ところが きゅうに そらとぶ かさの ききめが なくなって
たまちゃんは したへ したへと おちていきました。
そらを とぶのは とても ちからが いることなので
まほうが おもいのほか はやく とけてしまったのです。
「たいへん たいへん。たまちゃんが おっこちてくる」と
ちじょうでは おともだちが おおさわぎ。
「どうしよう。じめんに ぶつかったら いたいよう」と 
たまちゃんも なきべそです。

そのときです。ほうきに のった まじょが ちかづいてきました。
いじわるな まじょですが たまちゃんを たすけに きてくれるとは
やさしいでは ありませんか。ところが まじょは
「そらを とぶのなんて 100ねん はやいよ。
 まほうつかいの たまごの くせに」と いじわるを いうだけで
おっこちていく たまちゃんを みているだけです。
「おねがいです。そらとぶ ほうきに のせてください」と
たまちゃんは ひっしに さけびましたが
「これも しれんだよ。じぶんの まほうで かいけつしな」
まじょは そういって とびさって しまいました。

たまちゃんは もういちど かさに まほうをかけましたが
かさは いうことを きいてくれません。
どうしよう。どうしよう。
そのとき たまちゃんは いいことを おもいつきました。
かさに まほうが かからないなら
ほかの ものに まほうを かければ いいのです。
「ちちんぷいぷい たまちゃんの レインコート、パラシュートになあれ」
ききいっぱつで まほうが きいて
レインコートは パラシュートに へんしんしました。
たまちゃんは ゆっくりと じめんに むかって おちていきます。

じめんが ちかづくと ねんのために ながぐつにも まほうをかけました。
「ちちんぷいぷい ながぐつ トランポリンに なあれ」
すると ながぐつは トランポリンに へんしんしました。
たまちゃんが あしから じめんに おっこちると
ながぐつのトランポリンが ぽーん ぽーんと はずんで
しょうげきを うけとめてくれたので
たまちゃんは けがひとつ しませんでした。
たいそうせんしゅみたいに ポーズを きめて
たまちゃんは みごとに ちゃくちしました。

はらはらして みていた おともだちは ほっとして
おおきな はくしゅを してくれました。
「つぎに そらを とびたい ひと だあれ」と
たまちゃんは ききましたが だれも へんじを しませんでした。
たまちゃんも そらを とぶのは もうこりごりです。

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