2009年05月07日(木)  「100%アポを取る方法」と「必ず雨を降らせるお祈り」

お皿を洗っていて、ふと思い出した「100%アポを取る方法」。以前日記に書いた気がしたのだけど、掘り出せないので、あらためて。

渋谷の喫茶店で初めて会った映画プロデューサー氏。作詞家、塾経営者を経てプロデューサーになったという経歴の持ち主で、10年ごとに区切りをつけて仕事を変えてきたという。企画の話はほとんどしなくて、打ち合わせは彼の半生を聞く会となった。

塾で全員を合格させた逸話も面白かった(「百万円俺にくれ、合格させるから」と生徒の親に請負い、有言実行)けれど、いちばん印象に残ったのが、「100%アポを取る方法」。ある日、作詞家になろうと思い立った彼は、まず「作詞家にしてくれる人=音楽プロデューサー」の連絡先を調べ、早速電話をかけた。

「作詞家になりたいから会って欲しい」と告げると、「会う時間がない」というつれない返事。忙しいのを口実に断られたわけで、たいていは「自分は相手にされないのだな」と引き下がり、もう少し情熱があれば、その度合いに応じて「そこを何とか」と食い下がったり、会社の前で待ち伏せしたり……という反応が考えられる。ところが、彼は一回の電話だけでアポを取りつけ、デビューのチャンスをつかんでしまった。その方法とは……。

「明日、会ってもらえますか?」
「明日は無理だね。一日中会議だ」
「では明後日は?」
「明後日もダメ。今週はずっと詰まってる」
「では来週は?」
「今月は立て込んでるんだよね」
「だったら来月は?」

これを延々とやっていると、相手は面倒くさくなって、「わかった」と折れる。質問リレーにさんざんつきあった後では、今さら「最初から君に会うつもりはない」とも言い出せず、予定が入っていると言っていた明日や明後日を指定してくるという。「しつこいヤツ」と嫌われそうな気もするけど、当たってくだけろの売り込みの場合、失うものはないのだから、この方法は有効らしい。

その元作詞家だった映画プロデューサー氏とはそれっきり会えず、企画は立ち消えになってしまった。書いたプロットは宙に浮き、原稿料も取り損ねてしまったけれど、「100%アポを取る方法」は誰に話しても受けがいいので、プロット料の元は取った。

「100%アポを取る方法」の極意は「アポを取るまで粘る」ことで、「必ず雨を降らせるお祈り(=雨が降るまで祈り続ける)」の話にも似ている。この話を教えてくれたのは『パコダテ人』の前田哲監督。「自分がやりたい企画を実現させる方法は、あきらめないこと」という話をしていたときのことで、一途な前田監督らしい言葉だなと印象に残った。

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