2008年08月27日(水)  『トウキョウソナタ』『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪』

黒沢清監督の『トウキョウソナタ』を試写で観る。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞した作品。家族のひずみが奏でる不協和音が、再びひとつの響きに合わさる日は来るのだろうか。ソナタは音楽のsonataだけれど、タイトルをつけた人がそこまで意図したかどうか、わたしは「其方」という漢字を思い浮かべた。

親密から始まる家族という単位であってもアナタはソナタになり、やがてドナタになり、とうとうカナタになる。そんな危うさがタイトルからも感じられて、興味深い。

先日観た『歩いても 歩いても』は、とくに何も起こらない家族の一日に生じる微妙なすれ違いを描いていたけれど、『トウキョウソナタ』は次々と大変なことが起こる。そこはもう少し引きずってもいいのでは、と思うような重い出来事がさらっと通り過ぎられたりするのだけれど、いちいち立ち止まってなんかいられないのが人生なんだなあと妙に身につまされる。

アプローチはまったく違うけれど、家族について考えさせられる二本の映画をスクリーンで観られたのは、この夏の大きな収穫。

ちょうどうまい具合に時間が空いたので、試写室と同じ建物内にあるシアターNで『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一髪』を観た。洞爺湖サミットを堂々とパロディーにした調子の良さに惹かれて気になっていた作品だけど、窓口で間違って「『キングギドラ』ください」と伝えてしまった。

中国の不良品衛星が爆発して生じたエネルギーで怪獣が生まれ、洞爺湖サミット開催中の日本に上陸し、サミットは急遽対策会議に変更というストーリー。「ここで活躍すれば支持率が上がる」と各国首脳に逃げるのではなく残ることを要請するアメリカ大統領をはじめ、次々と繰り出される作戦も各国のお国柄を反映した毒が効いていて、ニヤリとさせられる。おなかが痛くて退席したアベならぬイベ首相に代わり、小泉ならぬ大泉元首相が登板するが、彼の正体はサミット乗っ取りを企む某国総書記で、通訳の美女たちも彼の手下だった……という展開。

冒頭のクレジットの文字は無駄にでかく、音楽はとことん派手に盛り上げ、登場人物のネーミングも演技も大真面目にふざけていて、ここまでやるかと呆れながら徹底したB級ぶりを楽しむ。

なんたって、地球の危機を救う全身きんぴかのタケ魔人役は、ビートたけし。日本に向かって打ち込まれた核ミサイルを肛門で受け止め、あわや大惨事を免れるという活躍を見せる。世界の北野武監督のこんな贅沢な使い方があったとは。しかも、タケ魔人を呼ぶ儀式の怪しい踊りは「ネチコマ、ネチコマ」と唱えながら、懐かしのコマネチポーズを繰り返すというもの。

やっぱりこの人美形だなあとあらためて感心したヒロインの加藤夏希も真剣な表情で延々と踊っていた。毒が中途半端に効いてハイになったギララが舞う浮かれた盆踊りも愛らしかった。

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