2008年07月11日(金)  マタニティオレンジ310 「きー」ときどき「あれ?」

娘のたまが通っている保育園の改修工事にともない、来週から仮園舎に移るので、このひと月ほど引っ越しの準備が着々と進められてきた。壁を埋め尽くしていた掲示物は取り払われてのっぺらぼうになり、ブックスタンドは空になり、カーテンは外され、一日経つごとに園舎がすっきりしていく。そんな空気を察してか、保育士さんたちの「もうすぐ引っ越しね」の言葉を理解したからか、昨日、たまはなかなか園から立ち去ろうとしなかった。空っぽのプールの階段を上り下りしたり、庭に停めたおもちゃの車を引っ張ってきたり、鉄棒にぶら下がったり、まるでもうすぐここで遊べなくなるのをわかっていて、別れを惜しむように、いつまでも遊んでいるのだった。

「好き」という言葉を教えたら、「きー」と覚え、心臓に小さな両手を当てる仕草とともに「きー」と言うようになった。「きー」の相手が人や人形のときは、ぎゅっと抱きしめる。今日のたまは、保育園の庭を駆け回りながら、全身で「きー」を表現していた。

素直に「きー」と伝える姿はとても愛らしいのだけど、はぐらかすことも覚え、「ママ好き?」と聞くと、「ママ あれ?」と首をかしげたりする。「じゃあ パパは?」と質問を変えると、「パパ あれ?」。「じいじばあばは?」「じいじ あれ? ばあば あれ?」「じゃあ たまは誰が好き?」と聞くと。「あま!」。自分がいちばん好きなのね、とあきれていると、つけ足すように「ママ きー」と抱きついてきたりして、いい大人がすっかり翻弄されている。

ところで、5月にベビーカーのピンが外れたことを日記に書いた(>>>2008年5月12日 アップリカに教えられたMOTTAINAI)が、昨日だったか、アップリカのベビーカーのリコールの記事が新聞に載った。ハンドルを留めるピンが外れやすくなっていて、苦情が相次ぎ、バランスを崩して子どもがケガをする事故もあったのだとか。中国の工場でネジを締めたのがゆるかったのが原因とのこと。問題となっている車種を見ると、うちが使っているものだった。外れやすくなっていたとはいえ購入してから一年以上持ったわけだから、定期的にネジのゆるみを点検しておけば、外れずに済んだのかもしれない。取り扱い説明書にも「定期的に点検を」と明記されている。だから、不備を公表しなかったアップリカ社を一方的に責めるつもりはないけれど、「ネジがゆるみやすくなっていますので、ご注意ください」と注意を促していれば、防げた事故もあっただろうと思う。うちは幸いピンが外れていることに気づいたのは平らな道だったけれど、下り坂でピンが飛んでいたら……と想像するとヒヤヒヤする。保証期限が過ぎても快く部品を送ってくれ、点検に駆けつけてくれたも来てくれたアップリカの迅速で丁寧な対応に「きー」となっていたけれど、背景を知って、「あれ?」となった。

2007年07月11日(水)  マタニティオレンジ145 皆様のおかげの空の旅
2004年07月11日(日)  ヤニィーズ第7回公演『ニホンノミチ』
2002年07月11日(木)  映画『桃源郷の人々』
2000年07月11日(火)  10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/28)

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