2006年11月20日(月)  マタニティオレンジ30 偶然は人生最高の香辛料

先日読み終えた『自由が丘物語』の著者・井上一馬さんの物の見方、感じ方には大いに共感するところがあった。なかでも気に入ったのは「偶然は人生最高の香辛料」という考え方。「僕は最近必要最低限なことだけで旅行先のことはなるべく調べないようにしている。調べると、どうしても調べたことを現地に行って確認するのが旅の主目的になってしまい、義務感に駆られてせかせかとあちこちを歩き回る結果になってしまう」というくだりに続けて、「偶然は人生最高の香辛料だから、旅には(そして日常生活にも)なるべく偶然の入り込む余地をたくさん残しておいたほうがいい」とある。

子育ても未知の世界を旅するようなもの。育児書や子育て雑誌に書いてあることにとらわれすぎると、「2か月だからそろそろあれができないとおかしい」と確認に追われて、偶然の出来事を見落としてしまいかねない。なるべくマニュアルよりも目の前のわが子に目を向けて、偶然という不意打ちを楽しみたいと思う。

そういうわけで、大阪の父が贈ってくれた『育児の百科』をまだ開いてなかったのだが、たまの便秘が三日目に突入し、真っ赤な表紙を開いてみた。百科と名乗るだけあって重い。子どもを抱きながらだと、調べ物というより筋トレをしている気分になる。中身はというと、赤ちゃんの月齢ごとに「この月の赤ちゃん」「そだてかた」「環境」「かわったこと」について、細かく項目が立てられている。ピンポイントで欲しい情報にたどり着けるので便利。文章がなかなかユーモラスで、「半月から1ヶ月まで」の「赤ちゃんの便秘」の項目では、理想的なウンチ(「理想便」と命名されている)が出ないと悩んで医者を訪ねるお母さんたちに「赤ちゃんをそだてているので、便をそだてているのではない」ことを忘れてはならないと説く。思わず吹き出したわたしにつられたのか、たまの便秘も自然解消。

ちなみに「二ヶ月から三ヶ月」の赤ちゃんの便秘対策として「果汁を飲ませる」というアドバイスがあったが、母親学級でも助産院でも「果汁を与えるのは離乳食の時期まで待って」と指導されていた。初版が1967年、うちにある新版が1980年に第一刷。今の育児事情にそぐわない部分もところどころあるのかもしれないけれど、読み物としてなかなか楽しめる。便秘という偶然がもたらした発見。

2005年11月20日(日)  G-up side,B;session『ゼロ番区』
2004年11月20日(土)  高倉台・三原台同窓会
2002年11月20日(水)  カタカナ語

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