2006年11月16日(木)  映画『フラガール』に拍手

大阪に住む数学教師の父は、映画好き。60才以上1000円のシニアの特権を駆使して、せっせと映画館に通っている。先月、お宮参りで上京した際、「最近観て良かったんは『キンキーブーツ』ともう一本、あれ、なんやったっけ」とタイトルを失念。「どんな映画? 誰が出てる?」と聞いても「それも思い出されへん」。手がかりゼロだが「あれはええ映画やった」ということだけは鮮明に覚えている。「ああ、思い出したわ!」と父が素っ頓狂な声を上げたのは、お宮参りを終えた帰りのタクシーの中。「子ぎつねヘレンに出てた松雪泰子が炭鉱の町でフラダンスを教えるっちゅう、せやせや、『フラダンサー』!」。父の記憶力は心配だが、映画『フラガール』は安心して観られた。監督の李相日さんとの共同脚本は羽原大介さん。井筒和幸監督と共同脚本の『ゲロッパ!』『パッチギ!』も大好きな作品。「ハバラダイスケ」の名前は、わたしには「オモシロイヨ」の太鼓判。手話の要素を取り入れているフラダンスの振り付けはここぞという場面で名台詞になっているし、寒がりな椰子の木の使い方もお見事。

自分が踊っていたこともあって、ダンスものには弱い。学生時代にやっていたチアリーディングや教育実習のときにやった文化祭のミュージカル指導の記憶とともに、懐かしい感覚が蘇る。憧れの衣裳をまとったときの喜びと照れくささ、ステージに立つ前の緊張感、ライトと拍手を浴びる恍惚感、音楽の一部になったような高揚感……頭が真っ白になり、体が勝手に動き出すと、不思議な力が漲ってくる。自分以外の何かになれそうな、ここではないどこかへ飛んで行けそうな。北国の炭鉱の街を常夏のハワイに変えてしまうチカラだって、ダンスにはある。その未来を信じて懸けたフラガールたちと、彼女たちの熱意で仮面が溶けていくように優しい顔になっていく平山まどか先生が眩しくてしょうがなかった。

2005年11月16日(水)  『天使の卵』ロケ見学3日目 ミラクル

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