2005年05月19日(木)  鬼界浩己事務所公演『グレートエスケープ』

■鉄カフェ第1回公演ぶりの銀座小劇場で、友人・鈴木薫が出演する『グレートエスケープ』を観る。彼女とはちょくちょく芝居を観に行く仲だけど、彼女が舞台に立っているのを見るのは、はじめて。堂々たるコメディエンヌっぷりだったが、もともと面白いキャラなので、あまり素顔とのギャップはない。むしろ、舞台メイクがよく映え、ドレスもよく似合う姿に、「やっぱり美人なんだー」と思ったりする。目当ての鈴木薫はもちろん他のキャストも個性派ぞろいでストーリーもよく出来ていて、掘り出し物に出会えた気分。登場人物は5人の男と4人の女。9人の立ち位置がぐるぐる入れ替わり、何がどうなっているのかわからないのだが、冒頭の「戦争もの映画しりとり」から台詞のテンポがいいので引き込まれて見ているうちに、だんだん9人の中にヒガシヤマ(鬼界浩巳)とクニコ(鈴木薫)、ニシグチ(坪井一広)とモモコ(山口千晴)、ミナミノ(下山栄)とナナエ(海野真里子)という3組の夫婦がいて、どうやら欠陥を抱えた夫たちを矯正する役割をハシラ(大滝明利)とアタリ(古郡雅浩)が担っていることが見えてくる。そこに加わるミサキ(橋本きよみ)は、矯正する側なのかされる側なのかあいまいな存在であり、物語は観客を裏切ったりはぐらかしたりしながら次々と新たな展開を見せていくのだが、やはり台詞の面白さで脱落者を出さずに引っ張っていく。これを書いた山下まさるさんは気まぐれ倶楽部という劇団の脚本・演出の人のよう。鬼界浩巳(きかいひろき)事務所ともども、他の作品も気になる存在。演劇の世界は、ほんとに広くて深い。

1979年05月19日(土)  4年2組日記 大きなこぶ

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