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2004年02月03日(火)
無題2
軍師とは何なのかを問われた事がある。その時の答えを聞いたら彼はきっと笑うだろう。 「これで何度目ですか」 ただ呆然と足元の死体を眺める主にそう言うと、彼は分からないと首を振った。 リオン殿。そう名を呼んで改めて彼の周辺に目を遣る。 短く生えた草の上に横たわる複数の骸。 飛び散った赤い血。 生臭い空気が肌に纏わりついていた。 名を呼ばれて面を上げた彼の目からは一筋の涙が零れ落ちていた。 身に着けた鎧には所々に返り血が付いている。 そして頬にもまた鮮血が。 「・・・自分で殺した敵に流す涙があるのなら、あなたに従い、戦って死んでいった多くの仲間たちの為に泣いて頂きたい」 リオン殿は俺から顔を逸らし、ゆっくりと笑った。 悲痛そうなその笑顔は、俺にあの英雄の声を思い出させた。 「そう、だね・・・」 「解って頂けたのならもう参りましょう。皆があなたの帰りを待っています」 「・・・うん・・・・・・ねぇ、シュウ」 「何でしょうか」 歩き出そうとした足を止めてリオン殿を見る。 彼は透明な琥珀色の瞳で俺を見ていた。 「どうして僕をリーダーに選んだの?」 一瞬答える事が出来なかった。 軍主と軍師の間に必要なものは信頼と同盟。 果たして二人の間にそれは存在するのだろうか。 「・・・あなたがその器だからです」 平然と、当たり前のように俺が言うと、彼は何も言わずに俺の横を通り過ぎた。 その後の凱旋でいつの間にかリオン殿の隣にいたティル殿と目が合った。 彼は大丈夫だと頷いた。リオン殿は大丈夫だと。 安堵と、軽い嫉妬。 その役目は本来誰のものなのか。 俺は逃げているのかもしれない。 リオン殿の問いに一瞬でも答えを躊躇ってしまったのだから。 最近こうゆう小話がよく浮かびます。 だから六花が全然進まな・・・ゲフゲフ! シュウ視点って書きにくいですね・・・。 |