度々旅
INDEX|past|will
久しぶりに、生演奏を聞いた。実家の最寄の駅には、ジャズ喫茶がある。この店がジャズ喫茶であると気付いたのも、その店に初めて入ったのも受験生の時だった。初めての時、とてもドキドキしたのを覚えている。そのときから、そこは私の隠れ家のようになった。地元というのは、どこにいても誰かに見つけられてしまうという心地悪さがあるのだが、この店では今のところ知っている人とは出くわさないのだ。そこは、地元にある私だけが知っている異世界というかんじだった。 一人暮らしを始めてからは、実家に帰った時に時々覗きに行くくらいになった。で、今日実家に帰ってきたので、夜にフラフラと自転車で徘徊がてら、覗いてみると、なんとまぁライブやっているでないの。以前は毎週末ライブをやっていたのだが、一時期あまりやらなくなった。けれど、どうやらまた復活したらしい。演奏中、店先から子供たちの声がした。振り返ってみると、店先で10人くらいの子供が雨宿りをしながら、店のガラスのドアにへばりついて、中を覗いていた。マスターは、ドアを開けっぱなしにして、子供たちに演奏を聞かせてあげることにしたのだが、子供たちは、すぐに自分たちでドアを閉めてしまった。きっと、ドアごしに覗いた店内は、独特の雰囲気で、あの子たちにとっては大人の世界のように見えて興味深々だったのだろう。けれど、いざそのドアが開いてしまったら、尻込みしてしまったに違いない。 そう。私も、この店がジャズ喫茶であると気付いてから、店の中に入るまで数日かかった。たぶん、あの時の緊張のような未知の世界に入るような感覚が今も残っているから、あの店は私にとって、特別な隠れ家のような場所としてあり続けているのだろう。といっても、最近は親にばれてしまった隠れ家なのだけれど。
さて、これからの1週間はちょっと特別な週なのだ。ちょっと気合を入れて過ごさねば。
|