のんとむつ、2人の感覚が合致した時には、本当に仲良く、よく遊ぶ。
今日は、いきなり2人でお化粧をはじめた。 …とはいえ、当然オモチャの化粧品、アイシャドウも口紅もあるが、 ABS樹脂にシールが貼ってあるだけで、顔になにか付くようなものではない。
それでも、一通りマニキュアまでつけて、 今度はアクセサリーを着けはじめる。 これは、お下がりでいただいたものや、買ってやったもの、 私が作ってやったものを含めて、ちゃんと2人分ずつそろっている。
ネックレス、ブレスレッド、ティアラ、頭にリボン。 そして、細くて小さな手鏡を2人で持ち、マイク代わりにして立つ。
「これから、プリキュアショーをはじめまーす!!」
見に来い、と言うので、行く。
「♪ふ、たり、は!プリキュア〜〜♪」 2人で歌って踊って。 どうも、事前にふたりで練習していたらしく、要所要所ではポーズが決まる。 (当然、むつは0コンマ数秒遅かったりするが)
歌い、踊り終わると、のんのMC。 「きょうは、きてくれてどうもありがとうーー!!」
どこで覚えたんだそんな台詞。 ああ、「おかあさんといっしょファミリーコンサート」か?
のんのMCが続く。 「きょうは、みんなに会えてとってもうれしいです! これから、握手をして、写真を撮りますから、ならんでくださーい!!」
どうやら並ばねばならないらしい。 並ぶ。 のんと握手。 むつとも握手。 どうも、むつはなにか勘違いしているらしく、 へこへこと頭を下げながらこちらと握手してくれる。 どうも腰の低いアイドルである。
これを何度も繰り返す。 だんだん、私も飽きてきたので、 はなはだ失礼ではあるが、違う事をしながらの観覧なのだが、 それでもまだ歌って踊る。
ふと、のんを呼ぶ。「ああ、そうだ、のん」 「ホワイトさんって呼んで」 …どうも、プリキュアの片方だから「キュア・ホワイト」らしい。
「じゃあこっちはブラックさん?」と、むつを指さしながら聞く。 のん「ううん、そちらはセーラームーンだから、ビーナスさんよ」
…そ、そうなのか。
私がむつを呼ぶ。「ビーナスさーん。」 のんが先に気がついて、むつに向かって、 「ビーナスさん、お客様がお呼びよ〜」
・・・・・・なんか、教育上よろしくないような気分がしてくる。
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