あたろーの日記
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旧暦7月24日。 作家の水上勉氏が亡くなった。 お若い時から病弱で、のち、心筋梗塞や脳梗塞も患われたが、それも乗り越え、小説のほかに随筆や対談、さらに独特の柔らかい画風で四季折々の野菜などを描いたりと、きっとこの方はいつまでもお元気で、四季の風情を楽しみながら静かな景色の中暮らしておられるのだろうと思っていたのだけれど・・・もう85歳におなりだったんですね。 存命の日本人作家では最も尊敬する方でした。日本海側の冬の厳しさと海の波荒さを知っている作家だけに、とても親近感もありました。 『金閣炎上』『越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん』『土を喰う日々』(いずれも新潮文庫)・・・特に好きな水上作品です。『金閣炎上』は、三島由紀夫の『金閣寺』よりも好きです。三島由紀夫とは視点が違うのですが、較べてしまう。水上勉の『金閣炎上』のほうが、個人的には、ずしりときます。 それから、女性の心を丁寧に描く作家でもありました。『越後つついし親不知・はなれ瞽女おりん』、哀しい物語ですが、哀しい人生を背負った女性の生き様を、心の綾を大切に描き、表現してあります。 『土を喰う日々』、子供の頃、禅寺で覚えた精進料理をベースに、軽井沢の仕事場の一角に畑を作り、野菜を育て、包丁を握り、四季を食す。そのつれづれを書いた随筆で、読みながら、自分もいつかこんな暮らしがしたい、と思わせる。。。 尊敬する作家、などと言っておきながら、実はまだまだ読んでいない水上作品が沢山あります。この秋は水上勉も読もう。。 好きな作家が亡くなるのは悲しいです。 ご冥福をお祈りします。
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