あたろーの日記
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2004年03月01日(月) 「地球交響曲ガイアシンフォニー」

 旧暦の2月11日。
 寒かった。東京は昼頃雪が舞った。今日から3月だっていうことを一瞬忘れてしまった。今も寒いです。着込んでいます。
 
 昨日は、先輩でもあり友人でもあり、誕生日も干支も同じという女性と、映画「地球交響曲ガイアシンフォニー第四番」を観に行った。この映画は、映画のテーマに賛同する人たちによって、もう何年も、日本各地で主に自主上映会という形をとって、繰り返し上映されている映画です。私は学生時代、当時住んでいた近所の下高井戸シネマに1人で観に行き、その時は映画の途中で爆睡するという失敗をやらかしました。確か、「第二番」だったと思う。
 今回、彼女が誘ってくれて、改めてきちんと観たい!と思ったのでした。
 息の長い映画なんだけど、実はなかなか観る機会がないのです。自分の観たい時に、運良くどこかで上映されていればいいけど。なので、今回はちょうどいいタイミングでした。

 昨日は東京プロフェショナルズ主催の上映会で、青山のウィメンズプラザが会場。250人ほどで満杯の小さなホールでしたが、座り心地も悪くなくゆったりした座席で、何より真ん中の前から2列目というベストな場所で、映画も、ミニライブも、それからなんと、龍村仁監督の講演も!堪能することができました。

 映画の前のミニライブは、KNOBさんのディジュリドゥというアボリジニーの楽器の演奏。ユーカリの枝の真ん中をシロアリが食べて空洞になったものを楽器として使うのだそうです。まず、着物姿のKNOBさんが現れて、ステージの真ん中に正座して、チベタンベルをチーンと鳴らして、それからディジュリドゥを手に取り、口をつけて、演奏を始めると、ホールの中の空気が一気に変化したような気がします。ボオオオッという音が、倍音のように響いて、ずーっと途切れません。演奏は、口から息を吐いている間に鼻から息を吸う、ということを続けるのだそうです。んー、信じられない。でも、実際ずーっと音が続いていました。ボオオッという音、次第にリズムが入って、何か大きな動物が大地を駆けめぐるような地響きの音、それから猿のような鳴き声。聴く人によってイメージは変わるかも知れませんが、私は行ったことのないアボリジニーの土地へドーンと投げ出されたような感覚を味わいました。とても不思議な浮遊感、それでいて、オレンジ色の大地で太陽に照らされているような土っぽさ。1本のユーカリの枝を使って1人の演奏者が舌や腹筋や喉を使って作り出していく世界です。メロディがあるというわけではないのですが、どんどん引き込まれていくような音楽でした。また聴きたい。

 あ、予定外にミニライブのことを長く書いてしまいました。そろそろ寝なければ。
 映画は、もうこれは私の下手な説明よりも、龍村事務所のサイトをご覧ください。私は最初から最後まで何度も何度も雷に打たれたような感動(なんて手垢のついた言い回しだ)を受けました。ストーリーはなく、これはその後の監督の講演でもおっしゃってたのですが、シナリオもなく、インタビュー(というか、語り)を中心に、登場人物となる人の周辺を静かなまなざしのカメラで追っていく、という映画です。12年前の私はどうやらそれが退屈で、ストーリーのないのにちょっとがっかりして眠ってしまったらしいのですが、今の私には、映画の中のひとつひとつの場面、語られる言葉のそれぞれが、どれもずしりと重くて、心の奥深くに染み込んで、骨の髄まで変化させてくれそうな、とても意味のある映画です。それだけ私も成長したんだろうか。。。?
 「ガイア理論」の提唱者である生物物理学者ジェームズ・ラブロック。
 野生チンパンジー研究家ジェーン・グドール。
 伝説的なサーファー、ジェリー・ロペス。 
 版画家、名嘉 睦稔(なか ぼくねん)。
 自分のやりたいことに精一杯人生をかけている人たち。だから、言葉のひとつひとつがずしりと重く、どの人も瞳がとても美しい。表情がとてもきれい。言葉は映画でなくても伝えられるけれど、表情や、まなざしの穏やかさ、美しさ、その奥に秘められた強さを伝えるとなると、やはり映像にはかなわないなあ、と思った。
 ジェリー・ロペスの言葉に強く打たれた。これは、自分の心の中にしまっておこうと思う。。
 
 映画の後は、ロードレーサーに乗って、ジーンズとダウンジャケット姿で颯爽と会場に現れた龍村監督の講演。映画を観て、深く打たれてぼーっとなっている時に監督が目の前に現れて、しかもそれがほんの3メートルくらいしか離れていない位置で映画について語ってくれるのだから、すごくラッキーで貴重な体験でした。1時間はあっという間でした。いいなあって思ったのは、人間の霊性、スピリチュアリティについて考えさせられる映画を創っている監督が、精神世界やニューエイジの世界の住人という人ではなかったことです。ごく普通のオヤジ、という感じでした。居酒屋で焼酎呑みながら話聞きたいなあっていうイメージの。映画の登場人物である人々もそうなのですが、自分の行きたい道を純粋に求めて生きている、自分に嘘をつかない人生を送っている人というのは、きっと、自分や他者の中にある霊性について、自然に学んでいるのじゃないだろうか、という気がした。それは特別なことではないのだとも思う。私は、どうも、精神世界という言葉や、そこにどっぷり浸かっている人達が苦手です。霊性とか、スピリチュアルとか、人間にとってとても大切な事だと思うのですが、何かに頼ることによってそれを得よう、理解しようとするのはちょっと違うんじゃないかと思う。まず、地に足をつけて、やるべきことをやって、自分の人生ときちんと向き合い、日々真摯に生きていくことによって、自分の中から自然と生まれてくるものが、霊性を理解することにつながるのではないかと思う。そういうことをせずに、方法論から入っていくのは、単なる現実逃避ではないかと思う。・・・そういう意味でも、この映画と、監督の語ることは、大切なメッセージなんじゃないかって気がする。
 監督曰く、とりあえず、仕事でもなんでも、自分のキャパシティからはみ出す位沢山受ける来るものはどんどん吸収する。もういっぱいいっぱいで駄目だという場合は、身体が拒否反応を示す。そういう時は無理をしない、とのこと。あ、そうだよな、って納得。そうしているうちに自分が本当にやりたいことが見えてくる。やりたいことが見えたら、自分に嘘をつかずに、真剣に取り組んでいく。そういう自分でありたい(言うのは簡単だけど)。
 
 講演のあとは、サイン会。監督が1人1人に名前を聞いてくれて、パンフレットに名前と監督のサインを書いてくれた。そして握手。私の名前は監督の妹さんのお名前と同じだそうな。光栄です(←と言うのが精一杯だった)。
 次回は「第三番」のチケットを確保してもらった。
 故星野道夫が登場する。第四番でも、少し名前が出ていたけれど、改めて、彼がヒグマに襲われて亡くなったと報じているニュースに見入った時のことを思い出す。
 「ノーザンライツ」を読んでから観に行こう。

 


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