あたろーの日記
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2004年02月28日(土) 「絶望」

 旧暦の2月9日。
 地下鉄の駅から地上に出たら、上弦の月が浮かんでいた。
 
 仕事あんまりはかどらなかった。つまずいてばっかり。
 けろけろ。

 山本周五郎のエッセイ集を読んでいる。『酒みずく・語る事なし』(新潮文庫)。
 その中に、カール・ヒルティという人の言葉が引用されている。
        
         ☆
 ○日本人は「絶望」を知らない。絶望するまえに傍観に入ってしまう。
 ○「絶望」は人間だけがもつことのできる黄金である。同じ意味で「酒」とよく似ている。
 ○人間は「絶望」し絶望から抜け出るたびに高められる。
 ○絶望は毒の如く甘い。
         ☆

 読んでいて、頭の中と心臓がガクガクと音を立てた(興奮するとそうなる)。
 そう、そうなのだって心の中で何度も頷き、何度も読み返す。
 人生って、小さな絶望大きな絶望の繰り返しなんだと思う。生きることって、ほんとはとても難しいことだ。「絶望」を、胸の前で抱えて大事に撫でながら、日々の暮らしを重ねていく。死ぬまでずっと。長い旅だ。
 なぜ人は絶望するのか?たぶんそれは、人が想像する生き物だからだと思う。想像力あるがゆえに、人は期待し、絶望するんだ、きっと。
 「絶望は毒の如く甘い」というのは、言い得て妙、だ。私は絶望が好きだ。いざ新たな絶望にぶち当たったときは、自分の中で大騒ぎしてパニックになったり、半分壊れたおもちゃみたいにしばらく生きてみたりするけれど、結局馴れてしまって、そのうちその感情を大切に自分の中で育てて、可愛がってみたりする。


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