雑記のバックナンバー←遡る進む→


2003年02月01日(土) 選抜出場校が決定―そして毎年つきまとうその曖昧さ不透明さ(1)

さて、春の選抜高校野球の出場校が決まりました。毎年毎年その選出の仕方にハテナが残る同大会ですが、今年もなかなかどうしてやってくれました。ただでさえ野球人気が急落中なのに、いや、そもそも選抜大会自体が人気薄というのに、主催者が自らの手で首を絞めまくってどないすんねんやろ……。

と言う訳で今回の選考にぐだぐだケチを付けていきましょ。まずは地元近畿から。

今年の出場枠は6校。秋の大会でベスト4入りした平安・和智弁・斑鳩・東洋は当然選出(ま、しょーもない不祥事を起こしていた斑鳩がひょっとしたら…という可能性もあったけれども)。残り2校は普通に考えればベスト8に進出した近江・箕島・南部・育英の4校の中から選ばれるはず。強力打線で大産大付をコールドで沈め、優勝した平安と大接戦を演じた近江は滋賀という地域バランスからいってもまず当確、残るひとつの枠を和歌山優勝校の南部と兵庫優勝校の育英で争うもの、と私は思っていました。恐らく、関西にいる大方の高校野球ファンがそう考えていたんではないでしょうか。しかーしっ!!流石はセンバツ高校野球、物凄いことが起こります。なんと秋の近畿大会で一勝も挙げられなかった近大付が最後の椅子に滑り込んだのでありますな。

私は個人的には近大付に何の恨みもありません。もし万が一、集客面の心配から主催者側が観客動員の期待できる大阪の学校を押し込むならば平安に1−3で競り負けた東海大仰星やろなー、と思っていたので意外ではあるけれど、近大付だって腐っても大阪の優勝校だし、かつては全国優勝も果たしている名門校、甲子園でもそれなりの結果は残せるでしょう。しかし、この秋の成績からすれば、どう考えてもこの選出はおかしい。勿論、過去にも近畿大会の緒戦敗退校が八強入りした学校を押しのけて選抜されているケースは数回あります(国体の試合があった翌々日に近畿大会の1回戦があった智弁和歌山など)。けれども、私には今回のケースがそれらと同様とはとても思えない。

今回の近畿代表校の選出過程を翌日の新聞でチェックしてみると、“近大付・南部・育英の戦力はほぼ互角、でも中堅返しの出来る強打線の近大付が地域性も考慮されて選ばれたのだ”ってな内容の事が書かれておりました。地域性。便利な言葉です。よく似た言葉に実力重視というのもあります。昨年はそれで大体大浪商が選ばれ郡山が涙をのみ(ちなみにこの時の郡山は緒戦で福知山成美に2安打完封勝ち、と決して実力が遙かに劣っていた訳ではない)、大阪から2校で奈良は出場なしとなりました。で、今年はベスト8に3校すべてが残った和歌山からは1校だけ選ばれ、3校揃って緒戦で散った大阪から当たり前のように出場校が生まれるという素晴らしさ。

もっと皮肉を込めて書けば、貧弱打線っぷりでで有名な(確か打率が1割半ばそこそこだったと思う)東洋大姫路に8安打4点も献上して一度もリードを奪えないまま敗れ去った学校が、天理に大勝し好投手アンくんに押さえ込まれたとはいえ東洋に僅差で敗れた育英や、高校球界屈指のスラッガー久堀くんや注目のエース岡本くんを擁して準決勝進出を目前にしながら逆転負けした南部と秋季大会の時点で同等の戦力であると評価されて甲子園切符を与えられるという素晴らしさ。こんな選考がありならば、21世紀やら希望やらのお情け枠なんて必要ない。恐らく、今年の秋の近畿大会で大阪勢がすべて緒戦でコールド負けくらって全滅したとしても、「XX高校の潜在能力には目を見張るものがある」とか理由付けされて次の春には1校が甲子園の土を踏んでいることでしょう。

強豪がひしめき合っていた時代ならいざ知らず、府外に有望選手が流出して戦力ダウンが著しい現在でも選考過程に於いて府代表校が優遇される、即ち「大阪枠」というものがはっきりと存在しているのが誰の目から見ても明らかな以上、東京と同じように大阪は近畿とは切り離して選考していくべきだと思います。取り敢えず、現在1年生の高校球児のみんなはこんな高校球界のドロドロした部分は気にしないで、ただただセンター返しの練習を重点的にやりましょうっ!!もし来年チームが地区大会まで進んでセンバツぎりぎりのところで負けた場合はきっと役に立つ、かもよ...。


takebon |HomePage
DiaryINDEX←遡る進む→