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2003年01月30日(木) 選抜出場校が決定―そして毎年つきまとうその曖昧さ不透明さ(3)

そして今年から導入された希望枠。

これは、各地区の補欠校の中から失点やら残塁数やら被安打数やらでいちばん数値のいい学校=早い話が投手力のいいチームを自動的に甲子園に出場させてあげよう、というもの。21世紀枠やらこの希望枠やらで本来の出場校数を減らしておいといて、補欠にまわった学校にも希望の枠を与えよう、というその発想自体が私にはよく判らないんですが、兎に角こういう制度が始まりまして、旭川実が甲子園切符を手中にする事と相成りました。よく高校野球って極めて軽微な事柄でも対外試合禁止処分になったり、選手に関係のないところで起きた事件の連帯責任で大会出場停止になったりしますけど、この旭川実って全国屈指の強豪であるバレー部の方で確か最近(以下自粛)。

極めて地元贔屓な私個人としては、興行的に注目選手のいる南部が近畿6校目になって、大阪ゼロ(と当たり前のように思っていた)の穴埋めに地元兵庫の育英が投手力もいいし希望枠とやらで選ばれるんとちゃうかなー、とか極めて主観的な予想をしていたんですが、見事に外しました。まあ機械的に数字で選出する枠らしいし恐らくは育英・山梨学院大付・福井(こちらはその実力が評価されて通常枠で選出、代わりに北信越大会準優勝の福井商が落選)あたりの争いになるんやろなー、と数字の計算もせずにぼやっと思っていたんですが、全然違いました。北海道で補欠となった旭川実が数値上でいちばん優れていたのでありました。

うーん、わたしゃてっきりこの希望枠ってえのは、地区大会で甲子園当確まであと一歩というところで敗れてしまい、選考会議で長時間の激論の末、補欠に回された可哀想な学校を救済する制度だとばかり思っていたんですが、それは認識不足だったようです。吉報は通常の枠では全くセンバツ出場に絡んでいなかった学校に届きました。早い話が「直近5試合の〜」という希望枠選出過程の盲点を突いて、いちばん数字の良い旭川実を補欠1位にして露骨に出場権を取りに行った北海道高野連の作戦勝ち、という事になりましょうか。

なんだかなぁ...。南部&育英や山梨学院に佐賀東といった次点扱いの学校があっさり漏れて、全道大会プラス旭川地区大会の成績によって旭川実が最優秀補欠校として選ばれるというのはちょっと酷いなぁ。結局、この希望枠というのは当該チームの実力というよりも対戦相手が弱ければ弱いほど有利となる、つまり準優勝よりベスト4、ベスト4よりベスト8と早めに負けた方が弱小校相手の試合を取り込めて(希望枠での)甲子園出場が現実に近づくという欠陥のある仕組みという事が見事に証明された訳であります。まあ、各地区大会のレベルの差を無視して一律に数字上の内容で優劣を決めようという最初の時点で問題大ありではありますが。もし来年以降もこの制度がずっと続いたとしたら、恐らく単独大会で出場校・補欠校が決まる北海道か東京の学校がずっとその枠に滑り込み続ける事になると思います。

それにしても、幾ら過去に甲子園で活躍しているとはいえ、「投手力・守備力に秀でている」として選出された今年の旭川実が打たれまくりエラーしまくりで大敗したらこの枠はどうなるんかなぁ、昨夏鳴り物入りの超絶破壊打線をひっさげて甲子園にやって来たものの、17点取られて無惨に散った秋田商みたいに...。


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