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2003年01月21日(火) オオサカキャッスルは世界のお宝!!

関西経済同友会が、大阪城とその周辺地域をユネスコの世界遺産への登録を求める提言を行った。難波宮跡や船場・道頓堀の活性化等と併せて観光客を呼び込み、大阪経済の再生を図るらしい。関経連のお偉いさんなりの精一杯のギャグなのか真剣に世界遺産登録を狙っているのかどっちなんだろ?

世界遺産に申請するのは勿論「大坂城址」ですよねっ?確かにこの城郭は日本史から切っても切り離せない代物だし、城址内には重要文化財が幾つもゴロゴロしているし、巨石が並ぶあの立派な石垣は確かにそれだけでも世界遺産の名にふさわしい。でも、現在の「大阪城」そのものはどう考えても世界遺産に値するもんじゃなかろーに。

大阪城。私の記憶が間違っていなければ、あそこの天守閣にはエレベータで行けたような。で、エレベータを降りるとそこには売店があったような。いや、その前にあのお城は鉄筋コンクリートで出来ていたような。と、すると我が街に鎮座している伏見桃山城もひょっとしたら世界遺産に登録出来るかもしんない・・・訳ねーよっ!!

歴史をひもとけば、日本の城郭というのはその殆どが再建されている。この大坂城〜大阪城も、ご存じのように夏の陣で落城した後に幕府が規模を縮小して再建、暫くして落雷で天守閣が焼失し、明治維新でも被害を受け、その後大阪市民の手で再建されるも戦争で物凄い爆撃を食らい……とまあ踏んだり蹴ったりな目に遭わされて来た。そんな時代の証人として世界遺産価値があると言えるのかもしれないけれど、やっぱり現在のコンクリ製天守閣が世界遺産、というのは個人的には抵抗がある。既に世界遺産登録されている姫路城や現在申請中の彦根城(そういやどっちも国宝ですな)と現在の大阪城が同列というのはちょっとなぁ。本当に世界遺産として価値あるものにするならば、やはり天守閣を撤去して、もう一度堀も作り直して広大な大坂城址を復元する(もしほんまに実行したらあの近隣でどれ位が立ち退いて貰わないかんのかな...)のが筋な様な気がする。

別にいいやん、世界遺産になんかならんでも。私はちっちゃいときから親しんできた今の緑色の屋根したお城が未来永劫あそこにあればそんで満足よん。それに無理矢理に大阪城をプッシュせんでも大阪には古いものでは多くの前方後円墳であるとか、新しめのもんでも中之島の公会堂とか、文化的価値の高いものはそれこそ幾らでもあるんやし。

それにしても、今回これを発案した人々は現在の大阪城公園周辺をちゃんと見た事があるんだろうか。ここに限らず、大阪の街というのは非常に汚い。関西在住の私でさえいつもそう思っているのだからよその地域の人からすれば尚更だろう。現に花博の時は外国人観光客にストレートに「OSAKAハ緑ガ少ナクテ、アチコチガ汚レテイマ〜ス」とか言われてたやん。マジで観光増収による経済再生を考えてはるんなら、大阪城の権威付けより先に地道な環境美化に取り組んでいくべきだと経済に疎い私は思いますよー。

ところで、もし仮に大阪城が世界遺産になったりしたら、やっぱり隣国の人は「侵略者プシンスギル秀吉の居城を世界遺産に押し込むという蛮行は我が民族に対する……」とヒステリックに怒り狂って謝罪と賠償を求めてくるんやろうか?やっぱ意味なく新たな国際問題を生み出すだけやし、今回の件はやめとくべきでしょうな。


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