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揺りかご

みりあ

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2002年03月30日(土)
陥落。


金曜日の夜。
雨が降る中真は約束どおり車で私を迎えに来た。
大きな車で、凄く綺麗だった。
確かにこれなら自慢もしたくなるだろう(笑)。
そのぶんローンがやばいとか聞いたけどね。。。爆

夜のドライブ。
二人とも何も食べてなかったのでファミレスへ。
なんかやたらめったら混んでて、随分と賑やかだった。
今まで私がまともに化粧して真に会った事がなかったので、真は目敏く気付いた。
何気に誉めてくれたので、何だか嬉しかった。

その後いろいろ車でうろうろした。
どっかに桜が咲いてるかなと雨の中探す。
全く知らない道。
大学のすぐ近くのはずなのに、全く見たことのない道。
いろいろ話しながら探検。

夜に出掛けることがこんなに楽しいとは思わなかった。

最近翔とは何処に出掛けても「疲れた」という言葉ばかり聞いていた。
わかってるんだけど、何かやるせなかった。
だったから余計そう思うのかもしれない。

なんか不倫に走る主婦の気持ちってこういう感じなんだろうか(爆)。

そうしていると。
どうやら今車が走ってる辺りが真の家の近くだと聞いて。
私は真の部屋が見たいとせがんだ。
ものすごく嫌がる真を説き伏せて連れていってもらった(笑)。

真のアパートには車を止めるスペースがない。
(普段車は実家に置いていて、今回使う用事があったついでに私を乗せてくれた)
だから近くの路上に車を止めた(笑)。
そこから真の家まで少し距離があったので一緒に歩いた。

深夜の空気。
吹く風がとても気持ちよくて、不思議な感じ。
広い道路なのに車は一台もいない。

なんかめっちゃ気持ちいいなぁ。
深夜の雰囲気って好きかも。


深夜の雰囲気っていいよな?
なんか不思議な感じだし、気持ちいいしな。


同じ場所で、同じように感じてくれる人がいる
そんな幸せも私は忘れていた。

ついに。
真の部屋拝見・・・ってめっちゃ汚い!!
私の部屋も大して片付いてはいないものの、これは汚すぎる。。。爆
片付けの心得を諭してみた(笑)。

そのあと。
言いにくかったけれど、私は昨日思ったことを真に伝えた。

もう私の中で答えは出てるねん

わかってるけど、聞きたくない。
もう少しこのままでいさせて欲しい。
この間自分から離れてめちゃ後悔したから。
ほんまにこんな中途半端に終わるのは嫌だ。


何て答えたらいいのかわからなかった。
離れてしまって後悔したのも事実。
でもこの状態に戻ってしまって後悔しているのもまた事実。
私はどうしたいんだろう?

そのまま気がついたら寝てしまっていたのだけれど、
私はすぐに目がさめてしまった。
真の寝顔。
母親似だと聞いていたけど、確かにそんな感じ。
今更ながら、綺麗な顔をしているなと思った。
今ここにいるまでに随分苦労したんだろうなと思う。
真は以前プロボクサーだったらしい。
それが怪我で諦めることになってしまった。
その後紆余曲折はあったらしいが今は落ち着いた生活を送っているみたい。
華やかな時期とどん底の時期を両方見てきた人間だからあれだけの自信もあるのだろう。

ちょっかいを出しても起きないので思いっきり起こしてみた(笑)。
さすがに起きた真に私はそのまま襲われてるし。
なりゆきで一緒にお風呂まで入ってるし。

わからない。

私はどうしたいんだろう?

私の中の「答え」がぐらぐら揺らいでいる。


真に家まで送ってもらった。
車で帰る途中で真が何かメール打ってた。
このあと用があるって言ってたからその人へのメールだろうと思ってたら。
程なくして私の携帯が鳴った。
不思議に思って携帯を見たら真からだし。

おはよう!昨日は楽しかったよ。

思わず笑ってしまった。
こういうことをする真がたまらなくいとおしくなっていた。
家までもっと遠ければいいのにと思う私がいた。
そして、こんどは日中に遊ぼうと約束を交わした。

無意識のうちに真に嵌っていく。

どうしよう。
私の気持ちは今何処にある?

今日は土曜日だから翔に会える。
それで迷いを払拭しようと思ったのに。
結局翔とは会えなかった。
出掛けようと思ったのに無駄になってしまった身支度。
でも電話では不思議なほど冷静に受け答えしている私がいた。

明日翔に会ったら私はどんな顔をするんだろう?


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2002年03月31日(日)
憂鬱。


日曜日。
翔に会える日。

最初は用事があるとか言ってて会うのは遅くなりそうだったんだけど。
結局用事はなくなったらしく、のんびりしていた私は慌てて家を出た。

会ったら、「痩せた?」と聞かれた。

・・・よくわかんないけど。
最近あんまりものが食べられなくなっちゃってきてるから。
もとが太いからもっと痩せてもいいくらいだし(笑)。

いつもの場所で、いつものように散策。
私と翔の間にふわふわとした、のんびりとした時間が流れる。
今日はたくさん歩いて、お互いに疲れてしまってたけど。

翔と一緒にいる。
幸せ。
だけど
真のことが頭から離れない。

こんな気持ちでいることで私は翔に対しての申し訳なさでいっぱいになる。
でも「申し訳なく思う」こと自体が翔に対して失礼な気もする。
だけど、翔と離れたくない。
翔がいなくなったら、私は今ここに住んでいる事の意味を失う。
今の私の一部分として翔がいる。

もし
私が翔と別れて真の彼女になったとしても。
結婚したい相手はきっと翔だと思う。
だったら翔とずっと一緒にいればいいんだろうけど。
まっすぐに私を射る真の気持ちに戸惑い、惹かれていく私がいる。
正直な気持ち、私と真はきっと長続きしないような気がする。
それでも強く強く気持ちは引っ張られる。

今の翔との関係にそこまでの強さはない。
互いに「なんかドキドキすることが少なくなったね(笑)」とか言うくらい。
でも、今の二人の間には家族といってしまえば大袈裟だけど、そんな雰囲気がある。
いつのまにかいることが普通になっていて。
(会えない日が多い今は普通でも何でもないんだけど)

一言で言ってしまえば、「柔らかくて、優しい」感じの雰囲気。
失えば、きっと今の私はいなくなる。
無意識な拠り所を失う。
翔は、私にとってそんな人。

でもこんな状態が続くのはもう疲れた。

翔と別れてもきっと会う機会はある。
友達としてもきっとやっていける。
でも真とはもはや会う機会はない。
友達にもなれない。

私は翔と別れたほうがいいの?

恋愛と結婚は全く違うことに今更ながら気付く。

私が女であることを意識させる存在である真。
全く飾らず、互いの存在が互いの一部であるかのような翔。

翔には、「私は恋愛がしたい」というようなことを言った。
そうしたら、当然だけど複雑そうな顔をしていた。
今まで翔を傷つけることを何度もしてきた。
私はここでまたとどめを刺すことになるのだろうか。

翔が帰った後も私はただ悩むだけだった。

私は「疲れた」と真にメールを打っていた。
そうしたら、すぐに返事が来た。
ちょっと予想外だったけど。
私はすぐにOKの返事を出した。
何故か迷わなかった。


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2002年04月01日(月)
夜桜。


日曜日から月曜日への日付が変わる直前辺りに真はやってきた。

すぐさまに真の車に乗って
目的地に向かう。

私の家から車で10分くらいのところ。
何て言うことのない普通の住宅街の道なんだけど、今の時期だけ有名らしい(笑)。
数十メートルにわたって道の両側に立つ桜の木がトンネルを作っていた。
深夜の街灯の薄明るい光に幻想的に浮き上がる桜の花。

一緒に歩こうとしたら、真が手を握ってきた。
手をつないで歩くことが慣れてなかったらしいけど
なんだか嬉しそうな真。
そんなに愛に飢えてたんですか?爆

桜をずっと見上げながらゆっくりと私は胸のうちを話した。
私は真と「恋愛」がしたいこと。
でも「結婚」は翔としたいこと。
ものすごくワガママな意見。
突き通すのは無理な話。
どちらかを選ぶにしても、それは真ではなくて翔であること。

真の反応は
やはり、「結論を急ぐな」だった。

桜を見ながらいろいろ話したけど。
私と真はやはり感性が似ていた。
真は話がわかってくれて嬉しいとただそう言っていた。

1時間ほど桜を見ていただろうか。
寒くなってきたので、車に戻った。
その後車で何処に行くか何も考えていなかったのだけれど。
かなり遠くまでドライブをした。
特に目的地なんてものは無くて
ある程度行ったら戻ってきたんだけれど。
その間ずっと絶えることもなく会話は続いていた。

私と真の間に全く共通点なんて無い。
趣味も全く違う。
ある意味正反対の人生を今まで歩いてきている。
なのに、不思議なくらい話が合う。

2時間ほどで私の家まで戻ってきた。
そして二人してしばし爆睡。
朝になって、私はまた真に抱かれた。

もう他の女抱きたいと思われへんなぁ
あのさ、3日・・・俺休みやねんけど、会ってもらえへんかな?
今まで日中にデートしたこと無かったやん。


真は私をじっと見つめながら言った。

でも、本当にこの状況は辛い。
私はまっすぐな真の目を見ることができなくなっていた。
俯いたまま

もう会うのやめようよ
こんな状態のままで私はもう会いたくないよ


嫌や
迷惑かけるのわかってるけど、諦めるのは嫌や


私だってもう会えなくなるのは嫌だよ?
でもこのままだったらもうどうしようもないやん・・・


そっか・・・あのさ・・・

ここで真の肩が震え出した。
涙声になっていた。
私は驚いて真を見ようとしたらきつく抱きしめられて顔を隠された。

ずっと好きでいてもいい?
・・・俺のことずっと忘れんといてな?


うん・・・

でもやっぱり嫌や・・・まだ会いたいよ・・・

私も会いたいよ?私も・・・好きだからさ・・・

私も涙がこらえられなかった。
私は初めて真の前で涙を流した。
真が私に見せた涙で(実際は見れなかったんだけど)私の決心は一気に揺れた。
私はここで初めて「好き」という言葉を真に対して言った。
今まで言えなかった。
その言葉は重過ぎて、私には責任が取れなかったから。
けど、私は言ってしまった。

3日・・・会って欲しい。
会ってください。


私は返事ができなかった。

もはや私は誰のことが好きなのかわからなくなっていた。


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2002年04月03日(水)
Drive.


3日。
真と神戸に行くと約束した日。
「会わない」だとか何とか言ってもやたらに楽しみにしている自分がいた。
身だしなみにも気合いが入る。

車で神戸まで行く。
本当にどういう訳か真とは話が尽きない。
しょうもない内容が殆どなんだけど、楽しい。
カーステレオに合わせて歌ってみたりとか(笑)

1時間ほどで神戸に到着。
車を駐車場に停めて異人館街へ。
来るのは2年ぶり。
前に来た時は私は高校を卒業したてのころだった。
翔とネットで知り合ってから暫くしたころ。
友達と二人で卒業旅行だなんて意気込んで。

まさかそこに翔ではない他の人と来るとは思いもしなかった。
神社の石段を登ったんだけど、私は上りきったところで気分が悪くなって座り込んでしまった。
真に心配かけてしまいました。。。

日中デートは初めて。
神社の境内の中にある椅子に座って外を眺めていた。
強い風に吹き上げられて舞う桜吹雪が意思を持った蝶のようで綺麗だった。
ただ二人でくっついているだけで幸せだった。
それなのに私の頭の中にはいつか来る終わりが見えて胸が締め付けられそうだった。

ずっとこのまま一緒にいたい

今だけはそう思ってもいいような気がした。
今だけは。

異人館街の中にあるジュエリーショップで可愛いネックレス発見。
ひとつ1000円だって。安い♪
2つあるうちどれにしようかなぁと迷って決定〜。
そんなことしてたら真はお守りの天然石のストラップが欲しいらしく悩んでました。
なんか一生懸命で可愛い(笑)。
それに店員さんとぽんぽん話ができる真がなんか凄いなと思ってみたり。

お昼をゆっくり食べた後は坂を下りて三宮から東へひたすら歩く。
かなり歩きつづけてるはずなのに何故か疲れてる気がしない。
不思議。


今日、ここの神戸では私達は紛れも無く恋人同士だった。
私がふざけて「恋人に見られたら嫌やな」とか言ってたけど。


買い物をいろいろした後一旦私の家に戻ってから真の家に向かった。
今日は真の手料理を強制的に作ってもらうことにしました(笑)。
随分おなかが空いていたのもあったけど、真の作った料理はかなりおいしい。

真とじゃれ合う時間は本当に楽しい。
このまま時間が止まってくれればと思っていたのは真じゃなくてきっと私。

まぁもうここに来ることは二度と無いからなぁ〜

嫌や〜!絶対に終わらさへんで〜!

ふざけ半分でそんなことをいう私を真はきつく抱きしめる。

ストレートに私を愛してくれるその言葉が好き。
私を真っ直ぐに見つめるその目が好き。
私を強く抱きしめるその細いけどとても強いその腕も好き。

私に甘えかかってくる真も好き。
時折見せる弱さの片鱗もとてもいとおしい。

どうしよう
私の中の天秤はどんどんバランスを崩していく。




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2002年04月04日(木)
幕引き。


朝、真に家まで送ってもらって、
朦朧としていたらいつのまにか眠っていた。

夕方いくつか真とメールのやり取りをしていたら
ケーキを持って私の家にやってきてくれることになった。
昨日真にごはんを作ってもらってたから今度は私が作る番。
でも買い物に行ってないからあんまり材料が無いんだよなぁ。。。
結局手抜きになっちゃったけど。

私が作ったごはんはわりと気に入ってくれたみたいで一安心。
よかった。
買ってきてくれたケーキも実においしかった。

またいつものごとく一緒にテレビ見たりしてたら。
翔から電話がかかってきた。

私の心が揺れていて、他の道へ惹かれていることを翔は見抜いていた。
そして、中途半端は嫌だと言い
どうせなら別れて新しい道を辿ったほうがいいだろうと

そう 私に言った。

私は何も言えなかった。

あのな、別に俺は別れても険悪になる気なんてないからな?
ただ昔の友達だった時に戻るだけやで。


涙が止めど無く流れた。
私は何でこんな優しく包んでくれる人をここまで傷つけている?
こんなに大切な人を自ら失うようなことをしているんだ?

電話を切った後も私はそばに真がいるのにずっと泣きつづけていた。
真はただずっと私のそばにいてくれた。
真ではなくほかの男のことを思って泣いている私をただ、抱きしめていてくれた。

ふたりとも
全く反対の方向から
私を思ってくれているのが痛いくらいにわかる。

でも私は翔を失いたくなかった。
いざ翔からこう言われて信じられない位取り乱している私がいた。
真は私に少しずつ言葉をかけてくれたけれど
そのときの憔悴しきった私の心には届かなかった。

やっぱりだめなのか
私は真と一緒にいたいという思いはこんなにも脆かったのか
翔が私から離れていったら私はこんなにも脆かったのか

翔にこの部屋の合鍵返してもらわなきゃ・・・
もうあの指輪はめることは二度とないんやな・・・
今までもらったもの返さなきゃ・・・

翔にもらったものを仮に全て返して
翔に関係したものを処分するとすると
私の部屋は殆ど何も無くなってしまう

その位 今の私の部屋や生活の大きな位置を翔は占めている。

今ならまだ間に合う
そう思って、私は真に「もう会わない」と告げた。
私の彼氏という位置を望むのであればもう会うことはできないと。

私だって真に会えなくなるのは辛いけど
私の気持ちが帰るところがあるとすれば翔のところだから
それはきっと当分変わることは無い。
こんなことを何度も繰り返すのはもはや傷をえぐること以外に他ならない。

そして何よりも、私は翔を失うわけにはいかなかった。
もしかしたら、ただ楽だから翔を選んでいるのかもしれない。
けど抜ける穴が大きすぎる。

真は、「もうここにはいられん」と言って帰っていった。

翔は私がやっぱり一緒にいたいと言うと、許してくれた。
ずっと変わらずに好きだと、そう言ってくれた。
でも、あんな別れ方をしてしまった真のことがやはり頭から離れない。

どうして
ふたりともすきじゃいけないんだろう

「嫉妬」なんてものがこの世から無くなってしまえばいいのに

もう、私から心が無くなってしまえばいいのに

真と会う前の状態に戻っただけなのに、
私の心は ただ虚ろに揺れ動くだけ。




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3日の日記も更新してます。よかったら見てやってください。




2002年04月05日(金)
届かないラブレター。


真へ。

ここを読んでくれているかなんてわからない。
この日記のことを教えようかどうか迷ったよ。
ここは誰にも言えないことをしまっておいた日記だから。
だけど、私の気持ちを誤解して欲しくないから
私は、今の正直な気持ちをここに綴ります。


私は本当に真と一緒にいて幸せだった。
初めて会ったのが半月やそこら前だなんて信じられない位、充実してた。
「懐かしい」という言葉が癖になるくらい、
真と会う前のことがとても昔のように思えた。

本当はね、
工事で初めて会ったときのことも私は結構覚えてる。
ここに書くことで余計にその記憶は鮮明になっていってるけどね。

夜桜を見に行ったときも、神戸に遊びに行ったときも。
私は何の後ろめたさもなく恋人同士だと思いたかったよ。
でも実際に遊んで、買い物するのにも一緒にいて何も違和感感じなかった。
その時感じた私の幸せも、きっと本物だと信じてる。

桜が何で綺麗なのか、とかいろんな抽象的なことも
似た感覚でずっと話していられるのは後にも先にも真だけだと思う。
ちなみに彼氏にそういう話しふっかけてみたけど全然相手にされなかった・・・。

今日もちょっと出掛けてたんだけど
帰りの電車の中で、何度も真の家の最寄り駅に行ってしまおうかと考えてた。
最寄りって言ってもかなり離れてるけどね。。。笑
携帯の電源切って行方くらまして真の元に行きたいと本気で思ったりもした。
けど、今の私には思うだけでもはや行動に移せない。

私を見つめるあの眼差しを思い出す度に、涙が出そうになるよ。

楽な道進んでると言われて、私には反論できない。
確かに、私と今の彼氏との関係は周知の事実で、皆応援してくれている。
彼氏が私に対してしてくれていることは数限りない。
このまま身を任せていればきっと幸せになれる。
真が「狭い」と言ったこの揺りかご、私の世界の中で。
「狭くて何が悪い」と私は思う。
けれども私は一瞬だけ垣間見た広い世界に恋焦がれる気持ちを消すことはきっとできない。
楽な道で一生終わっていいのかと思う気持ちも否定できない。

私は恋愛よりも安定と世間体を取ってしまったのかもしれない。
勿論彼氏のことはとても大切だし、好きなんだけど。
彼氏は私がいなくなったら本当に崩れてしまいそうに見えた。
思ったより男って強いもんなんかもしれなくてあっさり立ち直ってるかもしれないけど。
何よりも私が、彼氏と友達に戻った状況というものを想像できない。

真が私に弱さを見せるたびに私はいとおしさを感じていた。
また「年下なのに・・・」とか言われそうだけど。
普段強く見えるからこそ余計に私はそう思うし、
弱さを持ちながらもその弱さを受け入れて強くなろうとする姿は本当に素敵だと思う。

私は、桜が咲くたびにきっと真のことを思い出す。
もう異人館には他の人と行けない。
いつか1回ひとりで浸りに行って来ようかと(笑)。

真には早く私のことを忘れて欲しい。
そのかわり、私がずっと忘れないから。
忘れないことが、傷つけたことへのせめてもの罰。
私はこの20歳の桜の季節を、いつまでも抱え、暖めて行く。
想い出にできるかはわからないけれど。
前に進めるかどうかもわからないけれど。

最後に。
数多くの女の子の中から私を選んでくれてありがとう。
本当に嬉しいし、幸せです。
そうしてくれた真を私は幸せにしてあげられなかった。

真の涙を見て、私の決心は何度も鈍ったけど。
真の私を見る眼差しに釘付けになって私の心は何度も揺れたけど。
私の戻る場所が真の元になる時がいつか来るのかどうかなんて悠長なことを言ってたら
同じことを何度も繰り返してもっと傷つけてしまいそうだから。

ただ、彼氏にできないことを真に投影してただけじゃなかった
私は真自身を好きなんだ
それだけはわかってほしい。
ただ、彼氏を失うのが怖い、それだけ。

こんな状態になっても
まだ何処かで偶然にでも会えたらいいなと思う私がいるんだ。
未練がましいよね。
あと今回は携帯のメモリ残したままです。
忘れないためにも。

あぁやっぱり住所聞いておくんだった
ちゃんと手書きでラブレターにしたためて送りたかったのに。
私は本当は手紙とか凄く好きなんだ(笑)。

明日カラオケに行くんだけど
真のためだけに
真のことだけを思いながら
「First Love」歌って来るね。

ほんとうに、ありがとう。


From みりあ


今回はかなり私信な内容なために投票ボタンを外してます。
投票していただける奇特な方は下の投票ボタンからお願いします。
3日、4日の日記もアップしました。



2002年04月12日(金)
答え。


私は真と離れられていない。

真はこの日記を読んでくれたらしい。
そうして、また電話で話をした。
私の気持ちはどうやら伝わったみたいだけど。

それでも、真はまだ私のことが必要だと
私と一緒にいる時間が1分でも1秒でも大切だと
もし一緒にいられるなら私が真をいいように利用していたとしてもいいと

本当に、私と一緒にいる時間が大切だと
そう言った。

私はただ真のことも失いたくなかった。

考えていることがめちゃくちゃで。
でも真と一緒にいて楽しくて幸せなことも真実で。
私はただ混乱するだけ。


木曜日に仕事が休みだった真に学校までバイクで送り迎えしてもらった。
学校が終わった後真の家でずっと遊んでいた。

真に彼がいつも歩くという散歩コースを連れられて歩く。
ゆったりとした歩道。
道端や花壇に雑草が生い茂っている。
でもこの季節は雑草も美しい花を咲かせるわけで足を止める。
そういう私を理解してくれて、そして同じ視点で楽しんでくれる真。

なぁ、これでよく遊ばへんかった?

ああ、これねぇ〜、よく遊んでたね♪

ペンペン草やタンポポの綿毛を飛ばしたり道の脇で遊んでる男女二人。
怪しすぎる。。。笑
でもなんかこんなのを理解してくれる真は私にとって本当に大切。

そして散歩コースの中にケーキ屋さんを発見してしまった私達。
二人して大騒ぎ。
真は見かけによらず本当に甘いものが大好きなようです(笑)。

真の家に帰って、私は前から気になってたトイレとお風呂の掃除を始めた(笑)。
トイレはすぐに綺麗になったけど、お風呂はてこずる。
苦戦してたら真もやってきて結局二人でお風呂を大掃除してました。。。
でも二人でやると家事がこんなに楽しいものだと知った。
いろんなものを買い出しに行ったり。
ごはんも二人で一緒にいろいろ作ってみたり。

お風呂にも一緒に入って、真に抱かれながら眠った。

それはただ幸せな夜。


一週間かけて私が真と一緒に出した答え
それは

どちらかに気持ちが大きく傾くまでこのままでいる

卑怯かもしれない。
狡いかもしれない。

けれど、私は自分の幸せを見極めたいから
もう少し時間が欲しい。


週末は翔と1泊2日の旅行に行く予定。
私はこの週末に何を思うのだろうか。





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