再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 『カデナ』公演情報

戦後80年企画『カデナ』演劇公演



【あらすじ】
フリーダはコザの街で燃え盛る炎を見て、かつて見た炎を思い出していた。
それは、1968年11月に嘉手納基地でおきたB52墜落事故の炎。
B52の操縦士でフリーダの恋人だったパトリック・ビーハンの命を燃やした炎だった ―
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池澤夏樹の小説『カデナ』初の舞台化!
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《原作》池澤夏樹
《脚色》五戸真理枝
《演出》藤井ごう
《出演》外間結香、枝元萌(地球儀)、花城清長、須田真魚(トビラボ)、当銘由亮、久米俊輔(文学座)
《演奏》寺田英一、チアキ(しゃかり)、伊波はづき

《スタッフ》音楽:寺田英一/舞台美術・衣裳デザイン:乘峯雅寛/音響プラン:近藤達史/照明プラン:鷲崎淳一郎/振付:知花小百合/演出助手:平岩彩花/舞台監督:猪股孝之/イラスト:伊波二郎/宣伝デザイン:小田善久
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日時:2025年6月
   22日(日) 18:00
   23日(月) 14:00/19:00
   24日(火) 14:00
   25日(水) 14:00
   26日(木) 14:00/19:00
   27日(金) 14:00/19:00
   28日(土) 14:00

*開場:開演30分前
【チケット】全席自由席
・大人:3,500円
・ペア(同公演2枚入):6,200円
・U30(25歳以下):2,500円
・U18(18歳以下):1,500円
・ハンディキャップ:3,000円
 (事前に必ずお電話にてお問合せ、ご予約ください)
・ACOフレンド:2,800円

※未就学児入場不可
※当日大人券3,800円、当日ペア券6,800円、他券種は前売当日同一料金
(満席の場合は、当日券の販売はございませんのでご了承ください)
※リピーター割あり(『カデナ』公演を2回以上観劇の方対象)ACO沖縄へお問合せ下さい
※ACOフレンドについてはこちら
【プレイガイド】
・ファニティ(WEB):こちらから
・デパートリウボウ(パレットくもじ4F)
 TEL:098-567-1171
・じゃらん(WEB):こちらから
・エーシーオー沖縄(平日10:00〜17:30)
 TEL:098-943-1357
【主催・問合せ】
一般社団法人エーシーオー沖縄
 TEL:098-943-1357(平日10:00〜17:30)
 FAX:098-887-1334
 MAIL: kangeki@acookinawa.com
 HP: www.acookinawa.com



2025年05月20日(火)



 川口圭子『花いちもんめ』戯言

演出の戯言「周年<執念」

「どこでもいい、なにもない空間―それを指して私は裸の舞台と呼ぼう。ひとりの人間がこのなにもない空間を歩いて横切る。もう一人の人間がそれを見つめる―演劇行為が成り立つためには、これだけで足りるはずだ」
かの演出家ピーター・ブルックはその著書「なにもない空間」でこう書いた。後進の多くはこの言葉に多くの影響を受け、道標にしてきた。だが問題は一人芝居だ。一人芝居の場合、もう一人の見つめる人間は舞台上に存在しないのだ。

戦後80年を迎え、体験者が減り、風化も叫ばれる中、周年事業として反戦を叫ぶのではなく、『当事者でない僕らが、安直なシンパシーでなく、戦争って悲惨云々ではなく、或る体験を観る方と共有することができるのか』をテーマに川口圭子さんと宮本研さんの名作に対峙してきた。棄民の歴史、集団自決、国家や軍隊の強制云々だけではない、ただの被害者としての顔を持つことができない、深い闇がそこにはある。

私上、最少人数での稽古を重ねながら辿りついたのは、客席が「見つめる」という行為をどう信じることができるのかということ。想像力の翼を広げ「今」に参加してくれるのを信じて、そこに存在する。あったことを「なかったこと」にしない為に、あの戦争から80年の時を経、忘れ、新たな戦争へと着実に近づいている「今」に。某参議院議員がエビデンスもないまま、ひめゆりの展示を挙げ「ひどい、歴史の書き換えだ。自分たちが納得できる歴史をつくらないといけない」と訴えるような「今」に。

嘗てご自身で演られた演目を「新たにちゃんと創りたい」と相談を受けてから3年以上待ってもらい、今日の公演日を迎える。これはある意味、どうしても伝えたい!という川口さんの執念でもある。「周年」よりも創り手の「執念」は勝るのだ。
狭いところで恐縮ですが、最後まで目を逸らさずご覧ください。

藤井 ごう


2025年05月12日(月)
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