再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 新たに。

ダスの養成所、修了公演を終え(いやぁ、吠えた)。
皆最後はとてもよい眼をしていた。
生徒たちが、この感じを忘れずに行ってくれたらいいな、なぞ思いつつ、
自分にも改めて初心を感じさせてくれる時間。
Ring-Bong開けてからの三週間の密度の濃さ、腰が痛い…
今日から、『島』九州旅の稽古。間は短かったし、稽古期間も短いけど、どこまで掘りこめるか。中国ブロックでは、広島市民劇場賞作品賞・女優賞。岡山市民劇場賞作品賞・男優賞・特別賞ももらってもっと確信もったモノづくりを発展させないとと思っている。それと、九月の芝居の事前稽古に、学校公演の役替あっての稽古に、テクノの発表会と続く。四月までは兎に角走る。


そんな中、最近はすっかりタマの休みは
落語行脚になっていて(今もまだ残る昨年末の談春『芝浜』の感動。新年に『居残り』も聴いたけど)、観劇…
青年劇場『原理日本』下北澤姉妹社『月の姉妹』声優クラス…
今週も椿組、Pカンパニー
やっぱりコトバから想像させる力って、大きくある、と感じている。
それはセリフをうたったり、うねらせたり、音を変える、速度を変える、、といった表層的でないことなのだが、
もちろん、その基本となるホン、その事を支える演者の身体、技術、そして全ての大元にある、挑戦すら楽しんでしまうココロ。
あってのものだけれど。

2017年02月27日(月)



 スターダス・21俳優クラス修了公演『桜の園』パンフ掲載文。


演出の戯言

今年の俳優クラス修了公演の演目に、チェーホフの四大戯曲の一つ『桜の園』を選んだ。幾つかの候補の中から、実際に読んで、感想も聞きつつ、挑戦しがいあるもの、簡単にはいかないものを敢えて選択するのは、いつもの通り。
長い読み合わせ期間経て、11月下旬キャスティング。大変さは共有されたかと思っていた。
いやいや、しかし。
とても腰の重いクラスだったー
…返事はいいのだけれど(笑)
人任せ感が根強くあったー
…返事はとてもいいのだけれど(笑)
その結果、稽古最終盤を前に、様々のコトを突きつけられるコトになった。自分のエンジンで動こうとするコト。価値観の違うモノを、ただ、わからないですませないコト。セリフや行為を支える思いや事象に興味を持つコト、自分の頭で考えてみるコト、己の体験に照らすコト、想像力を巡らすコト……
2月中旬、腰の重い面々も、ここへ来て俄然瞳の色が変わって来た。敵いそうにないものとちゃんと対峙するコト、自分と向き合うコト、ちゃんと他人と目を合わせてモノをつくるコト、想像を発展させる為の裏打ちを考えるコト。ちゃんと舞台上で交流するコト。役の人生と本当のところで向き合うコト。
…遅いような気もしながら、でも、気づいた時がいつだって変わる、伸びることができるチャンスである。お芝居なんて所詮ウソかもしれないが、この費やした時間にウソはない。この苦しくも楽しく、クセになる(?)体験がこの後の自分をつくっていくのだからー

そして芝居は観てくださる方々との共犯関係があって、初めて成立する旅、でもある。普遍的な創造力に富んだ旅となりますかどうか。
狭い所で恐縮ですが、休憩込みの2時間25分弱の旅、どうぞ最後までお楽しみください。

藤井ごう



2017年02月26日(日)



 Ring-Bong『逢坂〜めぐりのめあて〜』パンフ掲載文。

演出の戯言

資料を漁っていて、坂口さん演じる松田のモデル、巨怪正力松太郎に宛てた文章に出逢った。
「あなたは四人の偉大なお子さんをお産みになりました。長男は読売新聞、次男は読売巨人軍、三男は日本テレビ、そして四人目は目下妊娠中とも言うべき、原子力平和利用。そのうち最も冠たるものは原子力平和利用になるであろうが、われわれ野球ファンは、次男坊をいちばん愛しています。」
昭和33年ベースボールマガジン社の読者からの投稿欄。現在平成29年、四人目の扱いは未だならず、持て余し、でもコントロールできていると誰かは言う。次男坊は僕も大好きだけど…。
この作品は史実を基にしたフィクションではあるが、市井の人々の言葉に、僕らはー
どんな今を過去から学び、
どんな未来に繋げていくのか。
どんな歩を進めていくのか。
山谷典子は不器用に問いかけ続ける。
その思いに俳優陣が身体と心を費やし世界を構築する。
その小さいけれど確実な一歩は、
いつかの大きなウネリに繋がっている。
そんな事を思いながら、世界の深度(進度)を増すために、日々稽古を重ねている。
本日はご来場ありがとうございます、
狭い所で恐縮ですが最後までお楽しみください。

藤井ごう


2017年02月13日(月)



 逢坂とか、養成所とか、

Ring-Bong『逢坂〜めぐりのめあて〜』
は、初日開けてから、マチネスケジュール続きでなかなか顔だせず、末の養成所の稽古、
微動だに進まない感じが可笑しい。
早く結果が欲しいメンツと、結果よりもっと深く肚で出会うべき、考えているべきことのこちらからの要求。他人に正解を求めても何も得られないし、他人が正解を持っているとも限らんではないか。自ずから考えるのだ、考え方は、イロイロヒントがズーッとこの一年かけて出されている。それに、そもそも結果ってなんなのだ?(動きと音を決めてくれってことか?)
ここでの深い自分との向き合いが(つまりここまでの限界を知ることや←でもそれって自分で定めてしまっているだけなのだけれど、キチンと相手を見ることができない自分とか)、この先の在り方を生んでゆくのだから。こっちもジックリ付き合う。
もう一つの学校も、
前段階の稽古を積んだので、台本へ。
こちらの全体像は稽古しながら作っていこうと思っている。
『逢坂』2日目3日目は、演出助手のM子から報告もらいつつ、
土曜日ソワレ、三公演ぶりに。
そのまま日曜日マチネと観て、次日小屋入り後チェック。
日曜日、稽古初日に話した通り、
松田とその周りの幼馴染三人が中心のようだけど、登場人物八人の群像、協奏曲。その片鱗がキチンとある。
これがいつも通り自由、である為には、いつも以上の準備と、相手への信頼が必要なのだな、と、元々先生みたいな存在であった坂口さん中心の座組みとモノづくりしつつ、
養成所の在り方を再確認する日々。
観てくださった方々との久しぶりの再会などもありつつ、今日の一番は、蕎麦の刺身!…演出助手のお疲れ様会。明日からもよろしく。

なんだかんだと、711でマチネの連打は、それはそれで集客に苦しんでいる会もある模様。
是非、下北沢へ。

2017年02月05日(日)



 Ring-Bong『逢坂〜めぐりのめあて〜』初日。

『逢坂』小屋入りから、すっかりと和やかに進む。
終盤ある所で入ってくる音楽の在り方がどうもまだ合わないけれど、
時間をかければいい。
小屋入り日は、歯医者→プール→病院→稽古→小屋入り点検(終わり間際)
と、訳のわからない分刻みスケジュールで、
こうゆう場合、いつもとは行かず、間走り回る羽目になるし、こうゆう時は、しゃあしゃあと電車も止まるのである(汗)、なんとか、予定より20分程の遅れで美術、照明チェックに間に合う。
暗闇での本日初食事、無味…
二日目、丸一日かけて場当り。頭からゆっくりと。
芝居もだけれど、転換がかなりの作品ペースを握るので(僕の作品はどれもまぁそうなるのだけれど)、キャストスタッフ総がかり、変な隙間や、
ここは暗転だから待てを作らずに、闇も作品の、物語のキーの一つ。
…何度か私作品に出た事のある俳優さんらが、こうゆう時は自主的に動いてくれるので、非常に力になってくれる。
芝居から転換から、裏の処理まで、
狭い空間を運動会のそれのような2時間弱の旅。
予定より少しオーバーしてテクニカル終了。
四日ぶりに乾杯を俳優さん、スタッフさんとしつつ、明日の作戦会議。

初日は13時からGP、
作品の流れ的には2日空いた分の粗が見えるけれど、
そこは最終確認で。
こうゆう極狭空間は、楽屋から袖から舞台上、調光室までの集中力が一つになれるかが大事だ、楽屋の一声すら、舞台上の静寂を破ることもある。
袖の物音で、広がった想像力を現実に返してしまうこともある。

チームワーク含めて、繊細に、大胆に。
初日。超満員。
初日のイロイロ(キンチョーとか、ハカリアイとか、細々したワスレモノやら)あるけれど、客席の熱と温かさがいい運びを生んでくれる。
会場後ろ目、暑すぎてすみません。
途中からはグッと一体化して進んだ。
まぁ、よい初日。
来てくださった多くのお客様も交えて、
初日乾杯は@今成。
先日お祝いの会を開いてくれた椿組さん(現在今月末スズナリの作品(作演・瀬戸山美咲さん)の稽古隙間に)面々、親八さん、太平洋食堂チームなどなど。
他にもサロン劇場でご一緒した俳優さんも。

明日への宿題もちゃんとある。
明日は小屋入りチェック、場当り。
(私はそこまでしたら、別の稽古ダブル。。。)

未見の方、是非711へ。




2017年02月01日(水)
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