再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 2月が逃げていく…

毎年のことだけれど、
2月のなんだか足りないたったの三日間が、
驚くほど、体内時計と、先予想に影響する。
たったの三日、されど三日。この違いは大きい。一月の正月ボケからようやく回復し、日常に戻れたところで、月日を実感させ、年度末を余計に表し、新年度へと橋渡しさせるとゆう暦としては正解。
…つまり時間が足りていないってこと?
『るつぼ』が終わり、次日から高校生企画、三月の学校の修了公演と、やはり
時間が贅沢にあるとはとてもとても…
それぞれ打合せしながら、
新しく今年やることになった養成所とも話させてもらったりしながら、
下半期の予定案件が右往左往するのに巻き込まれないようにするのがタイヘン(汗)…
来週から五月の稽古も始まるが、これまた是非とも先に欲しいモノがなかったりして、…まぁ、安直に終わらせられないのだと思うけれど…
現場は、如何様になろうと、向打てるだけの状況をつくっていないとね。。。

隙間をぬって、今のうちの観劇、ベリャコーヴィッチ『検察官』(直さん出演)、養成所『新・明暗』、文化座『稲葉小僧』(原田一樹演出)。。。
『稲葉小僧』素晴らしい。一時間十五分の上演時間ながら、その奥行と広がり、そのほんと地上に見えるわずかなやりとり(もちろん劇的ではあるわけだけれど)が秀逸。
三好十郎、恐るべし。
演出も演者さんも誠実で心地いい。
こんなホンを、書ける作家さんて現代にいるのか…
残念ながら、もう完売のようですが…
しかしよい観劇体験は勇気をくれる(勇気?)

『アメリカン・スナイパー』は『アメリカン・スナイパー』でした。
⇦いや、いい作品であるのは間違いないのだけれど、前情報、宣伝が語りすぎているよね…、出逢いにならない。

さぁ、三日を取り返すのだ。




2015年02月28日(土)



 『るつぼ』のタワゴト

劇中、州副知事ダンフォースは言う
「町民はこの法廷に賛成か、それとも反対とみなされるかのどちらかで、中間の道というものはない。今は厳しい時代だー峻烈な時代だ、善と悪が入り乱れ、世界が混乱する陰鬱な黄昏にもう留まるわけにはいかない。」

この発想が、17世紀セイレムを超え20世紀アメリカを超え迫ってくる。明らかな『敵』の存在を示すことにより、己の『正義』を鮮明にする。とゆう僕らがよく眼にする『物語』。
しかしそれは『言葉のチカラ』によって、ありもしない『現実』を創りだしてしまうこともできるとゆうことでもあるー

「るつぼ」とはー
1 中に物質を入れて加熱し、溶解・高温処理などを行う耐熱製の容器。
2 熱狂的な興奮に沸いている状態。3 種々のものが混じり合っている状態や場所。
こんな意味を内包している。(新たなものが創りだされる状況であるとも言える)

キレイもキタナイも立派も粗末も裕福も貧困も未熟も成熟もエライもエラクナイも子供も大人も
混乱も秩序も貪欲も無欲も信じるも信じないも愛も憎しみも人種も宗教もキタナイもキレイも
さまざまが相互に影響しあい反応しあってゆく様を作者アーサー・ミラーは1692年セイレムの魔女裁判を題材に捉えてゆき、そして人間とゆうものを鋭くあぶり出してゆく。

この大作(汗)と対峙するのは、
俳優とゆうある意味で無限の職業を生業にしようとする出演者たち。
想像力を武器に、人のココロの、そして人間の専門家であって欲しいと思う。
奥深く広がる森に神秘を感じるのも人間
そこには悪魔が棲むと感じるのも人間
悪魔を怖いと思うのも人間
それを利用しようとするのも人間ー

この「るつぼ」とゆう難題を渡され、
突きつけられ、さらされ、試され、試し、ぶつかり、倒され、
ガムシャラに『人間』について『人間らしさ』について、
そして『表現』について右往左往したこの数ヶ月、正に影響しあい反応しあう「るつぼ」のような状況(笑)、今日が一応の集大成。(でもここから始まるのだけれどね)
そしてどうせ創り出すならば、ココロの栄養となれる『物語』であることを願う。

本日はご来場くださいまして誠にありがとうございます。
狭い所で恐縮ですが、彼、彼女らが紡ぎだす2時間40分ちょっと(休憩含むので、是非途中身体を伸ばしてくださいね)の物語、どうか最後までご覧ください。

藤井ごう


2015年02月23日(月)



 思い通りになんかなるか

ともあれ。
ゲネプロの二回目、客席想定を遥かに超えるとの前情報あって、
本当は、パイプや、プラスチック椅子なはずがそれではままならないとわかる。
しかし、それでの長丁場、見せきるだけの緊張感が圧倒的に必要だけれど。
とりいそぎのきゃくせき組み換え。
こんなのは、かつて今の舞台監督がいた時、楽日だけ想定以上で組み換えたの以来。
で、話戻ってゲネプロ二回目、
そんな訳で本番に生徒含め、身内が見るのが難しいとなって、夜の公演に予定外に一年生数名、先輩も数名。
これが…
驚きの緊張と、プレッシャー、
気づくとビックリする程の絶叫芝居。
でもって、
休憩時間に1人過呼吸…


ゲネだけど止めて、
客人には帰ってもらい、その後、回復を待つ間に、
なぜ、そうなったのか(絶叫かつ自分たちだけやって気持ちいい感)
分析とチェック。
暫くして大丈夫になったので、
後半通し。
すっかり落ち着いた。
思えば去年も、ゲネプロに知り合いベテラン俳優陣呼んで、
究極状況だったな、、、
一つ一つがやっぱり大切な経験で、
否定するのはそりゃあ簡単だけど、
通過すべき道であって、
ここで、やっていなければ、初日の夜にこうなっていたわけだ。。(人のやることだからね)

初日、最近の私には珍しく午前中から両チーム稽古して、
別枠でも少人数の両チーム当たりをしての本番。
休憩覗く、二時間四十分の良質の時間。
これはね、だからやめられないのだね。

若手のこれでもかの集中と、全身全霊かけた表現。。。
しかし、まだ終わらない。

覗きに来てくれた、
萌子筆頭ディ・ショコラーデ面々、
S年劇場さん等と一献して、あーでもない。。。



2015年02月21日(土)



 もうすぐ本番。

養成所、
連日の昼前から夜までの稽古。
ナントカしたろと思いながら、こちらの思いだけでもダメなので、日々の出し入れを考えながら。
そして、いいも悪いも混在ながらミリ単位でも前進している実感はある。
初繋げだけ見ていた照明さんも、
「いやぁ、どうなるかと思ったけどねえ」と、まだまだこれからだけど、そりゃあ、そこまでいろんな可能性について拡げて、まとめてもいないままの状態でしたからね…
しかし、ゲネプロから三日間、
計算では全体二時間四十数分になったとしても、驚くべき集客予定(それだけ本人たちが見て欲しいと思っているとゆうことだ)につき、客入れも、休憩も押すだろうから、体感三時間として、カケル6回、18時間を「るつぼ」観劇にかけることになる。。。
まあ、ステキな舞台にしましょう。みんなで。

2015年02月18日(水)



 風物詩、のようなもの。

今年もあっと言う間に修了公演シーズンになりました。
例年ハードルを、あげながら(?)
今年はアーサー・ミラー『るつぼ』
金曜日土曜日なのに、まだまだまだまだバタついています、そして、長い(笑)
⇦日々削りながら、そして何故か伸びたりもしながら
でも、凄いホンです改めて。
精一杯以上でかかる若い衆の熱演です。

と、おしらせ出して、自分のフンドシ締めなおす…

スターダス・21俳優クラス修了公演
『るつぼ』
原作:アーサー・ミラー
演出:藤井ごう
20日14:30〜/18:30〜
21日14:30〜/18:30〜(ダブルキャスト)
於:スターダス・21アトリエ
〒173-0037 東京都板橋区小茂根4丁目18番16


料金:1000円



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2015年02月15日(日)



 納得なんてそうはいかない。

文化庁芸術祭授賞式に行ってみる。
明治記念館にて。
メメントC『ダム』が優秀作品賞をもらったので。
他の演劇だけの賞の授賞式とはまた空気も、メンツも違う、モチロンお知り合いも少なく、、、

演劇、テレビ、古典芸能、ラジオ、レコード部門に渡り、かつ関東地区のモノに限り。⇦関西は別日に関西にて。
物見高く楽しむ。
静かに突っ込み満載で(笑)

何しろ、レコード部門4賞の中で三つが尺八。
これはきっと知らないところで尺八ブームが、あったのかやってくるのか…

僕らは作家さん、主演さんお二人、後はスタッフで。
この日、この会が終わってから別場所で祝賀会もするのだが、そちらは都合が直前すぎて稽古…

何しろ、嶽本さんの緊張と、喜びと、そうゆうものに、真摯に自分のやりたいこと、問題だと思うことを真っ直ぐ表現することの姿に頂いた賞だと思うので、それが嬉しい。
オールキャスト、オールスタッフでお祝いしたかった所だけれど。。
それは、太平洋で結実すればいいのかな、などと。



さて、1月から相変わらずのスケジュールながら、なんとか空くところは観劇なり…
Pカンパニー、赤坂レッド、ダルカラ、風琴、民藝いろいろで、同じ土俵にあげちゃどうよ?とゆうものもありつつ、
音だけでかくても、とか、
暑さだけ想像でつくられても、とかね(とは言ったって、ダブルコールがあったりするのもあるから、うーむ…、、わたしは完全に許せんのだけれどね)
やっぱり一二月は
小三治、と、志の輔
⇦芝居じゃないんだが
想像力を、遊ばして貰った(モチロンこちらだって全てがとは思わないけど)とゆう事では、完全勝利。
手を変えたり、贅沢にしても結局は。
自分の仕事も思う。。。
(とはいえこちらも偉そに、かつての小◯◯とは違うんだよ、なぞ感じてはいるが)
⇦つまり金払って勝手なこと言ってる立場としてはやっぱりこちらも同じ。
ナントカぶらないで、真っ直ぐいたいなと、思うのである。


2015年02月14日(土)



 配分を間違える。

気づくと2月も上旬を超える。
そしてやってくる修了公演や確定申告や…
ダスの『るつぼ』は、段階を経てカットを重ねつつ、しかし、要所こだわりすぎると、この時期なのにダブルキャストの片方のある一部分で5時間くらいかかるのである。
ダブルを、そして作品を最終的に苦しむことをわかってやっている、これは、うん、自己責任であるな…
しかし前進と返信いや変身を信じて進めるのだ。
で、
このカット魔王みたいになっている私の感覚で現段階3時間…
と思っていたのだが、イロイロ遅れて、かつ、シーンもどこぞかで止まり、巻き戻しや確認が入っていたため、そして、そこで気を回してストップウォッチを止めてくれる助手もいず(無論全員出ているシーンもあるし)、
いざ照明さんが2月も初旬しか見られないの一報で、とりいそぎシーンの流れを固め、はて、
四幕
3時間40分超え…
なぜだ…
まあ、作品テンポやなんかは全く触っていないのでそれはさもありなん?…
しかし、役カット、大きなシーンカットをよしとしないでやっている分だけ、そして俳優の(卵)流れを活かしシャープにし、居所を活かしていくに、そのカットはたとえそれがシーン全体で5分だとしても、見直し脳内劇場を再生し、何時間もかかる作業なのだ…
何度目だ、これ…
しかし、必然的にまたしても読み込むことになるので、それはそれだけ身にはなるわけだが、
配分を間違うと、恐ろしい…
〆切が迫る、必然的に他の〆切を押すことになるのだ…
そして、作品の音楽を決める時期でもある。
年末前から年始にかけて集めまくった音源を無謀に聞いてみたりするのだが、PCの具合が良くなくて、読み取れない、うむむ。
容量、配分…


3月の修了公演は、台本とキャスティングほぼきまり。
高校生企画はようやくキャスティングまで到達。
しばし、演出チーム代表K氏にお任せ。
そして続く五月公演は事前稽古一周目を終え、
チラシの打ち合わせも進めて、スケジュールもたてなくては…
嗚呼
配分を間違えないで…

2015年02月08日(日)



 新宮に向け!

皆様に協力願っていた、
『太平洋食堂』新宮公演(地元の高校生に見せたい!)、
お陰様で最終盤10日あまりのとてつもないご尽力を賜り、半ばアキラメムードも漂う中、クラウドファンディング、目標額達成しました。
この後、ふた山み山越えないといけませんが、
こちらは作品で返すしかないよね、
なぞ思っています。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

2015年02月03日(火)
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