言葉のサラダ
黄と藍



 地球の水滴


明日死ぬなら
今日何をしよう

現実逃避や悲観的だと指摘されるけど
なぜ明日生きていることを知っている

響く歌が喉を壊す
コップいっぱいの水すら多い

2005年05月31日(火)



 校内


嘯いて廊下を歩く
外が騒がしく眠れない
少し片付いたロッカーに隠れ


誰も居ない職員室に入り
カセットテープを入れ替える
校長室のカギを盗み


セロファンテープを持って
下駄箱を封印する
運動靴を燃やして





---------蝶----------

小さな蝶が
大きく成って
子供の為に
破裂する

庭にはあと何匹

死んで死んで死んで
毛虫に戻ってまた破裂

あと何匹

指の上を這い
赤く塗りつぶされて
弱って弱って

成長するのは何匹

灰色の蝶が踊り狂う
子供の為に何匹死ぬ

2005年05月30日(月)



 いつでもどこまでも


遠くまでも怖くない
きみといればへいき

夜中でも怖くない
きみといればへいき

死ぬのも怖くない
きみといればへいき



2005年05月29日(日)



 いとの買い物



いとはどこにあるんだろう
目標はどこまでだろう

どうしたら伝わるだろう
どうしたら受け取れるだろう

いつまでもいつまでも


迷っているうちは選択しないで
二度目に見かけたら手に取ろう

具体抽象具体抽象





朝目が覚めたらメレンゲを布団にしてたよ

2005年05月28日(土)



 よい子よ、


君に聴かせる唄
君よ、眠れ



2005年05月27日(金)



 ピーパンなんかの肉詰め


混乱の原因が明確でも
解決しきれない問題がある

もっと混乱してやろうと
映像や画像を脳みそに詰め込んで

他の人格が奇声を上げる
多量のデータ解析には役に立つんだけどな

2005年05月26日(木)



 いと引き

君が知らないことをあたしは知っている
だから、指摘したいなぁなんて
そんな近い距離に居たくない矛盾
言ったらどうなるのか何度も脳内シミュレーション
夢の中にまで持ち込んで模擬体験
全く違う人に模擬試験
そして、結局四年が経ってしまった

2005年05月25日(水)



 カレンダー


クリスマスが来て(その前にはイブもあるけど)
じきに大晦日がくる

その後はまた1に戻るけど

2005年05月24日(火)



 進行


尽きない夢を
廻る季節を


2005年05月23日(月)



 無題

彼女はずっと伏せったまま口を聞いてくれない。
時々聞こえてくる嗚咽と波際のような雨音。
こういうことはよくあるのだけど大抵途中から何もしなくなる。
「もう朝になるよ」
静かなところに急にされた発音は耳に残り、
しばらくしてから意味を理解した。
それをどちらが口にしたのか、不定。



そもそも夢と現実なんて差がないんだ。
どちらにも友人はいるし、家庭もある。
どちらの記憶も同じフォルダに入っているんだ。
どちらも同じくらい曖昧な記憶。
引き出すときは混乱するね、ちょっとは。
食事をすれば味覚もあるし満腹感もある。
怪我をすれば痛覚もあるし疲労もする。
そうだね、強いて言えば前者は無限で後者は有限ってところかな。



画面をスクロールして読む小説より
やっぱり手に持って好きなときに読む小説の方がまだいいね。
ラジオも廃れると思ってたけど案外その気配もないし。
まだまだだね。



2005年05月22日(日)



 誤解


あたしの持つそれと
あなたの持つそれが混同

間違えちゃいけない事実
混じり合えない理解

期待しないで生きて
誤解も早とちりもなくなる
被害妄想と幻聴症状


強風にあおられて
白旗に誰も気付かない


2005年05月21日(土)



 放課後


不要な動作で疲労
焦燥感に瀕死気味




ダンスってなんだ
なんで踊るんだ
追い詰めて追い詰められて
おっきな地震で校舎も街もすべて壊れてしまえばいいんだ

2005年05月20日(金)



 


それが両手に収まらなくてもいい
暖かい布団で眠れるのなら





2005年05月19日(木)



 天候


そう、わたしからみてそれが異常気象でも
冷静なあなたが分析すれは自然現象でしかない

2005年05月18日(水)



 エゴイズム


自己満足の為に君を傷付けることだけが私の生き甲斐なんだよ




2005年05月17日(火)



 指摘


何故破壊を邪推する
何故生命を尊ぶ

其所に恐ろしい矛盾がある



2005年05月16日(月)



 問答


他人の傷を探すことは悪ですか
―情報の不足が不安を呼び起こすのです
他人の傷を愛でることは善ですか
―当惑を誤魔化す為に生きているのです



2005年05月15日(日)



 坂道を転がる球


やべぇ
あいつがわくわくに拍車を掛けた

転がりだしたぞ
加速していく!!!

誰が止められるんだ?
誰も止められない!!



2005年05月14日(土)



 意思


ここに いたい

いたい いたい

いたく ない





此処に 居たい

居たい 居たい

居たく ない





ココに イタイ

イタイ イタイ

イタく ない




ここに 居たい

痛い  痛い

居たく ない

2005年05月13日(金)



 偶感



死んだクラゲは水槽にいない
痛みを和らげる注射がいたい
早く分裂したいよう
八倍に生きる細胞
すべてはバク
間違った存在
意味を求めて生きて
生まれた痕跡を残したい




なんで13日の金曜日が怖いんだ
不合理

2005年05月12日(木)



 カウントダウン


さようならと書いた遺書が
この引出しいっぱいに充填されたら
あたしは死のうと思う

希望的観測な会話が嫌で
人付き合いがだんだん億劫になって
あたしは死のうと思う

カウントダウンが始まって
部屋に火を放ちながら
あたしは死のうと思う

メモリいっぱいになった遺書を
窓の外にぶちまいて
あたしは死のうと思う


雨が降っていたら
手紙は読めなくなるなぁ

あたしは死ねなくなった

2005年05月11日(水)



 家出



本来禁止されている場所に直立歩行
足を踏み外さないように慎重、慎重
嘘でもいいと信じた言葉

傷つく快感
傷つける快感

眼鏡を外してぼやけた夜へ

煙草の風に髪を踊らせ
汚れたコンクリートでスキップ

帰る道を知らない、知らない、分からない
もうそんなところ忘れます




2005年05月10日(火)



 虚構


君笑えば焼け死ぬ
野原一面駆け巡り

君歌えば苦しむ
花園に埋もれ悶える

君泣けば限りなく嬉
嬉ついでに空も飛べる


2005年05月09日(月)



 君のための夜明け

状況が似ているとどきどきしてしまうね
それは誰にも気付かれない妄想
寝て目が覚めた時の悦び


状況が似ていると混乱してしまうね
それは誰も居ない教室
空欄だけの回答を提出する快感


状況が似ているとわくわくしてくるね
それは誰も知らない待合室
壁に書かれた秘密の伝言


鼻腔に集まった妄想と思い出が
脳髄まで酸素と共に満たされていく


この快感は誰の状況にもない
君だけが知れる


2005年05月08日(日)



 製氷機


君に関わることで
君の中に入れると思っていた


思い込みと感情は違う


指摘されてもどうせ
自分の感情を知っている人なんていないんだ


もう少し押し込めば冷凍出来る
それまでの辛抱だ

2005年05月07日(土)



 400メートルトラック


激変していく状況に
私だけが付いていけず

取り残されたそこに立ち尽くしていれば
一周した『状況』が後ろから追い付いてしまう

しがみつけば振り落とされ
私だけが全身裂傷

一周遅れの現実を真実と認めない理想



2005年05月06日(金)



 天の川


おやすみなさい、というメールを
送る相手がいる喜び


気付かない
気付かない


枕もとで唱えた呪文も
虚空へ飲まれていく

2005年05月05日(木)



 思い込み


今、生きているのが楽しい。
あたしを殺せるのはあなただけ。



2005年05月04日(水)



 電報


喜びはすぐ君の元へ
悲しみは隠してしまうかも知れない
最近ちょっと弱くなった君が
あたしに似ているようですごくうれしい



矢井田も似たような歌を歌っていたけど
聞いていてこれほど共感できる歌はなかったかな


2005年05月03日(火)



 寝言


You've Got a mail
眠っていた私の枕元で
私の携帯がそう呟いていたようです




2005年05月02日(月)



 

あなたの優しさを知っているから
あたしは全力で甘えてしまうのです


どうか、寄りかかった時は気絶するほど殴ってください
一人で立たなくてはいけないのです
この足が歩けるうちは駄目にしたくはないのです

2005年05月01日(日)
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