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人物紹介


変化
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私は、ずっとK先輩だけを見ていました。
でも。
この先に何があるという訳じゃなく、一方的な片想い。

周りの友達は、男友達や年上の男の人と出かける事に対して
何の罪悪感も無いようでした。
ただ、色々なところに連れてってくれて遊んでくれる人。
私には、そんな風に男の人を見ることは出来ませんでした。

好きな人がいるのに、そういう相手は別にいる子。
彼氏がいるのに、そういう相手は別にいる子。
好きな人もいないし、みんな友達だよと言う子。
色んなタイプの子がいる中で、私はもしかすると考えが古臭いのかもしれない。
そんな風に思うようになっていきました。

多田さんに会ってから一週間の間、K先輩に2回電話をかけました。
私にはK先輩がいる。
K先輩だけいれば、遊んでくれる人なんかいらない。
その気持ちをしっかり保ちたくて。
自分の心がフラ付き出したのを、止めたくて電話をかけました。
でも、K先輩を捕まえる事は出来ませんでした。

高2の終わり頃から、周りの友達は変わっていきました。
Rも他の女子高の友達と一緒に、大学生の男の人数名と遊ぶようになっていました。
Rに意見を聞いてみると

「別に悪い事じゃないよ。もっと気楽に考えていいと思うよ。」

と言われました。
他の子にも「亞乃は考えすぎ」だと言われました。
みんなが、多田さんに会うことを勧めてきました。

もっと気楽に。
やっぱり私の考えは固すぎるのかもしれない。
K先輩とは付き合って無いんだし、浮気になんてならないし。
男友達がいて、彼氏がいる友達だって沢山いるし。
それに、多田さんだって。
深い意味があって電話番号をくれた訳でもないだろうし。
Mさんの後輩だから、親切にしてくれるだけなんだろうし。
なんだか、私は自分が自意識過剰だったかもしれない。

私の中では多分。
男の人と二人で会う事によって、何かがあるかもしれない。。。
そんな期待と不安があったように思います。
そうなった時に、自分の気持ちが揺らぐ事が嫌でした。

でも、気楽に気楽に考えていけば。
多田さんは4つも年上なんだし、私を相手にするはずもない。
その親切に甘えてしまうことは、悪い事じゃ無い。
今までの私は、家と学校とバイトの往復しか知らない詰まらない生活。
少しは変化があってもいいと思う。

そんな風に考えが変化していきました。

今から思えば高校生のそれは、
年上の男性の好意を利用するという事だったのかもしれません。
色んなとこに連れてってくれる。気晴らしが出来る。
でも、その時の私はそこまで考えることは出来ませんでした。

多田さんに会ってからちょうど一週間後。
私は電話を掛けました。
時間が経ってしまったので、もう、忘れているかもしれないという不安もありました。
それならそれで。
私は今までと同じ生活を続けるだけのことだから。
そう思って、電話を掛けました。

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友達の反応
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家に帰って貰ったメモを開きました。
その人は多田さんという名前でした。

翌日、学校に行くとすぐY美に

「昨日、どうだった?」

と聞かれました。

「んー・・・なんか、海岸線ドライブしてお茶ご馳走になって送ってくれた」

と私は答えました。

「へー。いいじゃんいいじゃん。で、あの人誰よ?」

私は多田さんに会った経緯などを簡単に説明しました。

「え?一回しか会ったこと無い人だったの?」

Y美は驚いたように聞き返してきました。

「そうだよ。だから私、車に乗るの躊躇ってたじゃん」

「ふーん・・そうだったんだぁ。ってことはさー、亞乃に気があるって事だよね」

「そんな事無いよ。ただ、暇だったからじゃない?お家が近所みたいだし」

「そうかなぁ?で、そんだけ?」

「そんだけって?」

「次会う約束とかしてないわけ?」

「する訳ないじゃん。っていうか、電話番号もらったけどさ。」

「なんだ、(電話番号教えたってことは)やっぱ亞乃に気があるんじゃん」

そんな会話をしているところへK子が登校してきて、

「亞乃ー、昨日どうだったのよー」

と笑いながら近づいてきました。

「なんかー、海ドライブしてお茶奢ってもらったんだって」

私が答えるより先に、Y美が答えていました。

「どこでお茶したの?」

K子は、Y美より更に興味があるといった風に聞いてきました。

「あー、○○○ってお店。」

「えー?あそこ連れてって貰ったの?いいなー、私も行ってみたいんだよね」

K子の話によると、私が連れてってもらった店は雑誌にも載っている有名な店で。
女の子ならデートで一度は行ってみたいと憧れる場所なのだと言われました。

「あ、そうなんだ。じゃぁ、得したね」

私は笑いながら答えました。

「じゃぁ、次会う約束とかは?」

K子もY美と同じ事を聞いてきました。

「いや、もう会わないよ。」

「なんで?勿体無いじゃん」

勿体無いというK子の言葉に少し驚きました。

「え?勿体無いとかそういう問題なの?」

笑いながら返すと

「そうだよ。だって、色んなとこ連れてってもらえるかもしれないんだよ?」

K子は当たり前のように答えました。

ここで担任が教室に入ってきたので、一旦話は終りました。
私は担任が何かを話している間中、ずっと考えていました。


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「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

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