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2003年12月31日(水) 男だらけのていきゅうかげき

開場入り。
五反田駅には不自然なくらい女の子がいっぱいでした。さもあらん。
その流れについて会場へ。
初日は入場規制があったって他所のサイトで見たんだけどなかった。
すぐ物販の列に並ぶ。
コミケにくらべりゃこんなの列に入らねえな、入らねえよ!というわけで
問題無し。さすがに通路を渡る時に手は上げなかった。
物販は、公演グッズ(パンフ、ポスター、写真)と既存のCD、DVD。
公演グッズに関しては…ポスター以外は全部買ってしまいましたすいません。

席は2階なのでどうかなーと思ったけど、入ってみたら狭!
キオ曰く「これくらいなら某イベントならS席の範疇」だそうで、
思ってたよりも舞台に近かったし、むしろ舞台全体が見えて悪くなかった。
2階とはいえ一番前だったし。
傾斜があるので後ろでも問題はないけど、あの角度だと結構怖そう…
(庭球祭の時の会場は傾斜が強くてかなり怖かった)
あと、先に悪いところいっとくと、音響がよくなかったなー。
舞台の両隅にスピーカが置いてあったけど、最後のkimeruの曲とか
大音量になるとハウリングが…。台詞も一部聞き取りにくかったのが残念。


舞台のいろいろ。

DVDの会場より舞台そのものもかなり狭かったけど、
床のコート模様にパースがつけてあって、奥行きを出す努力がしてあった。
天井からネットを模した飾り?の装置が出てきたり、
狭いなりに工夫があって面白かった。そういう装置とか見るのだいすき!
「せり」がないので裏方が台とかその都度片付けてたけど、
ストリートテニス場のシーンでは、リョーマ達が自分でネットを片付けてたのが
可笑しかった。

流れは
青学メンバーの歌(前回公演の曲のリミックス〜今回のメインテーマ)から
玉林とのストリートテニス場対決、青学の練習、不動峰チームのお披露目までが
第一幕。
不動峰戦から寿司屋の打ち上げ、高架下コートの試合までが第二幕。
そのあとは前回と同じ、kimeruの曲にあわせて出演者のアピールとカーテンコール。

曲は前回にくらべると明るめというか爽やかっぽいというか、そんな感じ
特にリョ桃とか大菊あたりが。
あっでも不動峰の歌はすごかったよ!
「先輩の〜暴力〜」とかそういう歌詞。す…すんごいな…
まあテニスに限らず、ミュージカルてわりとそういう曲多いけどね。
鉄のひと、めちゃめちゃ歌うまかった。
パンフで土屋君が不動峰チームに対して、のとこで「歌うまいよね…」
て書いてたのがおかしい。さいごの … が。
あと神尾の曲も色々すごかった。
曲の間、青学の応援席で36の動きがすげえ可愛かったので
そっちばっか見ちゃった…すいませんあたし一太郎萌えで…(…)


配役変更でどうかなーて思ってたけど、そんなに違和感なかった
むしろたった10日でよくここまでもってきたなあて言うくらい
頑張ってたと思う。kimeruリョーマも結構よかった。

「でもやっぱりふくらはぎの形が(柳リョマと)違うね」byキオ。

すげえ!

で、先入観なしに見るとまったく問題ないけど、
アニメの声優と同じで、すでに各キャラとキャストのイメージが
固定されてんだな〜とそう思った
原作付き舞台、というよりもうすでにテニミュで独立しつつある、
そういう感じ(もちろん原作を知っているのが大前提で)
アニメの実写版ていうんじゃなくて、
テニミュはテニミュとして楽しめる人じゃないと、つまらないかもと思う。



カラーコーンの練習、やっぱり乾はイモジャに白Tシャツが似合う!
似合いすぎて眩しい。そんな青山乾。
ちゃんと指定の色のコーンが揺れるんだよね〜芸コマ〜
リョーマと手塚が同じ列にいた、それだけで萌える。お手軽人生だから。
ビリの乾汁は(不当な扱いにより)不二先輩に。
実際に汁らしきものを一気飲みしてた。
パワーアンクルのところの薫が
乾「10枚でいくか?20枚?」薫「あ、5枚で…」みたいなかんじで
す、げ、え、かわいかった〜。乾海のひとはもっとたまらないだろうなあ。
郷本薫の美脚にパワーアンクルがよく映えてた!(何見てんだよ)


不動峰は仲良しっぽさがよく出てた
歌もそろってて迫力あった
タッチーのヒゲがなかったのが残念ポイント。いっそヒゲあってもよかったよ!
伊武の小西君て、パンフ見たらえらい美形で驚いた。
ダンスすると、あのユニフォームについている意味不明なフードが揺れていて
なるほど動きとしては面白い。
そのためにフードがついてるわけじゃないだろうけど。
神尾が伊武に「だから杏ちゃんとられちゃうんだよ」みたいに言われてた!
ミュージカルでも神尾受け。


不動峰戦ダブルス
不二先輩のつばめがえしは、わざわざコートチェンジして、
後ろからと前からと両方見せてくれる演出に。
おお、後ろから見てもちゃんとつばめがえしだ!
それにしても「つばめがえし」と聞くと条件反射のように青山乾声で
「天才だぜ〜スーパーショーット、つばめ、がーえし」と浮かんでしまうところが怖い。
あたしCD聞きすぎ!

そして大菊戦
内村君いないからてっきりとばすのかと思ってたけど、
スクリーンを使って、あとはダンスでみせる演出でちゃんと入ってた。
「俺とお前はゴールデンペア〜」て曲だった(まんま)
いやあ、もう菊丸イチかわいすぎるから!何なのあの小動物…!
なんであんなにかわいらしく動くんだよー あーもうだめ(あたしが)
柳君降板はほんと残念だったけど、あたしの期待を含んだ予想では
きっといずれフルキャストで追加公演をやると思うので、
今回菊丸一太郎が見れた事、それはそれで素直に喜んでおく。わーん可愛(略)


シングルス
どっちも試合のシーンは演出ですごくかっこよく見せていてすごかった
みせ方が前作よりパワーアップしてて面白かった
伊武のスポットのシーン、かっこいいじゃねーの!
あーめいっこに見せてやりたかった…!(めいっこは伊武ファン)
やっぱりテニプリはテニスの漫画だから、テニスシーンは盛り上がるよねえ
実際に人間の動きで見るとそりゃもうすごいよ
アニメもなー、もうちょっとちゃんと動かしてくれれば…ホントに…

試合中、手塚が座ったり立ったりするだけで盛り上がるあたしら3人
端から見てるとさぞ無気味だったろうよ
もう、手塚が何しても可笑しいの…手塚は手塚であるだけで可笑しい…
ダンスなんて殺人技だった(上手い下手の問題とは別次元で)
滝川君ごめん…

そしてなぜかやたらにリョマと薫たんが仲良しっぽい演出にも萌え
タオル渡してあげたりすんの!リョマが!ありえねえと思いつつも萌え
くそう、うまいとこついてくるなあ…!
リョマの試合を見てる時の薫の座りポーズも薫すぎてたまらんかった
うまいとこついてくるなあ…!
リョマが目をけがしたところ、
タカさんがホントにふら〜って倒れたのが妙に可愛いかった
菊丸の台詞もちゃんと「いったそー…」になってたし、細かいところが
原作に忠実なのが好きだ。


寿司屋でGOは最初から最後まで本当に面白かったよ
あいつらなんだよ…!可愛すぎるから…!
手塚、学ランが似合わねえー!(萌)
薫があなごを一気食いしてモゴモゴしてたのがたまらん
そのあと喋れないの…!か、かわゆ…!おまけに正座…!か、かわ…
菊丸が不二のわさびまきを食べるシーン、菊が口に放り投げた瞬間に
他の4人(リョ、不、桃、海)がテーブルにあった水を
猛スピードで全部飲んで空にする演出、最高!そらもう見事な動きで!


そしてリョ塚的メインイベント
手塚が「越前と試合させて下さい」って言っただけで
2階席の一角から黄色い悲鳴が…(あたしじゃないよ)
二人の試合をちゃんと大石が見守っていた。テニミュ、さりげに大塚演出だよね。
そのあと二人で歌うんですがね…!た、たまんな…(落ち着いて)
滝川君、DVDにくらべて歌が格段にうまくなってて驚いた。
kimeruは言うに及ばずだったし、盛り上がったよ〜お腹いっぱい!

最後に不動峰と青学、全員そろって歌で締め。
この全員で歌うところが迫力あってすごくよかった…
あー早くCDでもDVDでも出てくれないかなー!


カーテンコールは結局4回出てきてくれたかな?今日の最終だったしね
菊丸が不二をお姫様だっこしてたりして、サービス精神旺盛だった
あのふたり(永山君と一太郎)ちっちゃくて、並ぶとまた可愛いのよ…
(追加公演やる暁にはぜひ、て、手塚とリョーマでおねがいしたい…!)
最後の方で、みんながわーって前でアピールしてる時に
タッチーが後ろでほうきとちりとり持って掃除してたのが最高に可笑しかった
キャストが一人ずつ出てくるアピールのとこ、
眼鏡をとってみせた滝川手塚と、とりそうでとらなかった青山乾、
どっちもうまい演出だった。会場大喜び!


そんなこんなで、とっても楽しく2時間過ごしたよーあっという間だった
はじめテニプリのミュージカル、ってきいたときには「はあ?」って思ったのに
こんなにはまるとは思ってなかった
もともと歌ったり、踊ったりするものが好きなのもあるけど
やっぱり舞台てライブだから色んな意味で感動がある。
みんなで何かを作るのって本当に楽しいしね。
アニメと違って、演じてるのが実際に人間の役者さんなので、
あーこれテニスの動きとかすごい練習してるんだろうなーって思うと
素直に感動できる。
まだ見た事ない人も、一度DVDでもいいので見てみるといいと思う
その時はテニプリ(アニメ)の先入観を捨てて見るのがおすすめ。です。
で、おお!て思ったら実際に会場へ行くのがもっとおすすめ
ただ自分も一緒になって楽しもうとしないと、つまらないのでそのつもりで。
バンドのライブなんか行くと、ついてこれないやつはおいてくぜーみたいに
言われるけど、本当にそうだなーって思う。



おまけ
パンフ(夏の追加公演分)の各キャストへの質問、
「出演者の中で王子様といえば?」で滝川君が「柳」て答えてた。
も…萌え…!

…2003年の締めくくりもあますところなく駄目人間。でした。


2003年12月29日(月) よるのパレード/5

 いくつかアトラクションをまわったところで、空腹を覚えた二人は昼食を取る事にした。レストランという気分でもなく、手近な店で軽食を注文し、オープン席に陣取る。空気は冷たいが、晴れているせいか、さほど寒さは感じなかった。
「菊丸先輩達、どうしてるっすかね」
 プラスチックの皿に入ったカレーライスを口に運びながら、リョーマは入り口で別れた菊丸と大石の事をふと思った。
「すまない。携帯を忘れたと、あの時すぐに言えば良かったな」
「まあ、いいんじゃない。きっと、今頃は二人で楽しんでるっすよ」
 少なくとも菊丸は最初から別行動を取るつもりだったのだろうし、それならば邪魔をするのも気が引ける。あるいは、リョーマに気を使ってくれたのかもしれないが。
「お前は…」
「え?」
 目の前の通りをなんとなく眺めていたリョーマは、控えめな手塚の声に視線を戻した。いつのまにか、食事の手を止めている。
「…どうしたの?」
「いや、なんでもない」
 軽くかぶりを振って、手塚は再び手を動かし始めた。そんな様子を訝しく思いながらも、その手の動き、スプーンを含む口の動きにリョーマは見入ってしまう。手塚と二人きりで向かい合って食事をするなんて、今まで滅多になかったと、改めて気付いた。
――ひょっとすると、これからも…。
 そんな思いが脳裏を掠めたが、リョーマはそれを無理矢理押し込めた。
「なんだ。俺の顔に、何かついてるか?」
 あまりにも見入っていたためか、その視線に少し居心地悪さを感じたらしい。手塚はほんの少しだけ眉をよせて、リョーマを見返した。
「ううん、別に。いつもは誰かと向かい合って食事すると、鏡みたいになるから…ちょっと新鮮だなと思って」
「ああ」
 右利きに比べて、左利きの人間は少ない。リョーマの周囲も例外ではなく、だから向かい合えば相手とは動きが反対になる事が多い。
 手塚が左利きなのは、もちろん偶然である。けれど、そんなささいな事さえ特別に思える自分に少し呆れて、リョーマは視線を再び通りへと戻した。手塚の方をみていると、自分の手が止まってしまって食事にならない。
 しばらく二人は無言のまま、黙々と食事を続けたが、ふいに視線を感じてリョーマが顔を前に向けると、手塚がじっとリョーマを見ていた。思わず、リョーマの心臓が跳ね上がる。動揺を悟られないように、つとめて平静な声を出した。
「何?俺の顔に、なんかついてます?」
「ついてる」
「え」
 何が、と問い返すよりも早く、手塚の手が伸びてきて、指先がリョーマの頬に触れた。そのひやりとした感触に、思わず目を閉じる。
「…!」
 指は、リョーマの口元を軽くすくって、離れていった。リョーマがそっと目をあけると、手塚の白い指には、白い米粒がひとつ、ついている。
「よそみしながら食べているからだぞ」
「あ…ちょ、ちょっと…」
 リョーマが制するより早く、手塚はその指を口元へ持って行き、そして…
 
 ぺろり、と舌ですくいとって食べてしまった。

 手を伸ばしかけた姿勢のまま、リョーマは声もなく固まった。
「…」
「なんだ?」
「…」
「おかしなやつだな。ぼーっとしてないで、早く食べろ」  
 何事もなかったかのように、手塚は食事の続きに戻った。リョーマはなおも固まっていたが、手塚にじろりと睨まれて、ぎこちない動きでスプーンを動かす。
(こ…この人、なんで無意識でこういう事…!)
 親愛の表現と受け取って喜ぶべきなのか、はたまた子供扱いされたと怒るべきなのか、上手く働かない頭で必死にリョーマは考えた。が、
(どうしていいかよくわかんない…)
 結局、ただ照れただけで終わってしまった…。
 

NEXT

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この続きを書き足して、リョ塚オンリーでコピ本にして持ってゆきます。
予定は未定とはいいますがね…えへ…(沈)


2003年12月26日(金) 井上のもと

 その日、井上が帰路についた時には、すでに夜の八時をまわっていた。とはいえ、普段から日付けが変わるまで働いている事も珍しくない井上にしてみれば、どちらかといえば早い方である。実際のところ、まだ仕事は山積していたが、それらを半ば放り出すようにして、井上は出版社を出た。
 原因は色々あった。新しく異動してきた上司とは今一つそりが合わないし、部下はへまばかりやっていてフォローが忙しい。さらに親戚の結婚式とやらで、ここ数日芝が休暇をとっているのも痛かった。仕事ぶりはまだまだの新人とはいえ、ずっと行動を共にしている分、意志の疎通が他の者よりスムーズである。同じ仕事を他人に頼もうとすると、また一から説明しなければならない。
 そんなこんなで、井上はここ数日ひどくストレスフルな状態にあった。連日の残業のせいで、いい加減疲労もたまっている。さすがに限界を感じ、今日のところは早々に切り上げたのだった。
「くそっ、随分混んでるな」
 どこかで大きな事故があって、交通規制がされているらしい。駅周辺の道路はどこも混んでおり、車の流れは遅々として進まない。井上はハンドルに軽くもたれかかって忌々しげに前方を見つめた。
「明日も早いのに…」
 明日は土曜だが、取材の予定を入れてあった。取材先は、井上がここ数年ずっと興味を持って記事を書き続けている、青春学園中等部・男子テニス部である。
 すでに顧問に連絡も入れているし、何よりも自分自身が楽しみにしている仕事のひとつであるため、キャンセルはできない。芝は今晩帰って来るはずだから、明日は久しぶりに充実した仕事が出来そうなのが、せめてもの救いであった。
 前の車が少し前進したため、井上は姿勢を戻して自らも車を進めた。それでもまだまだ自宅への道程は長い。一体いつになったらたどり着けるのだろう、いら立ちとともにため息をついた時、井上は窓の外に、見なれた後ろ姿を見つけた。
「手塚君?手塚君じゃないか?」
 助手席の窓を開けて呼び掛けると、歩道をゆっくりと歩いていた手塚は、足を止めて井上を見下ろした。
「井上さん。こんばんわ」
「やあ、こんばんわ。こんな遅くまで練習してたのかい?」
 きっちりと頭を下げて挨拶する手塚の姿になぜか嬉しくなって、井上は陽気に声をかけた。
「あんまり無理しない方がいいんじゃないかな?」
「練習のあとに生徒会の用事で残っていたので…」
「そうか。大変だね」
 渋滞のせいで車は少ししか動かないが、それでもいつまでもこうやって話し込んでいるわけにもいかない。
「手塚君、もし良かったら、乗っていくかい?家まで送るよ」
「いえ、それは御迷惑ですから…」
「でももう時間も遅いし…。手塚君は、電車かい?」
「バスです」
「それなら、なおさらだ。道路がこの調子だから、バスだと結構時間がかかってしまうよ」
 自家用車であれば横道に入る事もできようが、路線バスではそうもいかないだろう。
「車でも途中までは同じだけど、家につくまで寝てればいい。随分疲れた顔してるよ」
 随分、というのは誇張を含んでいたが、手塚が疲れた様子なのは本当だった。肘の故障を押しての練習に生徒会の雑事と、様々な事が重なっているのではそれも致し方ない。
 井上はまだ手塚の怪我の事は何も知らなかったが、それでも手塚を少しでも休ませてやりたいというその台詞は本心だった。
 手塚は少し躊躇していたが、やがて再び頭をさげた。
「すみません、じゃあお言葉に甘えて、お願いします」
「はは、そんな堅苦しい挨拶はいいよ。ほら、急いで乗って。荷物は後ろに置くといい」
 井上はドアロックを外して扉を開け、手塚を中に招き入れた。手塚は大きなテニスバッグを後部座席へ置いて助手席に座ると、ドアを閉めてシートベルトをつける。シートに身を預けると、小さく息をついた。やはり、疲れているのだろう。
「こんな時間まで、学校に残っていて何も言われないのかい?」
 住所を聞いてカーナビを操作すると、井上は至極当然な質問をした。中学校が、八時すぎまで生徒を残すとは考えにくい。
 案の定、手塚は少し口ごもった。
「いえ、その…本当はいけないんですけど、部室の鍵を持っていたので…」
「そういうことか。でも、やっぱりあまり遅くなるのは感心しないなあ」
「そうですね…今後気をつけます」
 ぺこりと頭を下げた手塚の仕種が妙にかわいらしく感じられて、井上はそんな気持ちを誤魔化すように、慌てて言った。
「ごめんごめん、お説教するつもりはなかったんだけど。ただ、最近は物騒だから。手塚君も聞いてるだろう?このあたりで変質者の被害が相次いでるって話」
「ええ、知ってます。朝礼でも生徒に注意を呼びかけているので」
「だろう?それなら、やっぱり気をつけないと」
 言いながら井上がふと横を見ると、手塚が怪訝そうな顔をしていた。
「どうした?僕、何か変な事を言ったかい?」
「あ、いえ…。ただ、俺は別に気をつけなくても平気かと思って…」
 手塚は女生徒ではないし、しかも背もかなり高い。知らない人間が見たら中学生とは思わないかもしれず、手塚の当惑はそういった意味では当然のものだろう。
 手塚の言わんとしている事を理解して、なぜか井上は妙な焦りを感じた。たしかに手塚の言う通りだ。だが、今の井上の台詞は、極自然に口からすべりでたものだった。
「あ、ああ、それはそうだね。だけど、変質者って言っても痴漢ばかりってわけじゃないだろう。暴力を受ける場合もあるし…」
「それはそうですね」
 やや弁解めいた井上の様子に、だが手塚は不審を抱かなかったらしい。納得して頷く手塚に、井上は安堵した。
「おしゃべりがすぎたかな。手塚君、着いたら起こしてあげるから、眠かったら寝ていていいよ」
「はい、ありがとうございます」
 なおも道路は渋滞していたが、三十分ほどして事故の処理が終わったのか、ようやく車がゆるゆると流れ出した。
 これなら十時前には手塚を送り届けられそうだ。そう安堵した井上が助手席を見ると、いつのまにか手塚は眠っていた。長い睫を伏せて、静かに寝息を立てている。




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「オジさんと俺。」用に書いていた井上×手塚の第一稿
このあと手塚が寝てる間に人気のないところへ車を止めて
車内で襲うという話になるよていだったのですが
書き出しが長くなっちゃったのと、
手塚のようにでかくて力のある生き物を車のなかで無理矢理ヤるのは
難しいだろうなあということでストップし、
最終的には本に載せた内容に書き直しました。
芝がいないとか、手塚が遅くまで学校に残ってるとかそのへんだけが
最終稿まで持っていかれてます。
原稿整理してたら出てきたので、大掃除ということで。
続きは、適当に脳内補完して下さい(…)

ちなみに仮タイトルは「熱波」
熱さと苛立ちにうなされて衝動的に…っていう感じにするはずでした。
なのになぜ本ではあんなに計画的な変態になってしまったんだろう…


2003年12月13日(土) よるのパレード・4

「日本人って並ぶの好きだよね…」
 二人が最初の目的地に着くと、アトラクションの前にはすでに長い列が出来ていた。菊丸なら「いつもはもっと混んでいる」とでも言うかもしれないが、リョーマにとっては信じられない長さの列だ。
「お前だって日本人だろう」
「そういう意味でなくて」
 対する手塚は、文句をこぼすでもなく黙々と列に従って動いている。改めて二人きりでこうしていると、会話が面白いほど続かない。手塚もリョーマも、お世辞にも雄弁とは言えないし、だからある程度予想はしていたが、わざわざこんなところまで来て黙っているのもどうかという気がする。
 尤も、手塚はと言えば園内の様子を見ているだけでもそれなりに時間が潰せるらしく、時折あたりを見回しては、一体何を納得しているのか、小さく頷いていた。
(部長、俺とこんなトコにいて楽しいのかな)
 もともと菊丸に誘われたのだから、手塚にしても四人で行動するつもりでいたに違いない。大石達がいれば話す事もあっただろうが、リョーマと二人きりではそうもいかない。リョーマは手塚といるだけでももちろん楽しい。けれど、手塚はどうだろうか…。
「越前」
 リョーマがあれこれと考えていると、突然手塚がリョーマの方を向いた。
「あ、何?」
「お前…大丈夫か?」
「何が?」
「ジェットコースター」
 一瞬、手塚の質問の意を汲みかねたリョーマは、しかしすぐに思い至って軽く口を尖らせた。
「馬鹿にしてんの?こんなとこのジェットコースターなんか全然平気ッス。絶叫マシーン好きだし…」
「いや、そうじゃない、あれだ」
「…アレ?」
 手塚が指差した先には、白い看板が立っている。リョーマは軽く目を細めると、看板の文字を声に出して読んだ。

『…〜など、ご気分のすぐれない方は御遠慮下さい。また、身長が130センチ以下の方は御乗車になれませんので…』

「…。俺、どこも悪くないけど」
「その次だ」
「それって、もちろん冗談だよね?」
「何がだ」
「いくら俺が小さいからって!130センチ以下のわけないじゃん!」
「そうか?だが、一応測ってみた方がいい。看板に目盛りがついているし」
「ちょ、ちょっと!」
 手塚は嫌がるリョーマの頭を押さえ付けるようにして看板の前に立たせると、真剣な面持ちで看板に書かれた目盛りと比べた。後方に並んでいたカップルが忍び笑いを漏らすのが聞こえ、リョーマはそちらを睨んだが、手塚はまるで気にしていない。それどころか、大真面目に頷いて見せた。
「大丈夫のようだな」
「さっきからそう言ってるっすよ!」
「そうか、すまん」
 まるですまなそうに聞こえない口調で手塚は謝り、軽くリョーマの頭に手を乗せた。
「やっぱり馬鹿にしてる…」
――ていうか、子供扱いだよな――
 どんな状況であれ、手塚に触れられれば嬉しいのは確かだが、ここまであからさまな子供扱いではそうも言っていられない。
 何か文句のひとつでも、と開きかけたリョーマの口は、だが中途半端な形で止まってしまった。
 リョーマを見下ろしている手塚の顔が、穏やかに笑んでいたからだ。
「―っ!」
(これで無意識なんだから、タチ悪い…)
 おそらく赤くなっているだろう顔を見られないように、軽く俯いて視線を地面に向ける。こんな風に不意打ちをされると嬉しいには違いないのだが、少し悔しい気もした。
(そのうち、アンタの方が俺を意識するようにしてやる)
「…ところで部長」
「何だ」
「そろそろやめてほしいんだけど…」
「ああ」
 何が気に入ったのか、ずっとわしわしとリョーマの頭を撫でていた手塚は、そこでやっと手を下ろしてくれた。もったいない気もしたが、いつまでも頭を撫でられているのも格好がつかない。
「縮んだらどうすんの」
「ひっぱってやろうか」
「…」
 ホントにタチ悪い、と呟いたリョーマの目の前で、列がゆっくりと動きだす。二人はその流れに沿って白い建物の中に吸い込まれた。


2003年12月10日(水) リョ塚を

かーきてえなー
でも何がどうというわけでもないのに何もできない。何故よ。
駄目だもっと生き急がないと!だらだらと長生きしては駄目だ!
昨日から今ちょっと長いの書いてるんだけど、
それは多分オンリーにもってゆく本になる。と、いいなあとか(…)
うちは自転車操業サークルなので、
ぎりぎりに入稿なんて技はとても使えない。故に早めに仕上げないと。
気分的には好きなように装丁したいのでコピー本にしたいんだけど
ページ数的に無理かな…
50枚くらい綴じられるホチキスが欲しいよ。
あとは、ここでゆらゆら書いてるねずみーらんどをコピーにしたい。
オンリー楽しみ早く来ないかな

アジアン・カンフー・ジェネレーションのライブ横浜はさすがに駄目だったけど
(一応電話してみた)
最終日の渋谷ならどうかなあこれからチケット発売だし
と思って日程見たら、2/13…
2/14はお教室があって、2/15がリョ塚オンリー。

諦めました。
そんなに休み取れない。
ていうか、どっちか取れと言われたら、やっぱリョ塚を取る…し…。




2003年12月06日(土) 微妙にネタバレ含みますが

あと海野ルートをやったらひととおり全キャラとヤったことになる、
という地点までたどりつきました。はあはあ。
やっぱり中嶋が一番かな…
萌えでいうと上から順に 中嶋 岩井 遠藤ですが
好きでいうと上から順に 中嶋 郁 岩井 遠藤かな
郁ちゃんはキャラとしてはものっすごく好きだけど、
ヤらなくてもいいなー。と。お友達で。女王様で。

逆に岩井はやらんでどうする!みたいな。そういう萌え。
プレイする前は苦手かも、と思っていた岩井ですが、
終わってみるとあら不思議。これがねえ。なんか愛が芽生えましたよ(ええー)
これで受けだったらぺっ!てかんじだったかもだけど、
ヘタレ攻めなんだもの!ビバヘタレ攻め!
あんなに駄目なのにやるときはやるな!こいつう!と思ったらはまった。
これがエロのない、恋愛ゲーだったらここまでこなかったかも…
駄目なのはあたしですか。そうですよね。
実は根が図太そうなところも好きー。
遠藤ルートで、篠宮のお説教から逃がしてくれるシーンがもうすごく好き。



正直、途中まではもうこいつ駄目〜つまんね〜と思ってたけど
最後は怒濤の盛り上がりだった。
射場で押し倒したところで一気にポイントがあがりまちたよ。えへへ。
これで、ただ美しく終わったら本当に駄目だった…
この人もある意味ヘタレ攻め。

ところで
このゲームて、体格で受け攻め決まってるのかね…
そりゃ、ちっこいほうが攻めだと絵になりづらいけどさー。
(リョ塚にとって最大の難関がここに)



この人は、名前はすごく好きなんだけど
それ以外は特にポイントとなるところがなく、普通。
あっでも、いたした後に拭いてくれたのはいい感じでした。


王様
啓太じゃなくて、中嶋とくっついた方が断然面白い。と思った。
だってこの人、受けだもん…。



最後がかわいらしくなりすぎたのが惜しかった。
ていうか、啓太の攻めがビミョー。


成瀬
とてもイイ人だなあ…と…。それくらいしか…。


中嶋
とりあえず、エロが素晴らしかったので満足(自分に正直に)
なんとなく最初にエンディング見ちゃったので、もう一度やる。
次は眼鏡ありで。たたんでポケットにしまう、ってのも芸コマでよい。
この中嶋ルートのヒダリ的最大のポイントは、中嶋とやったのを思い出して
啓太がひとりで…ってところ。生々しくてよい。
わー変態ー(あたしがな)
中嶋ルートの啓太はあの葛藤っぷりが好きだ。
そしてそれを翻弄する中嶋、という図式。たまらんです。
あたしはどちらかというと、「非の打ちどころのない攻め」にはあまりはまらないので
中嶋がきたのはわりと意外。


遠藤
わーこのひと真性だー(緩い笑顔で)
まずいよー子供の時から目をつけてるよーうわーん怖いよー
まあでもおこちゃま啓太があんなにかわいらしければそれも仕方ないか。
現時点で見た全スチルの中で、こやつの逆光スーツが一番ヒットだったなんて
口が避けても言えない気分です。
エロは盛り上がりがあってよかったと思います。ある意味王道で(…)
机におしつけて〜ってのもシチュエーションとしていいよねえ
(そういう意味で中嶋の跳び箱も)(たたんだマットなら文句無しだったけど)
欲を言えば、最後までスーツ着たままだったらなおよかった。

あ、あと背中から抱きついたのにもちょっと萌…え…
こういう、やっちゃう一歩手前、やりそうでやらない、もしくはできないってのが
あたしの一番の嗜好です。
駄目にーんげーん。



遠藤とヤってる時(…)に、
主人公の名前を「伊藤 もんじゃ」にしたらどうかなあって思ったんだけどどうかな。
「俺は、もんじゃの強運を信じてるよ」「もんじゃ…お前…」って。楽しくない?
「俺も、伊藤のこと、もんじゃって呼んでもいいかな…?」って。楽しくない?
楽しくないか。楽しいのはあたしだけか。そうだよね。

でも、エロがちょっくら苦手、って時には結構有効じゃないかな。
「もんじゃの中…狭くて、熱い…」って言われてもあんまりエロくないし。
どうかな。


2003年12月02日(火) 副理事長ったら

おいしいやつめ。
まあ王道っちゃ王道ですよね。
相手が啓太じゃなかったのはちと残念でしたが、というわけで
なんとなく滝も1ルートクリア。ちょっと萌えました。えへへ(鬼畜スキー)
それにしても、どのエンディングがどういう位置付けなのかさっぱりわからない
やってる絵がいまいち甘かったから(…)また別のがあるんじゃねえかと思うけど。
でも、滝のシナリオてPSではどうなってんだー。
久我沼にやられてる絵ってでるのかなー。
あれくらいならOKなのか?まあ、全部見えてるわけじゃないし…しかし…
(そんなに気になるなら買えば…)


あと遠藤もやってみたけど、まずはふーんて感じで終わった。
しかも、チューの絵がギャラリーの最初かよ。どうよそれは。
もっとすごいのがあるってことかよ。
はじめはうっとおしかったけど段々素敵に思えてきた。わー。


郁ちゃんは寝込みを襲わなかったら召し使いで終わってしまったので
途中からもう一度やった。据え膳は食わねば男じゃないってことなのですね。
それにしても滝もそうだったけど、啓太の攻めはビミョー…


しかし、滝をやってみてシナリオがかなり凝ってるんだなということに
気付きました。なるほどなあ…
ちゃんと伏線がはってあるんだねー。


でもやっぱり、久我沼にやられるエンディングが欲しい…。ないのかな…。


あ、前回書き忘れた中嶋エロの萌えポイント
耳!耳にチュー!萌え!
過去、高宮さんに「耳チュー」をリクしたことがある程、弱いです。
駄目にーんげーん。



hidali